湊西教会−神戸・淡路大震災の被災報告

患 難 知 交
            神戸湊西牧師 田中 豁

 1月17日未明、一瞬にして大都市が崩壊、多数の
人命が奪われる大震災を経験、全く予想もしなかった
不意打ちの出来事でした。当長田区は大火による家屋
の焼失、家屋の倒壊、人命の損失の甚だしい地域でし
たので、皆様には多大のご心配をおかけ致しました。
わたしたちは難を免れることができ、元気でおりま
す。どうかご安心下さい。電話、交通手段の途絶えた
なかを、早速皆様から安否を問う連絡と、お励まし、
適切な援助をいただき、勇気づけられています。
 会堂、牧師館(居宅)は大地震にも耐えて幸いにも
建っております。会堂は、大屋根の瓦が崩れ、玄関、
トイレの部分が破壊し、塔屋は会堂本体から引き離さ
れ危険な状態です。それに伴って東別室や二階別室も
損壊しています。台所は側溝の擁壁が崩れ落ちて基礎
部分がえぐられています。しかし、会堂の本体である
礼拝堂は、天井に歪みはあるものの守られています。
牧師館は、二階の屋根瓦はすべて落ちてしまいました
が、内部は日常生活が出来ます。ただ基礎部分が壊れ
ていて揺れを強く感じています。会堂北側の煉瓦塀と
ブロック塀はすべて倒壊しました。
 建物の応急処置として、雨漏りのため屋根に防水シ
ートを張り、礼拝堂の天井落下を防ぐ支えをしており
ます。
 日曜礼拝は、地震後、1月22日は24名、29日
は37名出席(通常80名)、教会員の被災者(家屋
の焼失、倒壊、破損、地割れ等)は50名、38所帯
になります。
 当面する大きな課題は(1)被災会員の行く先、今
後の生活、(2)会堂の修復、再建です。会堂の再建
は、教会員の総意により、またご支援くださる皆様方
の御厚情により、進めていきたく、そしてこの事業を
とおして新たなる教会の創建となるようにとお祈りし
ています。どうぞご加梼ください。

 以上、近況報告をもって、感謝の意を表し御礼申し
あげます。
 主賜平安
 1995年2月
[付記]「患難知交」は、阪神・淡路大震災直後の神
戸湊西教会の被災状況と課題をしるして、関係者に報
告したものです。「患難知交」は被災に遭った中国人
の方々が述べていた言葉です。患難にあって、交わり
を知ることができたという感謝の言葉でした。 


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