このページではベルセルクにおける数々の謎等を独自に考察しています。
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○受肉(1)〜受肉とゴッドハンド〜

 ここでの考察は「ベルセルク第219話/千年帝国の鷹篇/聖魔戦記の章/黄泉のほとり」でスランが再登場したことによりお蔵入りが決定しました。  しかし折角自力で書いたものなので消すに忍びなく(ウウッ)このまま置いておかせて頂きますので、ベルセルクワールドを楽しむための「あくまで参考」としてご覧いただければ幸いです。
 
 フェムトはゴッドハンドから再びグリフィスとして現実世界に受肉した。
 当時のゴッドハンドはボイド以下5人だったのは周知のことだが、受肉したフェムトを除く他のゴッドハンド4人はどうなっているのだろうか?

1.依然として異次元に存在し続けている。
2.受肉と同時に他のゴッドハンドがいなくなった。

 ここでは、考えられる上記の2通りのパターンを検証していきたい思っている。

 もともと1000年の間に存在し得る216年周期のポイントは4回程度である。(連続すれば周期の差から5回の場合もある。そして多分、その間の最初に転生した者に「ボイド」の魔名が与えられるのだろう。)

 もし5人いたゴッドハンドから受肉対象者(1人)が単に抜け、他のゴッドハンド(4人)が存在し続けるのだとすれば、前回(1000年前)の受肉発生から少なくとも216年後に新たにゴッドハンドが1人転生し、432年後には更に1人、1000年後のフェムト誕生時点で最低4人の新ゴッドハンドが追加される計算(この時点でゴッドハンドは8人)となる。

 しかしながら、髑髏の騎士が過去にも受肉現象は起っていると語っているにも拘わらず、フェムト誕生時のゴッドハンドは4人でしかなかった。
 これは前回の受肉発生時に全てのゴッドハンドがいなくならなければ成立しない状態であるから、ゴッドハンドが依然として存在し続けるという1の解釈は消極に考えるべきだろう。

 上記から2の解釈のように、少なくともフェムト以外のゴッドハンド達は姿を消していると考えられるが、では、ゴッドハンドがいなくなる原因(条件)は何であろうか?

 先ず考えられるのはゴッドハンド全員の受肉によって空位が生じたというもの。
 作中に描かれているのはグリフィスだけであるが、実はガッツの見ていない場所で全員受肉しており、単に他が描かれていないだけなのかも知れない。順番的に見てもむしろ最後に転生したフェムト一人だけが受肉の対象となる方が不思議ではある。(渇望の福王が必ず受肉するという法則があれば話は別)
 しかしながら、現時点では他のゴッドハンドも受肉したと証明可能な材料が全くないのでこの解釈は可能性がある程度でしかない。

 実はこの点に関し、もし全員が受肉していれば特殊能力を持った者が存在するはずと考えてみた。
 そこでフッと気付いたのが「魔女フローラ」。
 髑髏の騎士と友人らしい節もあるし、魔法という特殊能力を使える点で彼と一緒に受肉したのではと思った。
 しかしながら、シールケも同様に魔法を使えることからすれば魔法はゴッドハンド固有の特殊能力とはいえないのではないかと思われ結局却下している。

 次に考えられる原因は、ゴッドハンドが完全消滅したというもの。
 つまり、受肉という現象は一人のゴッドハンドを現世に戻すと同時に他のゴッドハンド達を消滅させるシステム、言い換えれば、蝕が生贄を伴なう転生システムであるのと同様に受肉は他のゴッドハンド達を生贄として現世へ再転生するシステムなのではないかということだ。

 本来ゴッドハンドはその存在及び力が巨大過ぎで現実世界には存在できないが、他のゴッドハンド達の力を結集すればそれが可能となるという展開は十分予想の範囲内であろう。
 ただしこの場合、誰が受肉するのか決定する方が問題となる。
 というのは超越者たちにとっての基本戒律である「自分の望みのままを行う」ことができなくなるし、自己犠牲などといった人間らしい感情を彼らが有しているとは思えないからだ。
 もっともグリフィスは再び現世へ戻ってくることを前提に転生したようであるし、御告げにみる「鷹」はグリフィスを意味しているとしか思えないので、若しかしたら最初から受肉の対象者は決定されているのかも知れない。
 かなり極論的な仮説だが、他のゴッドハンドの行方が判らない現状においてベルセルク自体が「事象の繰り返し」で構成されているという点を考慮すれば結構納得のいく仮説と思うのだが・・・どうだろうか

 なお、守護天使4人が異なる異次元に転移するというパラレルワールド説も考えられないではないが、これを論じると際限がなくなるので除外した。(水面に映った月よろしく『既に起ったこと』が他の世界(パラレルワールド)での事象ということもベルセルクの世界観であれば十分有り得ることとは思う)

 最後に、個人的にはゴッドハンドは消滅して欲しくないし、また消滅していないと考えている。
 彼らはベルセルクを単なる善悪二元論にしないための重要なプロットであると同時に、存在しつづけるからこそストーリー展開上の要所に絡ませることのできるギミックでもあるのだから。
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