このページではベルセルクにおける数々の謎等を独自に考察しています。
これらはあくまで個人的なものであり、ここで記述された内容には独善や誤解による間違いが含まれている可能性があります。
万一、これにより貴方に何らかの障害が発生したとしても当方では一切責任を負えませんのでご了承ください。

○黙示録〜黙示録の著者〜

 「黙示録(預言書)」のとおり事象は起こった。「黙示録」というからには「神」が示した予言を書にした物と解することができる。この点、法王庁が管理している以上は「神」自身が著者とされるのは当然であるが、とすればその「神」とは何を指すのか?

 現在までにベルセルクには、
1.「人の造りし神」
2.「深淵の神」(ゴッドハンドや使徒が属するものと思われる)
の2種類の「神」が描かれているが、それぞれについては、グリフィス降魔の儀におけるゴッドハンド達の言に注目したい。

 「・・・今、あなたの路地裏の道は跡切れた・・・それが、人の造りし神の慈悲(バツ)」
 「だが、それでも思い果てぬなら・・・唱えよ”捧げる”と、さすれば・・・授からん」
 「運命が人智を超越し人の子を玩ぶが理なら、人の子が魔をもって運命に対峙するは因果」


 これは、「自ら望まない結果を強いられた場合は、思い通りの結果を達成させるためにどんな犠牲や代償を払っても当然」という意味のことを言っている訳だが、「人の造りし神のバツ」と「人智を超越した運命」は同じことが分かるだけでなく、「深淵の神」が「運命」に対抗する手段を与えてくれる「魔」であるということが判明する点で重要である。

 人が自ら望まぬ結果を強いられたとき、人智の及ばぬと思われる外的要素に理由を求め、「神によって決められた運命」というものを創造した。一方で、望まぬ結果を甘受しない者が強制的にその望みを遂げようと願う相手として「神の救済」を造りあげた。「人の造りし神」とは本来そういう意味である。
 しかし、人々の満たされない願望が「巨大な暗黒のうねり」と化すことにより、その中で実体をもって生まれた「深淵の神」が、架空の「神」に替わって、人間の望むよう活動するようになったらしい。

 「黙示録」を神の予言とすれば、闇の鷹誕生を記している事から見て「深淵の神」により示されたものと考えるほうが自然である。古来より、暗黒神が宗教上の神とされることは珍しくなく、法王庁自体かなり胡散臭い団体であるため、なんら問題はない。
 ただしこの場合、「黙示録」は因果律を綴った文書であるので、それは予言ではなく起こるべき事柄を記したものに過ぎないことになる(とはいえ、因果律を知らない人間にとってはヤッパリ予言となることは言うまでもないが)。

 しかしながら、因果律を綴ったものであれば重要アイテムとして物語上大きな役割を果たすことになると思うが、その気配すら見せないことを考えると、見当違いということも十分ありえる。実際、「神」のほかにもエルフや髑髏の騎士が超常的存在として描かれており、因果律のことのみが書かれている訳ではないのかもしれない。

 また、別な仮説も立てることもできる。
 現世で起こっている事象は既に起こったことを繰り返しているに過ぎないという仮説である。「黙示録」には過去に起こった現象が書かれていて、再び(又は何度も)同じ現象が繰り返されているというものだ。蝕の発生場所や時間について使徒や髑髏の騎士が知っていることからしても、同じ事が何度も起こっていると言う事ができるのではないだろうか。「水面に映りし月影の如き」現世の事象は既に起こったことという考え方、これはこれで、一つの仮説として面白いと思う。この場合、書物の著者は誰であってもよいし1人でなくともよく、結果としてそれを入手した法王庁が「神の予言を記した書物」としたことになる。

 いずれにしても、現段階では何とも言いがたいため、今後の展開を見守ろう。
Copyright LostNumbers Product in japan,Allright reserve