/// 日向大神宮 ///  (00/11/30)

 日向、「ひゅうが」とも読みますが、
京都のここでは「ひむかい」と読みます。
南禅寺の水路閣に上がり疎水沿いに
進んだインクライン(傾斜鉄道)の
上端部より石橋を渡って急坂を登ること
10分ほどで、日向大神宮に至ります。

神明山山腹の日向大神宮は、伊勢神宮を
模したとも云われ、京都の伊勢神宮と
云われます。
でもその歴史を調べるとよく判らない
のです。
清和天皇の勅願によって天照大神を
高千穂の峰の神蹟より移し創建されたと
伝わり、その後、応仁の乱で焼失、
寛永年間と云うから、江戸時代初期に
伊勢人野呂左衛門尉源宗光が再興したと
伝わります。

境内は鳥居をくぐると、社務所に神楽殿、
そして伊勢神宮になぞらえて外宮、
一段高くなって最も奥に内宮と見渡せ
ます。
内宮本殿は桁行正面1間、背面2間、
梁行2間の神明造の建物です。

屋根にはV字に見える千木(ちぎ)、
鼓のような堅魚木(かつおぎ)が
載せられています。外宮もほぼ同じ
神明造ですが、堅魚木の数が1本
少なく7本で、内宮の千木が内削ぎ
なのに対し、外削ぎと云う特徴が
あります。
京都では神明造の社殿は珍しい形態です。
ちなみに伊勢神宮の神明造は、他に
模倣を許さない造りとして
「唯一神明造」と呼ぶそうです。

天照大神を祀る神社だけあって、内宮から
ひと登りした所には天の岩戸があります。
洞窟の中には祠がありますが、真っ暗闇で
懐中電灯でもなければ良くは見えません。
何でも「開運厄よけの神」が祀られて
いるとかで、「天の岩戸くぐり」の
日向大神宮と云われます。

もうひとつ、日向大神宮は紅葉の隠れた
名所です。
紅葉真っ盛りの折りにおいても、近くの
南禅寺の喧噪とは裏腹に訪れる人も
まばらな日向大神宮です。

今年は既に散り紅葉となっていると
思いますが、来年の秋には訪ねてみて
下さい。

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