/// 京都の住所と郵便番号  ///  (00/01/17)

 京都の住所の表記には二つあります。
公的な正式住所と普段使う住所です。正式な住所と普段使う住所と
云うのも変な表現ですが、どちらも正しいのです。

例えば京都府庁の正式な住所は上京区藪之内町ですが、京都府の
広報課が出すパンフレットでさえ、上京区下立売通新町西入と
表記されています。

私がホームページ上で表記している住所はあえて、正式な住所で
表記しています。だからガイドブックなどの住所表記とは異なって
いるかと思います。

この正式な住所は普段使わないので、京都に住んでいる者でさえ
関わりのない地域の正式な住所は、判らないのではないかと思います。
正式な住所を使う機会は公的な証明書ぐらいでしょうか、
郵便物は通りを基準にした表記で届きます。

上ル(北側に入った場所)、下ル(南側に入った場所)
東入ル(東側に入った場所)、西入ル(西側に入った場所)

通りを基準に、この四つの表記を使い分けます。
地図を見ながらだと判りやすいですが、先ほどの
京都府庁の住所は上京区下立売通新町西入ルですが、
これは下立売通と新町通の交差点から西に入った所と
云う意味の表記です。
碁盤の目のように整然と通りがある京都ならではの
住所表記です。

ちなみにAさん宅を考えてみると、下立売通新町下ルと
云う表記になるのですが、時として「下ル」は縁起が
悪いと、丸太町通新町上ルと表記したりする人もいます。
それでも郵便物はちゃんと届きます。
この表記の仕方は合理的と云えば合理的ですが、通りを覚えないと全く
何処やら判らないと云うことになってしまいます。

郵便局が配っている郵便番号簿を見ると、京都府は、通り名を
除いた町名に郵便番号を設定していますと、ただし書きがありますが、
あまり意味をなさないものとなっています。

最近は郵便番号から住所を検索出来たり、またその逆の検索が出来る
ハガキ作成ソフトがありますが、これらで京都の部分はどうなって
いるのでしょうね。正式な住所名は検索出来るだろうけれど、
幾とおりにも表記できる普段使う住所では検索出来ないのかなと思います。

適当と云えば適当な住所表記だけれど、それが普通の京都の住所です。
でも、これが通用するのは碁盤の目となっている中心部だけです。
ちなみに、この通り名の表記は「満済准后(まんさいじゅうごう)日記」に
記述されているそうで、室町時代中期には一般化していたそうです。

郵便配達の方々、ご苦労様です…

 余談ですが、京都市内中心部で東西南北が判らなくなったなら
屋根の上のアンテナを見れば判ります。京都市内中心部のアンテナは
南南西の方角を向いています。八木アンテナと云う種類の場合、
短い方の棒が付いているのが前になります、つまり南の方角です。
これを覚えているだけで、助かることもよくありますよ。

(10/10/31 追記)
 地デジ移行に伴って八木アンテナは姿を消すものと思います。
地デジ用のUHFアンテナの場合、これまでの生駒の中継局と
新たに設けられた比叡山の中継局の受信状況の良い方に向けられ
るので、アンテナから方角を見極めるのは難しくなりそうです。

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