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○シールケの魔法(2)〜儀式にみる神の存在〜 シールケが魔法儀式て唱えた「ヨド・ヘー・ヴァワ・ヘー・・・・アーグラー」なる呪文らしき言葉があるが、ベルセルクはファンタジーであるから例えば「パルプンテ」一言で魔法が成立しても変ではないのに、敢えて小難しい手法をとっているのは、最もらしく見せる以外に何か別の目的又は何かの伏線があるのではないかと疑り深い私は考えてしまう。 当該呪文を単語ごとに分解してみると次のようになる。 ![]() 「アドナイ」 「ツァバォト」 「エー・ヘー・イエー」 「アーグラー」 これは魔術の基本とされる五芒星小儀礼などで唱えられる呪文とよく似ている(当然ながら儀式としての一連の流れが異なり全く同一とは言い難いが・・・)。 五芒星儀礼で用いられる呪文は単なる言葉の羅列ではなくそれぞれが神名を意味しているとされており、酷似しているシールケの呪文も同様なのではないかと推測できる。 そこで、以下にそれぞれの神名の意味を簡単に調べてみた。
結局のところ五芒星儀礼等で唱えられる呪文はヤハウェ(IHVH)という神(主)を繰り返し連呼していると見ることができる。 しかしながらベルセルクの世界においてはユダヤ教や「ヤハウェ神」が関係しているとは考え難いため、シールケの呪文詠唱は、むしろヘブライ語表記のIHVHは四大元素に対応する点で要素霊を繰り返し呼び出していたと解釈すればいのかもしれない。 また別の視点から、ベルセルクの世界に、ユダヤ教の最高神「ヤハウェ」とは全く関係のない聖なる「神」(魔に対する聖なる力(要素霊)=四大精霊を導き出す点で)の存在を想像することも可能だ。 現在まで会話などでそれらしい雰囲気は描かれていたものの明確に「神」の存在を示すものがなかったが、物語がハッピーエンドに向かう過程で「深淵の神」を攻略する一手法として「神」の登場があるかもしれない。 それは「深淵の神」登場以前に人々に崇められていた「旧神」か、暗黒時代を変革させるために今後登場する「救いの神」か。 ただ、これをやってしまうと善悪二元論になってしまい、ベルセルク的特徴を失いかねない気もする。 なお、何度も言うことになるがベルセルクは所詮ファンタジーであってそこに登場する事項に意味を求めること自体に疑問を感じるのも事実。何らかの伏線(プロット)かも知れないし、読者を楽しませる単なるギミックかも知れない。 その辺りの判断は難しいところであるが、いずれにしても作品内に違和感無く描き込まれている点は流石というべきか三浦先生の芸の細かさに感心させられる。 |
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