
※写真は、交響曲全集(輸入盤)のものです。
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ハイドン:ザロモン交響曲集(交響曲94番《驚愕》、交響曲第100番《軍隊》、第101番《時計》)
演奏:ドラティ指揮、フィルハーモニア・フンガリカ(デッカ UCCD-7088 \952)
ロンドンの辣腕興行師ザロモンが主催する演奏会のために作られた12曲の交響曲は、「交響曲の父」の異名をもつハイドンの面目躍如たる傑作です。なかでも、タイトル付きの作品が特に知られています。
名匠ドラティと、ハンガリー出身の音楽家で編成されたオーケストラ”フィルハーモニア・フンガリカ”とのコンビによる演奏は、ハイドンの音楽を自然体で、軽やかに表現していると思います。
なお、このコンビはハイドンの交響曲全曲(104曲+交響曲"A","B")を録音しています。お金と時間に余裕のある方は、ぜひトライしてみてください(Decca 448-531-2 33CD♪)
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※写真は、交響曲全集(輸入盤)のものです。
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モーツァルト:交響曲31番
K.297《パリ》、交響曲第40番 K.550、交響曲第41番
K.551《ジュピター》
演奏:ベーム指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(Grammophon RESONANCE 427-210-2 ♪)
往年の名指揮者ベームによるかっちりとした演奏。かっちりしすぎて「温かい血が通った人間の演奏とは思えない」などと酷評されることもありますが、裏返せば余計な飾りっ気がない端正な演奏ともいえます。国内盤では、第35・36・38〜41番を収録した2枚組のCD(ドイツ・グラモフォン POCG-3596〜3597
\3,884)が出ています。また、かなり前になりますが、限定発売の1000円CDとして第40・41番が発売されたことがあります(ドイツ・グラモフォン POCG-9664
\951)。第31番が不要なら、このCDの方が、上で紹介した輸入盤より安いです。店頭に在庫が残っているかもしれません。
さらに、ベームのモーツァルト演奏を聴きたい方は、上記の演奏を含むベームとベルリン・フィルのモーツァルト交響曲全集(Grammophon 453231-2 ♪ 10CD)をどうぞ。
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モーツァルト:セレナード、ディヴェルティメント集
セレナード第13番
K.525《アイネ・クライネ・ナハトムジーク》、セレナード第6番
K.239《セレナータ・ノットゥルナ》、ディヴェルティメント
K.136〜138、ディヴェルティメント K.334
演奏:ヴェーグ指揮、ザルツブルグ・モーツァルテウム・カメラータ・アカデミカ合奏団(Capriccio 49-176 2CD+特典盤1CD♪)
セレナードやディヴェルティメント、カッサシオンなどは、貴族の誕生日、祝日の食事の際や、サロンのムード作りのために作曲されたもので、総じて明るく楽しい曲となっています。《アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク》は泣く子も黙る超有名曲ですが、それ以外にも魅力的な曲が多数あります。
昨年(1997年)亡くなったヴェーグの追悼CDには、これらの曲がたっぷりと収録されています。長年ヴェーグとともに活動してきたザルツブルグ・モーツァルテウム・カメラータ・アカデミカ合奏団(長い名前ですね−)との息もぴったりです。
国内盤のなかでは、イ・ムジチ合奏団の演奏がお薦めです(フィリップス PHCP-9525
\951)。収録曲は、K.136〜138 と
K239《セレナータ・ノットゥルナ》、K.525《アイネ・クライネ・ナハトムジーク》です。
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ベートーヴェン:交響曲全集
交響曲第1番、第2番、第3番《英雄》、第4番、第5番、第6番《田園》、第7番、第8番、第9番
演奏:シューリヒト指揮、パリ音楽院管弦楽団(EMI CZS 762910-2♪ 5CD)
ベートーヴェンの交響曲全集がずいぶん安く入手できるようになりました。せっかくなので、全集を購入してみましょう。店によっては国内盤新譜2枚分でお釣がきます。シューリヒトのCDは1959年頃のモノラル録音ですが、音の古さは気になりません。また、速めのテンポが基調となっている演奏は、すっきりしていて胃にもたれません。
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ブラームス:交響曲全集
交響曲第1番、第2番、第3番、第4番、ハイドンの主題による変奏曲
演奏:ケンペ指揮、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団(PILZ 442095-2〜442098-2♪ 4CD)
1967年から10年間にわたってミュンヘン・フィルの首席指揮者を務めた名匠ケンペが、手兵と遺した貴重なブラームス交響曲全集。
奇を衒うことなく真正面からブラームスと対峙したケンペ/ミュンヘン・フィルの演奏は、剛直なまでに「ドイツ的」です。
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チャイコフスキー:交響曲第4番〜第6番
演奏:ムラヴィンスキー指揮、レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団(DG 419-745-2♪ 2CD)
チャイコフスキーの交響曲では、後半の3曲(4〜6番)が特に有名ですが、いまだにムラヴィンスキー/レニングラード・フィルの演奏を超える録音は現れていないように思います。特に第4番・第4楽章での信じられないようなテンポの速さは、まさに奇跡的な演奏です。
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チャイコフスキー:バレエ《くるみ割り人形》抜粋
演奏:ムラヴィンスキー指揮、レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団(メロディア VDC-1217 \2,920)
チャイコフスキーの《くるみ割り人形》といえば8曲からなる組曲版で有名ですが、このムラヴィンスキーの演奏(ライヴ録音)は組曲に入っていない曲ばかり6曲が選ばれています。「小さい序曲」も「こんぺい糖の踊り」も「花のワルツ」も無いなんて!と思うかもしれませんが、ムラヴィンスキーが取り上げた6曲は いずれもチャイコフスキーならではの魅力的なメロディとシンフォニックな響きを堪能できる曲ばかり。
手兵レニングラード・フィルを率いたムラヴィンスキーの演奏はライヴ録音とは思えないような精緻なアンサンブルで、格調高い演奏を聴かせてくれます。
組曲版《くるみ割り人形》の ありきたりな演奏に食傷気味という方に、是非お薦めしたい1枚。
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エルガー:序奏とアレグロ、弦楽のためのセレナード
ヴォーン・ウィリアムズ:タリスの主題による幻想曲、グリーンスリーヴスによる幻想曲
演奏:バルビローリ指揮、シンフォニア・オブ・ロンドン(EMI CDC 747537-2 ♪♪)
有名な<グリーンスリーヴズ>の旋律に基づくヴォーン・ウィリアムズの幻想曲など、近代イギリス音楽のエッセンスを楽しめる1枚です。バルビローリとシンフォニア・オブ・ロンドンの演奏は、すこしゆっくりめのテンポで優美なメロディをたっぷりと歌い上げていきます。1963年・1966年とちょっと古い録音ですが、今でも十分に通用する演奏だと思います。
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マーラー:交響曲第5番
演奏:バーンスタイン指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(ドイツ・グラモフォン POCG-1591
\2,427)
映画「ベニスに死す」のなかで使われた、耽美的なアダージェット(第4楽章)が有名ですが、緊迫感あふれる第1・2楽章、ワルツとレントラーのリズムにのって優雅に歌われるメロディが魅力的な第3楽章、そして全曲を締めくくるにふさわしい堂々としたフィナーレ(第5楽章)と、聴き所はたくさんあります。
バーンスタインとウィーン・フィルのコンビによる演奏は、マーラーの音楽が持つ情感を見事に表現しています。
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カリンニコフ:交響曲1番、交響曲第2番
演奏:クチャル指揮、ウクライナ国立交響楽団(NAXOS 8.553417♪)
世界中で売れまくった(らしい)CD。カリンニコフ(1866-1901)の作風は、チャイコフスキー(1840-1893)よりも、リムスキー・コルサコフ(1844-1908)やグラズノフ(1865-1936)に近く、2曲の交響曲も「いかにもロシア音楽」という抒情的な作品です。
もっとカリンニコフを聴きたい方は、スヴェトラーノフが指揮をしたCDでどうぞ(BMG-MELODIYA 74321-49610-2 ♪ 2CD)。
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ドビュッシー:海、管弦楽のための映像、シャルル・ドルレアンの3つの歌、家のない子のクリスマス
演奏:アンゲルブレシュト指揮、フランス国立放送管弦楽団(TESTAMENT SBT1213♪♪)
アンゲルブレシュト(1880-1965)は、晩年のドビュッシーに信頼されていた(同時代における)ドビュッシー演奏の第一人者。
ディスク・モンテーニュに遺された放送用録音やライブ録音(MONTAIGNE archives V4857♪♪
6CD)も貴重ですが、6枚組なのが買いにくいところでした。そこへ、EMI(←デュクレテ・トムソン)から発売されていたモノラル音源がテスタメントから分売で発売され、アンゲルブレシュトの至芸を手軽に入手できるようになりました。
ここに挙げたSBT1213のほか、「夜想曲」、「牧神の午後への前奏曲」等を収めたSBT1212、「聖セバスチャンの殉教」等を収めたSBT1214もお薦めです。
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ラヴェル:管弦楽曲集
ボレロ、スペイン奇想曲、亡き王女のためのパヴァーヌ、クープランの墓、バレエ音楽《マ・メール・ロワ》
ほか
演奏:クリュイタンス指揮、パリ音楽院管弦楽団 (EMI France CZS 767897-2 ♪ 2CD)
《ボレロ》や《亡き女王のためのパヴァーヌ》などの有名曲は、ぜひクリュイタンスの演奏で聴いてみてください。フランス的な詩情と色彩美を巧みに表現した極上の演奏です。
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プーランク:管弦楽曲集
バレエ音楽《めじか》全曲、フランス組曲、シンフォニエッタ、2台のピアノのための協奏曲
ほか
演奏:プレートル指揮、フィルハーモニア管弦楽団 ほか (EMI France CZS 762690-2 ♪ 2CD)
シャンソンを聴いているような魅力的な旋律がいっぱいのプーランクの作品。2台のピアノのための協奏曲では、プーランク自身がピアノを弾いています。
シャンソンというと、プーランクの《愛の小径》は是非聴いてみてください。ジェシー・ノーマンが歌ったCD(フィリップス PHCP-547
\2,718)でどうぞ。
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オッフェンバック(ロザンタール編曲):バレエ音楽《パリの喜び》
演奏:ロザンタール指揮、モンテカルロ国立歌劇場管弦楽団(EMI TOCE-7153 \1,456)
《パリの喜び》は、フランスの名指揮者ロザンタールがオッフェンバックの音楽をふんだんに使ってバレエ用にアレンジした曲で、踊り子の強制が聞こえてきそうな「天国と地獄」からのカンカンや美しいなワルツが次々に現れる底抜けに楽しい曲ですが、曲の終わりには「ホフマンの舟歌」が登場、直前までの馬鹿騒ぎから一転、しんみりと聴かせてくれます。
このCDは、編曲者ロザンタール自身の指揮によるもので、モンテカルロ国立歌劇場管弦楽団の演奏は万全ではないのですが、派手さよりも淡い佇まいを大切にした演奏で、「ホフマンの舟歌」などは絶品です。
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ビゼー(シチェドリン編曲):カルメン組曲
指揮:岩城 宏之(ドイツ・グラモフォン POCG 1576
\2,913)
シチェドリン編曲のカルメン組曲は、ビゼーの音楽から管楽器の響きを取り去って、打楽器と弦楽アンサンブルだけで編曲した曲なのですが、これがなかなか面白い音楽に仕上がっています。
いろんな打楽器が舞台に並べられていて、打楽器奏者が忙しく移動しながら、持ち替えで打楽器をポコポコ演奏する様子は、もちろんCDでは判らないので、コンサートで「観る」ほうが楽しみも倍増!
この曲はオーケストラ・アンサンブル金沢の「十八番」なので、コンサートで「観る」チャンスも十分にあると思います。
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