アンサンブル金沢 CD紹介

<21世紀へのメッセージ Vol.4>
武満 徹:弦楽のためのレクイエム、
ファンタズマ/カントスU ほか


岩城宏之(cond)/
堀 正文(vn)/クリスチ
ャン・リンドベルイ(Tb)
(DG POCG10053,
録音:1996年9月)

1996年9月2日、金沢市観光会館で開かれたOEK定期公演の冒頭、<弦楽のためのレクイエム>が演奏されました。実は、武満徹は1996年のOEKのコンポーザー・イン・レジデンスとして新作を作曲し、その曲がこの演奏会で世界初演され、さらに「20世紀へのメッセージ Vol.4」に収録されるはずでした。しかし、彼を襲った病魔により叶わぬこととなりました。病床で彼が書いたノートには様々な新作のメモがあり、彼自身、自分があのように急逝するとは思ってもいなかったようです。武満徹のプログラム・ノートによると、<弦楽のためのレクイエム>は特定の人の死を悼んで作曲した訳ではないようですが、それから40年後、彼自身の死を悼む曲として世界中で演奏されたのです。武満さんと親しかった岩城さんによる演奏は、厳しい響きのなかに、友人への哀悼の気持ちがあふれ、聴く者の心を揺さぶります。

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