このページではベルセルクにおける数々の謎等を独自に考察しています。
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○妖精が関わる地にマジで魔物は近づかないか?

 ロスト・チルドレンの章においてロシーヌや使徒もどき(擬)は「霧の谷」に住み着いており、霧の谷はかつて妖精達の住処であったことがパックの発言により判明している。

 しかしながら、ベルセルクの中で書かれていることからすれば、本来、妖精が関わっていた所は「大地の気」が強く魔物は近づきにくいはずである。にも拘わらず、強い魔である使徒が自ら楽園として住み着いたことは不可解といわざるを得ない。
 また、これを補足するように、聖アルビオン寺院へ向かう途中、ガッツに休憩を取るよう勧めたパックがこんなことを言っている。

〜「あそこは昔の人が妖精を祀っていたとこだから、夢魔もいやがって近づかないよ、たぶん」〜

 そして結局、魔の子がキャスカの危機を伝えに出現した。

 これらから言えることは、ロシーヌにしろ魔の子にしろ、その地に存在すべき自らの意思さえあれば、容易にその地に近づくことができ、単に妖精が関係した場所だからといって、魔物が近づかない訳ではないということだ。
 むしろ、大地の気が強すぎて他のものを感じにくいため、通常、魔物はより手近な興味を引くものの方へ行ってしまうに過ぎないと解釈すべきである。

 「大地の気」とは大地自身が持つ何らかの力と解される。科学的には根拠がないが、東洋の言い伝えでは大地の気が流れる経路を地脈・龍脈と呼び、その流れを崩すと天変地異が起こるとされている。
 妖精が関係する場所はこの大地の気が集中するHotPointらしいが、当初からHotPointだったのか、或いは妖精達が存在したことによりHotPointになったのかはハッキリしていない。若しかしたら両方ということも在り得る。

○妖精が消えた理由

 最近になって妖精不在の真相が少しずつ明らかにされてきており、どうやら人々がその存在を信じなくなったことが主原因らしい。
 妖精が人々の精神に感応しやすいことはパックの言動から観て明らかであるが、それ故に深層心理でさえ妖精実在を否定する人々の心の影響をモロに受けて住める場所がなくなった、あるい存在自体が掻き消されたと考えられる。
 ちなみにパックの話では故郷はエルフと魔術師が互いに共存し仲が良いということであるから、魔術師達は妖精の実在を信じ込んでいると考えてよいだろう。
 パックやイバレラなど羽精(ピスキー)の祖が「風の要素霊シルフェ」である様に妖精は要素霊から派生したものであるから、要素霊の力を借りて術を行う魔術師の性格上、彼らが妖精の実在を疑うことは先ず在り得ない。

 では何故人々が妖精の存在を否定するようになったのか?
 シールケの話では、法王庁が妖精を祀った神殿などを壊しそこに自らの寺院を建立しているらしい。支配者が土着の信仰や習慣を強制的に変えさせ人々の精神的支柱を無くしてしまうやり方は歴史上の例に事欠かない。むしろ野蛮人の教化と称して積極的に行われていたくらいだ。
 従って、人々が支配に甘んじているうちに法王庁の教義が当然のように浸透してしまったと考えるのが妥当だろう。

 スカンジナビアの国々ではエルフとトロールは同じく妖精のように考えられていたようだ。
 天上のもの(アルファル【Alfar】=エルフ)と地上のもの(ドウエルガル【Duergar】=ドワーフ、特に人間に危害を加えるものをトロル)とに分類していたらしい。つまり、イーノック村の人々がトロルの実在を信じることによってトロルが存在しているなら、同じくエルフが存在できる精神的土壌があると言えるんじゃないだろうか。実際に人々にはパックやイザベラが見えていたみたいだし・・・。
 これはあくまで期待であるが、ベルセルクのトロールは実はエルフが変化したもので、退治されたら有益なエルフに戻るなんて上手い話があって欲しかったりする。
 結局、期待はずれだったけどね♪

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