Tennis 2000   Vic Braden (2001) 学会出版 より


基本となる考え方
 ボールを深く入れ続ける。相手より先に短いボールを打たない。
 相手に失敗するチャンスをもう一度与える。
 時間を稼ぐことを学ぶ。
   ラケットを直ちに引く。足の動きを止めない。
 ボールから目を離さない。
   フォアハンドでは、自分の前腕が顎に接触するまで顔を上げない。
   バックハンドは腕が上がるまで相手の動きを探さない。
 一つ一つのショットを大切にする。
 飽きもせず同じボールを打つ。
   相手コートの真中に深いボールを返す。
 ボールのタッチではなく、しっかりしたフォームを指向する。

スピンサーブ
 ラケットを左から右に動かしながら、ボールの後ろを約45度の角度でこすりあげるようにスイングする。
 左下から右上に、時計でいえば8時から2時の方向に回転しているのが見えるようにラケットを上方向かつ外側に向かってスイング。ラケットを右上に向かってボールをこするように振り上げることに集中すること。
 トスは、ボールを手のひらと頭の中間あたりで、ラケットが45度の角度をなすようにして捉える。

ダブルス
 
 ダブルスを戦う時に知っておくべき原則
  1.相手より先にネットをとる、あるいは相手を先にベースラインまで追い返すこと。
  2.相手にボールを打ち上げさせるように仕向けること。
  3.3.3〜3.6m離れた距離を保って、常にパートナーと対になって、前にも後ろにも横にも動くようにする。
  4.決め球のない時は、コートの中央を狙ってボールを返すこと。
  5.ネットにより近い場所に立っているプレーヤーに手の届く範囲に飛んでくるすべてのボールを処理する優先権が与えられる。
  6.ダブルス陣形  両方ネット>両方ベースライン>雁行陣
  
 立つ位置
  サーバー
   コートの右側  相手のレシーバーのバックサイドのコーナーに入れらる位置
  サーバーのパートナー
   自分の立つサービスコートに対角線を引いた時、その線の交差する位置。
  レシーバー
   シングルのサイドラインの真上、真近
  レシバーのパートナー
   サービスラインの内側、ラインより後ろ、ラインの上

 各プレーヤーの基本的に役割
  サーバー
   安定して深いところにファーストサービスを入れること。威力のある高く弾むボールを打つ。
  サーバーのパートナー
   ロブかドライブをラケットの動きから見極める。自分が処理するという気持ちを持つ。
  レシーバー
   ネットに構えるサーバーのパートナーの手の届かないところにボールを打つこと。
   ネットにつめてくるサーバーの足元にボールを打つかオープンコートを作らせるためサーバーを横に動かすこと。
  レシーバーのパートナー
   サーブの判定。如何に相手の動きを読むか?守備範囲は端から端まで。

 ダブルスをうまく戦うための戦術
  ネットを支配する。とにかくネットにこだわる。
  中央を防御する。サイドばかり守らない。
  予測することを学ぶ。相手のラケットの動きに注目(ドライブかロブか?)間違いを恐れない。学習が大事。
  チームとして3.3〜3.6mの距離をおいてボールの方向に一緒に動く。
  互いに声を掛け合う。
  ボールに対して一歩を反応する。
  ロブがあがったら、3歩後退する。
  パートナーと一緒に動き回る。

 ショットに対する優先権と責任
  ネットに近いほう。中央に対してどちらのプレーヤーがより強力なショットをもっているか?
  5/8-3/8の合意。
  自分や相手のサイトはない。
  自分のサイドのネットからベースラインまで自分の範囲。

  パートナーに頼らない。
  自分が打つショットには十分注意を払う。
  正しいボレーをする。
  練習中には細部まで確認。試合中は考えない。
  目標を決め練習の場を作る(ボールを中央に集める。相手のショットを予測する練習。足を動かしつづける。ボールを打つまでしっかりボールを見つづける。など)
  精神的な面でパートナーの気分を盛り上げる。

 ポーチ
  ポーチの重要性。
  ポーチのタイミング。
  ポーチに気づいてもあせらない。
  すべてのポイントでポーチ。奇数や偶数のポイントでポーチ。
  ポーチへの対抗策。ロブ、中央にリターン、ストレートに打つか?ショットをしっかり打つ。


シングルスの戦い方

 「自分の力が相手より上回っている時には、それに固執してプレーをすべきだ。そうでない時には、相手の打ちたくないショットを打たせるべきだ。」

 最初の目標はボールを中央に深くかえすこと。
 1.ネットにつくこと。ネットにつめて相手にプレッシャーをかける。
 2.確率を考えてシンプルな戦略を立てる。
 3.自分の身についてないショットを絶対に打たない。
 4.場面に応じて一番のショットを打つ。
 5.相手のリズムを崩すために高く深く返す。
 6.高く弾むボールを打ってみる。
 7.相手の苦手なショットを打たせる。
 8.コートから弾き出せれたらクロスを狙え。
 9.オープンコートに意味があるか?オープンコートができたとき、ウイニングショットがあるか?
 10.ロブで疲れさせる。
 11.深く安定したボールを返し守りを固める。

  試合記録
  コートの上であれこれ考えてはならない。
  自分のテニスを直視する。
  1.すべてのショットで気を抜いてはならない。
  2.相手より先に短いボールを打たない。
  3.ベースラインでプレーして第一に考えることは、後ろにではなく前に出て攻撃すること。
  4.初心者、中級レベル サービスかサービスリターンで弱いボールが返ってきたらアプローチショットを打ってネットに出る。
  5.自分からミスをしない。
  6.滅多に飛んでこないショットのことを心配しない。
  7.コートの外に出されたら、高さのドライブかロブを対角線に打って時間を稼ぐ。
  8.相手のショットでコートを走りまわされているときは、ネット3mを飛んでいくボールを打ち、相手のリズムを崩すことを考える。
  9.ベースラインで仕掛けられないときは、中央に深いボールを返す。
  10.足を絶えず動かす。
  11.最初に打ったロブが長すぎるときに次ぎのロブは短く打たず長く打つ。
  12.サーブはできる限り深く相手のコートに入るように打つ。
  13.サイドを変わるとき、メモをとるのを恥ずかしがらない。

 試合前のウオーミングアップ
  試合で使おうと思っているショットは必ず練習
  ストロークが完全にしあがっているかの確認
  ウオームアップの時に相手を観察

 試合に際して
  1.相手のウオームアップが十分でないときは、相手サービスを譲ってみる
  2.試合中にあれこれ考えない。練習中は意識する。
  3.相手をよく見る。
  4.状況に合わせて対処する。
  5.とにかくボールに集中。ボールを見る。
  6.決してあきらめない。
  7.すべてのゲームに集中。

テニスの心理学
 試合前に自分に無益なストレスをかけない
 1.勝利者の思考。
 2.弱点を克服する努力
 3.体調を整える。
 4.道具の点検
 5.試合前に日ざしの強いところに長時間すわらない。
 6.偵察はほどほどに
 7.自分に合った戦略で
 8.自分で試合を避けようとしている原因が何であるか考える。
 9.スコアーを気にしない。
 10.不安なのはみな同じ
 11.「結果を重視する」思考から「過程を重視する。」思考へ
 12.試合に負けることを恐れるな。
 13.自分の勝敗は自分で責任を持つ。
 
 マッチプレーの心理学
  今のプレーに集中
  自分の心の葛藤に巻き込まれない。 ボールに集中
  カットしない。
  相手のショットに落胆しない。
  何によって気が散ったか原因をチェック。

  全力を尽くすことが試合での誠実な態度
  優勢な時はプレースタイルをそのままに
  結果を重視したテニスをしない。ボールに集中。
  どんなポイントでも同じ気持ちで。

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