[クラシックCD推薦盤100]

 

クラシックCD推薦盤100☆オペラ・声楽曲

コメントは、順次記入していきます。


シューベルト:歌曲集
シューベルト:歌曲集《美しき水車小屋の娘》、《冬の旅》、《白鳥の歌》 他
演奏:F.ディースカウ(バリトン)、ムーア(ピアノ) (Grammophon 437 214-2 ♪♪ 21CD)


シューベルトに限ったことではないのですが、ドイツ・リートといえばF.ディースカウは唯一無二の存在。このBOXセットは、彼が遺したシューベルト録音(全405曲)をまとめて聴けるお買い得セットです。
F.ディースカウの歌唱は、豊かな知性と感性、そしてシューベルトへの敬愛の心に裏打ちされており、ピアノ伴奏のムーアとの息もぴったり。また、ドイツ語の発音の美しさも、彼ならではのものです(学生時代、ドイツ語の先生が「F.ディースカウの発音は、ドイツ語を学ぶ者の良き手本だ」と言っていたのを思い出しました)。

  


メンデルスゾーン:宗教音楽集
詩篇第42篇・第95篇・第115篇・第114篇・第98篇 ほか
演奏:コルボ指揮、リスボン・グルベンキアン財団管弦楽団・合唱団(ERATO WPCS-5677〜5678 \1,942)


J.S.バッハの《マタイ受難曲》の復活上演を行い、ドイツ(デュッセルドルフ)でヘンデルのオラトリオの普及に努めたメンデルスゾーンは、自らも多彩な宗教的声楽曲を作曲しています。
なかでも《詩篇第42篇》はメンデルスゾーン自身が「この様式で私が作曲したものの中で最上の作品」と述べているように、充実した作品になっています。
コルボの指揮によるこの演奏は、メンデルスゾーンの美質を最大限に引き出した、優しさと暖かさに満ちた名演です。

  


シューマン:ばらの巡礼
演奏:バッヒャー(ソプラノ:ばらの妖精)、ヴァイル(テノール:語り)、シドン(ピアノ)、フーバー指揮、南西ドイツ放送合唱団(ebs record ebs6075 ♪♪♪)


レコード芸術誌の記事で紹介されていたのをきっかけに聴いてみた曲で、人間の世界の愛とはどんなものか経験したくなった ばらの妖精が乙女の姿になって下界に降り、愛の悲しみと喜びを味わった後、再び妖精の国に戻る という物語です(M.ホルンの童話に基づく)。
可憐なばらの妖精による「愛とは何か」捜し求める巡礼の旅が、ピアノ伴奏とともに静かに語られていくのですが、清らかな抒情をたたえたハーモニーは、シューマンならではの美しさです。
オーケストラ伴奏版もあるようですが、このebs盤はオリジナルのピアノ伴奏版で、ばらの妖精の「心の旅」をそっと見守っているような優しさを感じさせるシドンのピアノ伴奏が、特に素晴らしいと思います。 

  


ワーグナー:楽劇《ワルキューレ》全曲
演奏:キング(ジークムント)、リザネック(ジークリンデ)、ニルソン(ブリュンヒルデ)、ウォータン(アダム)、ベーム指揮、バイロイト祝祭管弦楽団(Philips PHCP1346〜9 \9,709)


勇ましい「ワルキューレの騎行」であまりにも有名な《ワルキューレ》ですが、全曲を貫くのは、むしろ切ないまでに美しい抒情かもしれません。ジークムントとジークリンデ、ウォータンとブリュンヒルデ・・・様々な形の愛が現れる場面で、ワーグナーはあまりにも美しいメロディを歌手にオーケストラに歌わせます。
このCDは、超弩級の歌唱陣と名匠ベームの組み合わせによる超名演。第1幕「寒い冬の日に、わたしがあこがれていた春こそあなたです」での叙情的な二重唱、第3幕の幕切れ「さらば、勇ある輝かし子よ〜ローゲよ、聞け!」での管弦楽の雄弁さ 等々・・・どの場面も感動的な表現に満ちています。

  


グノー:歌劇《ファウスト》全曲
演奏:フレーニ(ソプラノ:マルグリート)、ドミンゴ(テノール:ファウスト)、ギャウロフ(バス:メフィストフェレス)、プレートル指揮、パリ国立歌劇場管弦楽団・合唱団(EMI TOCE-6449〜6451 \6,408)


パリ・オペラ座で、初演から1975年までの約120年の間に通算2836回という驚異的な上演回数を記録するなど、圧倒的な人気を誇る《ファウスト》は、グノーの音楽がもつ優美さや、フランス的な和声の新鮮さが魅力のオペラです。
プレートル盤は、ドミンゴの若々しく力強いファウスト、メフィストフェレスの悪魔的な性格を憎憎しいまでに見事に演じ切ったギャウロフ、マルグリートを演じるフレーニの美声・・・主役3人の好演が光ります。

  


ブルックナー:ミサ曲第1番〜第3番、詩篇第150篇、テ・デウム、モテトゥス集
演奏:ヨッフム指揮、バイエルン放送交響楽団/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(DG POCG-2635〜2638 \8,932)







 

J.シュトラウスU:オペレッタ《こうもり》全曲
演奏:プライ(バリトン:アイゼンシュタイン)、ヴァラディ(ソプラノ:ロザリンデ)、コロ(テノール:アルフレート)、クライバー指揮、バイエルン国立管弦楽団 ほか(Grammophon 415 646-2♪♪♪)


    私がオペラ/オペレッタを聴くきっかけになった曲。このオペレッタは、映像付きのほうが楽しみが大きいかもしれませんね。確かこの指揮者・オーケストラのコンビで、歌手がちょっと違う公演のライブがLDになっています。以前、NHK−BSで放映されていました。

      


ドヴォルザーク:スターバト・マーテル
演奏:クーベリック指揮、バイエルン放送交響楽団・合唱団(Grammophon 423 919-2 ♪♪)


「スターバト・マーテル」とは、もともとカトリックの典礼で歌われる聖歌で、わが子イエス・キリストを失った母が十字架の前にただずみ悲しみ嘆く、という内容です。ドヴォルザークは長女の死(1875年)をきっかけに、この曲の作曲に着手します。ところがその後、長男・次女を相次いで亡くしました(1877年)。この痛ましい出来事を乗り越えて、その年に《スターバト・マーテル》は完成しました。聴く人の心をゆさぶる、悲しくも美しい曲です。

  


フォーレ:レクイエム
演奏:クレマン(ボーイ・ソプラノ)、フッテンロッハー(バリトン)、コルボ指揮、ベルン交響楽団(ERATO 2292-45116-2 ♪♪)


フォーレのレクイエムは、「怒りの日 Dies irae」を省略する一方で、最後を安らぎに満ちた「楽園にて In paradisum」で締めくくるなど、レクイエムとしては異色の作品となっています。
コルボの演奏は、清らかなフォーレの音楽を忠実に再現していた名演。特にボーイ・ソプラノの歌声は、文字通り天国的な美しさです。
 


 

プッチーニ:歌劇《ボエーム》全曲
演奏:テバルディ(ソプラノ:ミミ)、ベルゴンツィ(テノール:ロドルフォ)、ダンジェロ(ソプラノ:ムゼッタ)、セラフィン指揮、ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団、合唱団 ほか(ロンドン F00L-20558〜9 2CD \4,560)


ハリウッドで長らくメロドラマの音楽の「虎の巻」になったというプッチーニの音楽は、甘く切なく、美しいです。台本も良く、ドラマとしての完成度も高い作品。
テバルディのミミは、「肺を患っているお針子」にしては立派すぎる感じもしますが、その情感豊かな歌は、セラフィンの聴かせどころを心得た見事な伴奏もあって、涙なしには聴けません(大げさかもしれませんが)。

  


R.シュトラウス:歌劇《ばらの騎士》全曲
演奏:ライニング(ソプラノ:元帥夫人)、ウェーバー(バス:オックス男爵)、ユリナッチ(ソプラノ:オクタヴィアン)、エーリッヒ・クライバー指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 ほか(ロンドン POCL-3950〜3952 3CD \3,495/LONDON 425950-2 3CD ♪♪)


    カラヤンの新盤、旧盤も悪くないのですが、やはり、あらゆる意味でウィーン的なエーリッヒ・クライバー/ウィーン・フィルの演奏に惹かれます(録音は古く、1954年のモノラルです)。第2幕の幕切れワルツなどで聴くことができる「ウィーン訛り」は最高です。

  


メノッティ:歌劇《アマールと夜の訪問者》全曲
演奏:アレン(ボーイソプラノ:アマール)、クールマン(メゾソプラノ:アマールの母親)、シッパーズ指揮、管弦楽団ほか(RCA gold seal 6485-2-RG ♪♪♪)


    聖書のマタイ伝に基づいたオペラで、東方のひときわ輝く星に導かれて、降誕した幼子イエスに挨拶に行こうとベツレヘムに向かっていた3人の王が、一夜の宿を借りに立ち寄った小屋で見た、貧しい羊飼いの母子の心のふれあいと、キリストの奇跡がテーマになっています。
    主役のアマールをボーイ・ソプラノが演じることもあって、とても平明な音楽なのですが、それでいて深い感動を得られる曲だと思います。
    なお、このCDは1951年のクリスマスイブにNBCテレビで初演された時のオリジナル・キャストにより、翌年1月に録音された演奏です。

 

 


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