/// 京野菜、トウガラシ  ///  (03/06/23)

 カプサイシンが血行を促進し、汗をかいて…、
こう書くとメルマガを外れたダイエットの話題になってしまいますが、
そのカプサイシンを多く含む京野菜、トウガラシが今回の話題です。
漢字で書けば”唐辛子”となり、あたかも中国からやって来たのかと
思いきや、熱帯アメリカ原産だそうです。
コロンブスが西インド諸島で見つけたトウガラシをコショウと勘違い
して持ち帰ったとも伝わり、それでトウガラシのことを英語では
「赤いコショウ」(red pepper)と云うのだとか。

日本にトウガラシが入ってくるのは室町から安土桃山時代だと
云われています。天文11年(1542)にポルトガル人が持ち込んだ、
また、慶長の役の時に豊臣秀吉軍が持ち帰ったとも伝わります。

秀吉が築いたのが伏見桃山城、今は伏見トウガラシが栽培されています。
やはり秀吉軍が持ち帰り、城下に広めたのでしょうか。
江戸時代初期の1684年に著された
「雍州府誌」には”山城の国、伏見辺りで
作るものが有名”として載っていたり
するので、歴史ある伏見トウガラシです。

江戸時代末期頃には伏見トウガラシに
次いで、甘い品種の田中トウガラシが
栽培されるようになります。今の叡山電車
の元田中駅近郊が発祥の地のようです。
この田中トウガラシは病害に弱く戦後には
姿を消しますが、栽培方法の改良なども
あって、今ではこの系統のトウガラシは
全国で栽培されるトウガラシとなって
います。
写真はどちらも、万願寺トウガラシ
伏見トウガラシは別名、「伏見甘長
トウガラシ」とも云われ、甘いのが特徴
ですが、大正時代末期にさらに甘く
伏見トウガラシとカリフォルニア・
ワンダーと云う大型品種の交雑で生まれた
のが「万願寺トウガラシ」です。舞鶴市
万願寺地区で栽培されたのが始まりで、
農家の自給用であったのが昭和58年より
市場に出回るようになり、今では京野菜の
一つとして認定されています。

甘いと云っても砂糖などの甘さとは異なり、
果物系の甘さです。でも、でも、ほんの
偶に激辛のものが混ざっていることが
あります。
そのまま揚げたり、焼き物にしたり、
肉厚があり大きいトウガラシなので、
ピーマンのように中にハム、牛肉などを
詰めたりして食べると美味しいですよ。

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