ナニヤッテンダー<What's Goin' On>
作詞 :三井"GaRyu"雅弘
作曲:作詞:Marvin Gaye/A.Cleveland/R.Benson 編曲:MAN-NyA-WAZ
 
神の歌声というものがあるのなら、マービン・ゲイの声はまさしく「神の歌声」ではないだろうか。
 ヴォーカリストというのは、声量があって、何オクターブも歌えてテクニックもあるというのが「ウマイ」ヴォーカルとは一慨には言い難い。
 そこにアーティストとしての表現力が加味されれば、オニに金棒で人を魅了するに足る「ヴォーカリスト」が出現するわけだけど、その中でもより多くの人の心を捉えられるヴォーカリストというのは、例えば「生き様」であったり、曲の良さであったりするけど、生理的な好悪をも左右しうるのは、つきつめれば「声質」がイイのではないだろうか。
 
 「声質」だけは生まれ持った先天的なものであり、そうやすやすとは替えられない。
 
昔、私も黒人の「しわがれシャウト」に憧れて、ウイスキーをがぶ飲みした事もあるけど、対して効果 は無かった。
「唄」の「渋み」はノドを痛めるよりも、心を痛める方がにじみ出せる事に気付いたのは、ついこの間である。
 ならばどんな「声質」がいいのかというと、これはもうひとそれぞれの「感性」「趣味」の問題でありマービンの声で濡れるおんなもいれば、「ピンクの電話」のよっちゃんの声でぬ ける男もいるから(ホンマかえ?)答えはあなた自身で見つけてもらうしかないだろう。
 答えにはなってないが、思い当たるふしがあるはずだ。
別に好きでもない男の声が、やけに気になるとか…。おんなの息づかいだけで興奮する無言電話の主…(俺は違う!)
 そんな「神」より与えられた「声質」を持っているのが(勿論、声だけではないけど)マービン・ゲイではないだろうか。
(いや、悪魔かもしれない…)
 軽くフェイクした一声だけで世界感を一瞬にして創りだし、女も男もそのセクシャルなワインをあおって酔いに身を委せてしまうではないか…恍惚。
 あの声は、一体何なんだ?
 
「What's Going On」はご存じのように彼のヒット曲であり、同名のアルバムはソウル史上に残る名作である。
この私の書いた詩は、「What's Goin' On」のメッセージ性を今に生きる私なりの言葉で詩にしてみたものだ。
 もちろん原詩とはニュアンスが異なるが、本質的な部分は損なわないように天国のマービンに捧げたつもりだ。
日本人の自分として。たぶん、天国で「ナニヤッテクレンネン〜」と怒ってるかも知れないが。

 

さて、ダニー・ハサウェー…

 なぜここに「Donny Hathawey Live」が出てくるのか不思議に思われる方も多いと思うが(分かる奴には分かる…)。
彼の唄もスゴイのだ。(ガクッ、それだけかい)
 
 このアルバム「Donny Hathawey Live」の中で「What's Going On」を唄っている御縁だけでここに登場してもらった訳ではない。このアルバムはダニー・ハサウェーの中でというか、私的な思い入れで…
 「棺桶まで持っていきたいアルバム」の中の一枚である。
 実は「What's〜」はこのダニーのライブでの唄をその昔(20年近くまえ…)コピーしまくったのである。
いわゆる「フージョン世代」(ふゅーじょん)に育った私は、このアルバムのようなLiveが理想であった。いや、今でもそう思ってライブをやっている。
 このアルバムに流れるライブの臨場感、躍動感、演奏のウマサ(あとでスタジオでの差し替えはしてるけど…)、客のノリのよさ…どれをとってみても、これに勝るライブアルバムを未だかつて聞いたことがない。

  ◆◆◆

 二人のヴォーカリストは残念ながらもういない。
どういう訳か、二人とも不幸な結末でその生涯を閉じた。その事でいまだに彼らの声を聞くにつれ、せつない気分にさせられるのかもしれないが、それ以上に「ヴォーカル」「声」というものの魅力とか魔力に思いを馳せてしまうのである。

 二人の「What's Going On」をこの際、聞いてみて欲しい。

 

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