OLYMPUS OM-2S/P NO.1013038


2002.5.7

 ある日、異動にいらだつ先輩と雑談中の事。「あーあ、(異動による)引っ越し先のアパートが狭くて荷物が入らないんだよな〜。OM終わるって言うし、2SPは諏訪湖に捨ててやろうか!」「そそんな、勿体ない!捨てるなら私に下さい」・・・で、先輩の不幸のおかげで(先輩!ごめん!)我が家に2SPがやってきた。自転車乗りの先輩はかなり手荒に扱かったとのことで、なるほどシャッター巻き上げレバーの飾り蓋は無くなっているし、各所にそれなりの傷もあり。おまけに液晶は白化と売り物であれば「限りなくC級」である。しかし、ポジでの撮影の結果は「他のOMと比べるとやや、露出オーバー目」ながらも適正露出。恐らくシャッター速度は要調整ではあるが機関は正常と判断した。2S/Pは、なかなか手に入れにくい物件なので有り難いことである。白化した液晶も指示は正常だし、視認性は悪いが晴天下でも見えることは見える。ちなみに私の周りで最もシェアの高い?OMは2(N含む)である。次いで1(N)、4であろうか。不思議と2桁機を使っている人は少ない。2桁機を買う人は諦めも早く、コンパクトやAFに移行した人が多いと言うことだろうか・・・

 SPの特徴はマニュアル時のスポット測光とプログラム測光であるが、このうちプログラムは私は殆ど使わないだろう。2SPのスポットは結構使い勝手がよい。私は、普段は中央重点AE+露出補正で十分と思っているので、慎重に条件を決めたいときのマニュアル+スポット測光と中央重点AEの混載は確かに矛盾のない合理的判断であると納得した。しかし、同時期に何種類も類似のカメラを売っていたのだから2SPの特徴は一般市民にはアピールしにくかっただろうなぁ、だから売れなかったんだろうなぁと過ぎし日々を思うのであった。

 外観を改めてみると、4と2のパーツを組み合わせている部分が多いことに驚く。ボディーは4、軍艦部から上は2という感じか。軍艦部も巻き戻しスイッチは4タイプだが。このカメラの外観を「独特で好き」という人が多いが、私は2S/Pから「独自性」を感じない。3,4の「厳めしさ」も無ければ1,2の「シンプルなエレガントさ」も無い。綺麗だけど中途半端に見えてきた。単なるキマイラだ。嫌いという意味ではないが。

 このカメラは機構と外観の良さと違いを「独特」と語られることが多いが、シャッター音にも特徴がある。ジャリッという残響が残り、ちょっと変な音である。恐らくはハーフミラー裏の測光用ミラー?(2枚目)が戻った後振れていると思う。4と同じ作りではないのだろうか。OMの場合、シャッター方式とボディーフレームは殆ど同じなのだがシャッター機構は殆どの機種で違う。そのため、意外や機種によって音が大きく違うのが面白い。私は2Nの音が好きである。1(M1)の初期で状態の良い奴も確かに静かでいい音だが、「ぱこん」という空洞っぽい音にはどうも安っぽい感覚もあって・・・

思いがけず我が家に現れた2S/P。大事に使ってやろうと思う。


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