
本書の著者の一人であるフレッド・ホイルは、ケンブリッジ大学の天文学研究所の創設者であり、その功績によりサーの称号を受けた英天文学会の重鎮だそうである。
この本について、竹内 薫という方がおもしろい書評を書いている。その要約は
「生命は無から生じない」ということを小学校か中学校で習った。
しかし地球の生命は無から生じたというのが定説らしい。
そして遺伝情報のコピー・ミスで進化する。なんと都合のいいシナリオであろう。
著者フレッド・ホイルは、「書類のタイプ・ミスが情報の質を低下させることを考えればすぐ分かるように、生物の遺伝情報のコピー・ミスが、より優れた生物を生み出すはずがない」と批判する。
そして、生命は宇宙からやってきた説をたてる。
進化論が「都合のいいシナリオ」だと気づいているには、創造論者だけでは無い。上に引用した書評を書いた方も、またその本の著者も、その点では正直だ。しかし、地球上で生命の自然発生を信じられなくなった彼らは、その起源を宇宙に求めようとしている。しかし、それは問題を先送り(宇宙送りというべきか?)しているだけだ。1996年に落下した火星からの隕石に生命の痕跡がある、と一時大騒ぎだったが、1997年には有機物の化石ではないことが明らかになっている。
それでも「宇宙生物学」は大流行であり、地球外生命探査計画も莫大な費用を懸けて進められている。今度は木星の惑星に可能性があるとか。税金の無駄遣いにならないことを祈る。
2000/2/2 Luke