/// 地主神社 ///  (02/01/27)

清水の舞台を出て直ぐの左手の地主神社
地主神社は清水寺の鎮守社で地主権現
とも云われます。
今の社殿は徳川幕府三第将軍、家光の
造営で寛永10年(1633)の建立と伝わり、
朱塗りの入母屋造で檜皮葺の本殿・
拝殿と瓦葺きの総門は重要文化財に
指定されています。
拝殿の天井の竜の絵は狩野元信の筆に
なるもので、どの方向から見ても睨まれ
ているように見えるので「八方にらみの
竜」とも云われます。
また夜ごとに眼下の音羽の滝に水を
呑みに抜け出すとも伝えられる竜で
あったりもします。

梅の季節をやり過ごせば、やがて桜の
季節ですが、ここ地主神社には地主桜と
云われる桜があります。地主桜は謡曲
「熊野(ゆや)」、「田村」にも謡われた桜で、
種類的には里桜の一種ですが、1本の
桜に八重と一重の花をつけるという珍しい
桜です。
その昔、嵯峨天皇が思いが尽き
なくて、わざわざ引き返して再び観賞
したと伝えられ、「車返しの桜」とも云われ
ます。

そして、「おかげ明神さまと祈り杉」が
境内に残ります。必ず一つだけ願い事を
かなえると云われ、何時の頃からかおかげ
明神と呼ばれるようになっています。
この明神様の後ろには杉の古木があり
ますが、その昔はちょっと怖い丑の刻
(うしのとき)詣りが行われたとも云われ、
その折りの釘跡が無数に残ります。
縁結びと縁切りは本来一体なのか、あまり
知られていないけれど、縁結びでご利益の
社寺には縁切りの伝説が残っている所が
少なくないです。
手前の石から向こうの石へ…
ただ、現在ではそのどちらかにスポットが
当たっているようですが…
他に商売繁盛のご利益がある栗光稲荷、
頭を撫でると受験必勝、成績向上の
ご利益があると云う「撫で大黒さん」などが
あったりもしますが、地主神社は今や縁結び
のご利益で余りにも有名になっています。
狭い境内なので修学旅行生や女性の参拝で
いつも混み合っている地主神社です。

境内には縄文時代の石とも伝わる「恋占いの
石」があり、目をつぶって、その石から石に
辿り着けば恋が叶うとか…
恋する季節、桜の季節、地主神社を訪ねて
みて下さい。
なお、読みは「じしゅ」です。

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