/// 桜の季節 /// (00/03/14)
日本では桜に特別の思いがある のかなと思います。 入学式の演出家であり、春の気だるい、 でもウキウキするような感情の背景 でもあります。 その昔は桜の花にその年の吉凶を 確かめたと云います。 桜の花びらがぱっと散る年は天候が 不順で、梅雨の長雨になったり、 夏は干ばつ、秋は台風が多いと経験的 に知っていたようです。京都では4月の日曜日に今宮神社で「やすらい祭」が行われますが、 この祭、「はなしづめ」、「鎮花祭」とも云われます。 今では、花の霊をしづめ主に疫病の退散を祈願する祭ですが、 元を正せば桜の花の霊をしづめ五穀豊穣を祈願する祭でも あったのかと思います。 各地に残る鎮花祭も同じような意味合いがあるのかなと漫然と 思ってしまいます。 今宮神社に行かれたなら、是非その東門を出たところの あぶり餅を味わってみて下さい。小さな餅を竹串に刺して 炭で焼き、白味噌を付けて食べるものです。その昔は竹串も 神前に供えた斎串(いぐし)を使っていたそうです。 東門を出ると左右に元祖「いち和」と本家「かざりや」と 云う店が向かい合っています。白味噌の甘さ加減が微妙に 違っているようです。どちらがどっちだったか忘れました。 重いコートを脱ぎ捨てて、旅に出よう〜、新たな旅の始まりです。 春のけだるさ、眠気をも楽しもう、京都の桜も待っています。