宝塚売布教会−神戸・淡路大震災の被災報告

未曾有の大震災に遭遇
                 宝塚売布教会

 1月17日午前5時46分、未曾有の阪神大震災発
生。売布地域は活断層地帯にあたり、神戸、芦屋、西
宮と同じ震度7の激震に遭遇した。阪急宝塚線沿いの
売布、中山駅周辺は勿論のこと教会近隣家屋の倒壊は
ひどかった。幸いにも教会堂は二年前の改修により建
物は無傷で守られた。
 教会員は全員無事で、独り住まいの老会員方は各々
の家族、親戚に避難されたが、家屋の全壊により、余
儀ない避難所生活の会員や健康を害して緊急入院した
会員もあり、心痛んだ。
 牧師館のマンションも損傷をうけ使用不可能となり
、やむなく、会堂二階で牧師は寝起きをされた。
 教会は震災直後も聖日礼拝と祈祷会を欠かさず守る
ことが出来たことは何よりの感謝であった。遠隔地に
離散した会員もあり、礼拝、諸集会の出席はやむなく
減少したが、この思いがけない試練の中にあって信仰
が試され、強められたことは、むしろ大きな恵みであ
ったと思う。
 その後避難していた教会員も仮設住居を与えられ、
一応日常生活も回復して、落ち着きを取り戻したが、
教会生活が出来なくなった会員もあった。
 震災の後始末の疲れと心労から、半年後、牧師は休
養 を余儀なくされたが、病後の経過がよく、元通りの
健康を回復されたことは大きな喜びであった。
 被害状況は、家が住めない状況の人4名、家の損壊
で修理に多額の費用のかかる人5名、家の一部損壊と
家財の破損のあった人多数。教会堂外壁一部剥落、門
柱倒壊、ガラス窓破損、駐車場地割れ、牧師室及び集
会室の書棚、書類箱転倒、散乱、食器類は8割程破損
、牧師館も同様の被害状況だった。
 震災後寄せられた多くの方々の心のこもった御見舞
状と寄せ書きや電話、問安や救援物資の数々に深く感
謝すると共に、大いに励まされた。

 この震災を通して、中会大会の支えと祈り、日本キ
リスト教会が傷みを分かち合える教会であることを改
めて覚えさせられた。中会が直ちに設置した地震災害
対策事務局を通じ、全国諸教会や外国から捧げられた
個人、団体献金など、多額の義援金を頂き、一同深く
感謝して有効に分配した。また被災教会の分担金等の
免除にあずかり、教会財政立て直しに大いに助けられ
た。
 人の心の暖かさ、やさしさに触れ合うことが出来た
こと、信仰による愛の交わりを物心両面にわたり言い
尽くせない多くのご支援を与えられたことは忘れられ
ないことであった。
 売布駅周辺は昨年秋に災害復興整備計画事業が完成
し、街はすっかりきれいな明るい街になった。が目に
見えない心の傷は癒されていないことを忘れてはなら
ない。と同時に教会はみ言葉をもって癒しを続ける使
命がある。緊急の場合、教会がどのように社会に仕え
ていくことが出来るかが、今後の課題となった。
 教会がこの世の揺れ動くものに、揺れ動かない不動
の真理を指し示す業を成し続け、生きるにしても死ぬ
にしても、慰めと力はただ主からくることを確かにし
ていきたい。


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