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平成12年2月18日号通算86号 |
の日本酒を飲む会 ニュース |
「幻の日本酒を飲む会」を開くのに、理屈っぽいことをいったことはなかった。しかし、この5年ほど何か雰囲気が変わってしまったのは事実です。
自省のために自分の事からいいます。
残念ながら自由に動くことができなくなって、吟醸酒の動向を掴めなくなりました。酒蔵にも行けず、酒販店やデパートの店頭も見れず、「飲み歩き」さえまったくできなくなってしまいました。
これでは「発展途上」の吟醸酒のオピニオンリーダーとはとてもいえません。
私が尊敬していた「覆面飲み歩き」氏も、勤務先の新聞社を定年退職してから、筆力はグンと落ちました。やがては行動範囲が氏の住まい周辺に縮小されていきました。私はそれを知りつつ覆面氏の文章を追ったのでしたが、読むのが悲しかったのを憶えております。
私の場合も同じです。つまり行動力が落ちれば能力も落ちざるを得ません。私と覆面氏の違いは、会員を持つことと読者だけというところにあります。読者は読まなければいいのですが、会員はそれなりの期待を持っているのです。会に出席してガッカリさせたのでは、主催者は責任を全うしていないということになるのです。
つまり、私の能力低下で会の魅力は期待を裏切るレベルに落ちているのでしょう。これを基盤にして話を進めます。
25年の歴史を振り返れば、「あのころは皆、若かった」という話になります。これも冷静に分析すると、初めのころは出席者の平均年齢は私の年齢−10才というところでした。だから、30代前半から始まり、しばらくは30代が続きました。やがて平均年齢と私の年齢の差は縮まり、限りなく0に近づいています。
「会長、若い人を入れねば。もっと若返らせましょう」とおっしゃるのは、申し訳ないがお年寄りです。それに対して「こういう集まりは、主催者の年齢が中心になるんだよ」と答えています。
どんな魅力のある遊びでも、平均が60才を越えた集まりに、10代20代の若者はやって来ません。来たとしたらそれはオカシイ人種といわねばなりません。
会が老齢化するのを防ぐには、まったく新しい会を作るしかないと思っております。
この会は、発足以来、女性会員比率が30%を切っていません。現在でも登録会員の女性比率は高いのです。しかし、この3年、例会の女性の数はめっきり減りました。
それには社会環境の変化など、いろいろいえるでしょうが、会の雰囲気に何か原因があるのではないでしょうか。多くの男性会員たちが老齢化して魅力を失ったというならこれは致し方がありませんが。
例会の会話が硬直化していませんか。決して軟弱な話題を語り合えというのではありませんが、とかく回顧話に終始していませんか。もし、そうだとすると、それはご自分の社会対応が鈍くなっていることを証明しているようなものです。少なくとも「酒飲みだけの人」といわれぬようにしてください。
吟醸酒を取り巻く雰囲気には品があります。10年ほど前に開いた見本市「吟醸酒メッセ」の会場は飲みながらの酒の商談の場なのに話し声がさざ波のように響くだけで、品のいいものでした。
このところ、例会の会話は、怒鳴り合いのように聞こえます。趣味の欄に「浅酌低吟」と書かれた尊敬する先輩がいました。「鯨飲馬食」でもいいですから、高声だけは慎んでください。
反省を込めて、皆さんのご意見をまだまだ待っています。
幻の日本酒を飲む会は、全国2百もの酒の会の注目を浴びています。この会そのものに発展はなくても、この会をモデルに、酒文化の輪を広げようとしている人たちがいるのです。
私たちはそれらの人々のために、いいことも悪いこともディスクロージャーしなければと思っております。
前向き、批判、反省、いろんなご意見をお寄せください。
昨年11月号で、女性だけの例会を開くと予告しました。参加申し込みはたった1人でした。残念ながら雛祭り例会は中止いたします。
昨年12月、USEN 400がユニークな番組を放送しました。本会員と湯島酒堂の何人かが出演しています。とても楽しいテープです。
お急ぎください。連絡がなければ、ニュースなどは3月で打ち切りますのでご承知ください。
まだの方は会員申し込みカード−葉書をすぐにご投函ください。
今回は3〜7月の5回です。
原則的に土曜日午後2時からですが、応募者多数の場合は水曜日のクラスを設けます。
〒113-0034 東京都文京区湯島4-6-12湯島ハイタウンB-1308
TEL 03-3818-5803, FAX 03-3818-5814 幻の日本酒を飲む会
篠田次郎