レンズ所感


SMC PENTAX 43mm F1.9-L Special(L mount)

2002.2.3記

年末に、衝撃が走りました。それまで15万円もしていたペンタックスのLマウント限定レンズが値崩れして39800円で売っているという情報です。法外?な値段にすっかり興味も無いレンズでしたが、改めて考えると大柄なスタイルはT981に似合うのではないか、しかも43mmという微妙な数値が視野枠にぴったり適合するかも、さらに言えばペンタックスのレンズを使うのは初めて、という訳で「買ってから考える」事にしてネットから注文しました。

実はペンタックスには思い入れがあります。かつて父が一眼レフのSPを使っており、私には決して触らせてくれませんでした。父の目を盗んで触れたあの感触、憧れの内臓露出計の動き・・・以来私にとって「カメラ」とは「ペンタックス」であり「SP」であるのです。

さて、T981に43/1.9をつけて見ると、思ったよりちょっと長いので勝手に思っていたイメージ程は格好よくありませんでした。が、まぁまぁ満足です。あえて白を選んだのも良かった。しかし、仕上げは悪くはないにしても「15万」のレンズとは思えない。取ってつけたような指当ての操作感もいまいち。総合判断では外観、操作性は「398」の値段相当が良い所でしょうか(き・厳しい)。だって、安原レンズ@28000と同等ですよ? 付属のファインダーは、青い色がついていて独特ですが見栄は良いです。50mm枠も着いているのでちょっとお得。T981の等倍ファインダーでは、視野枠全体わずかにはみ出ているか?というところが画角。いい感じです。「ずぼらにスナップ」という使い方には35mmより有効です。

では、肝心の写りはどうか?こちらはなかなか素晴らしいです。一言で言うと、ペンタックスらしいナチュラルで瑞々しい絵です。ただ、個人的にはもうちょっとアクの強い絵だともっと嬉しかった。Lマウントには個性的レンズが沢山あるので「これを選ばせる何か」が欲しいのです。意外だったのは、見かけの被写界深度の深さです。「F1.9」と思っていると案外ぼけないので戸惑っています。ただ、ぼけた部分の「味」はよろしいですね。

作例1:姥捨

2002.12 T981 F=1.9 1/250 Kodak EPP 長野道姥捨SA

もー、ほんと嫌になっちゃうくらい「作例」です。でも、深度の深さが分かると思います。


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