久保内医院
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胃の病気


胃炎

 急性胃炎と慢性胃炎に分類されますが、治療を包括して考えると急性胃炎は胃潰瘍の程度の軽いものと考えるべきでしょう。胃炎の原因で最も注意すべきものは、NSAIDSとよばれる消炎鎮痛剤(整形外科で痛み止めとして胃薬と一緒にだされることが多い)、血小板凝集抑制剤のアスピリン(血液サラサラにする薬として長期に服用されることが多い)です。具体的にはインダシン、ボルタレン、ロキソニン、モービック、バッファリン等です。これらを内服している方は定期検診を欠かさず行ってください。
 もう一つはピロリ菌と呼ばれているヘリコバクターピロリという細菌感染です。これは胃癌の発生母地としても注目されています。胃潰瘍に発展することも多いのですが、胃炎の原因段階で捉え除菌することが肝要と思われます。(保険診療では胃潰瘍がないと除菌(抗生物質の内服)はできません。)
 形態的には表層性胃炎、萎縮性胃炎、化生性胃炎等があります。
 
胃潰瘍

 食べ物を消化する胃酸により胃の壁が消化されて損傷を受ける状態のことを言います。胃酸を攻撃因子、胃粘液産性、胃粘膜血流を防御因子としてこのバランスが崩れたとき胃潰瘍が発症するとされています。胃潰瘍は防御因子の低下、十二指腸潰瘍は攻撃因子の増加が原因とされています。ストレスやアルコールは胃酸の分泌を増加させ、消炎鎮痛剤は防御因子を制御するプロスタグランジンEの合成を阻害することにより潰瘍を作ることになります(プロスタグランジンは熱や痛みを生じるもとを作る働きがあります)。
 ピロリ菌陰性の潰瘍が3%しかないことより、現在ではすべての潰瘍をピロリ菌でかたづける方向に進んでいますが、アンモニアを発生するピロリ菌がどのように潰瘍をつくるのかはまだ解明されていません。

胃癌
胃癌

 原因は不明ですが、ピロリ菌、食塩過剰摂取、喫煙等が危険因子として考えられています。