/// 端午の節句 /// (13/05/02)

軒先に挿された菖蒲
古来「端」には初めと云う意味があり、
五月に限ったことではなく初めの午の日を
端午と云っていたそうです。

そして中国よりもたらされた五節句の思想、
とも絡まって「午」は「五」と同音である
ことから五月五日を端午の節句と云われる
ようになったようです。

旧暦の五月五日頃は農作業もきつくなり、
梅雨入りも迫る頃、人々は疫病、邪気を
畏れ物忌みを行い、香気の強い菖蒲や
ヨモギを飾り邪気を防いだと伝わります。

軒先に挿された菖蒲
それが子供の成長と結びつくのは武家社会が
成熟してからのこと、「菖蒲」と云う
言葉は「尚武」につながることなどから
武家では甲冑や刀を飾り勇ましく成長する
ことを願ったのでしょう。

少なくなりましたが京都の旧家では写真の
ように菖蒲を軒先に挿して邪気を祓う習慣が
残ります。

かつては薬玉と云われる沈香や丁子などの
香気の強い植物を玉状の袋に入れて、五色の
糸を垂らしたものも軒先に吊したとも
云われますが、さすがにこれは見たことが
ないです。
サトイモ科の菖蒲の花
「菖蒲」は”しょうぶ”と読めますが、
”あやめ”とも読みます。
”しょうぶ”はサトイモ科、”あやめ”は
アヤメ科、全く別の植物、”あやめ”は
綺麗な花を咲かせますが、”しょうぶ”は
淡い黄色の筆先のような地味な花を付けるだけ、
この経緯は中国から漢名が日本に紹介された
折に混同した為に”しょうぶ”も”あやめ”
も「菖蒲」と書くに至ったた名残。

五月人形飾りでは”あやめ”の造花が飾られて
いるかと思えば、お風呂で湯に浸かるのは
”しょうぶ”、色々な背景がからみあって
いる端午の節句です。

”あやめ”も花を咲かせますが一般に菖蒲園で
咲いているのは花菖蒲で実にややこしい。

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