プロローグ

時は昭和63年。平成が生まれる前の古い話だけど、この頃のパワフルな行動力と考えを、今でもはっきり思い出せる・・・。

去年のオートラリアの旅行から自分の中では、いつも新しい旅を求めていた。オーストラリアの経験は自分を大きく成長させた(気がする?)。人のやさしさや、文化の違い、雄大な自然。すべてが、日本で経験できなかったし、感じる事もなかった。その感覚が忘れられない。でも、次はどこに行くんだろう・・・?

Hobie.Hare(ホビー ヘア、いつもhobbyじゃないと言ってた!)は、英会話学校時代に知り合った先生の一人。学校辞めてからも、飲みに行ったり、スキーにも行った。大学で勉強するより、一日遊んでいる方が遥かに勉強になる。彼はアメリカ人だったので、英語はもちろんアメリカについていろいろ話してくれた。アメリカへの興味がどんどん湧いていった。そして、ブレット(オーストラリア編参照)の時のようにビザが切れるので、アメリカに帰る事になる。

彼の口癖は「アメリカで一緒にディアハンターしてみないか?」。

しかもアメリカはピストルが撃てるんだ!

映画の「ディアハンター」になった自分を重ねる。しかし、彼の故郷はrichmond。ワシントンの少し南側。あちらまで、飛行機で行くと、交通費がロサンジェルスの2倍近くかかる。費用がかかりすぎる。しかも、俺の中では超バイオレンスな国。ターミネーターみたいに、皆がマシンガン打っているイメージ。車が爆発して回転しているイメージ。そんなとこ一人じゃ死ぬんじゃねーか?

でも、ホビーとの別れ際に「近い内に手紙を出してから行くから!」と、口を滑らしてしまった。

何て事言ったんだ!死んじゃうぞ!

そうこうしている内に、手紙が毎月何通も届く。何故か、迷いながらも今アルバイト3つもやっている。俺はアメリカ行く運命なのか?それとも、本当は行きたいのでは??自分でも判らなくなりながら準備をしていた。

金銭の目処が立つと、段々本気になってきた。のほほんと、暮らしていても一生。チャレンジしても一生。みんな平等に時間が与えら得ている。なら、アメリカに行くんだ!死んだら、それが俺の寿命である。頑張れ俺!

そしてアメリカへ

いろいろ調べてみると、Greyhound(グレイハウンド)というバスの存在が浮かんできた。これは、アメリカ中を走っている高速バス。日本人旅行者は優待されており、日本でチケット買うと、35,000円で30日間乗り放題になる(今でも40,000円弱)。ホビーの家の傍までだと、成田からワシントンまで飛行機で行って、そこからバスか電車で行けば近いのだが、これは一代決心の貧乏旅行だ。飛行機の最安値は成田からロサンジェルス(ロス)。ならば、ロスまでの60日FIX(60日以内での往復券)を購入してバスでアメリカ大陸往復すれば良いのだ。そうする事で、お金の節約と夜行バス乗る事で、寝ながら移動して宿泊費の節約に繋がる。しかも、アメリカ横断を越え、アメリカ往復の達成を手にする事が出来るのだ!

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