宇宙工房 SOLAR-B(ひので)、SELENE編

2006 09/13

一般公開の準備ではフル稼働だった宇宙工房ですが、最近はいろいろと多忙で停滞気味です。

今回は、これまで紹介してなかった2つのペーパークラフトを紹介します。

太陽観測衛星SOLAR-B(もうすぐ打ち上げ!)

- 太陽観測衛星 SOLAR-B -

2006年9月打ち上げ予定の太陽観測衛星で、太陽の激しい活動の様子を明らかにし、太陽物理学やプラズマ物理学などの発展・融合に貢献した「ようこう(SOLAR-A)」の後継機となります。重さは900kg、長さは4m(太陽電池を広げると幅は10m)と、日本の科学衛星としては比較的大規模なものです。磁場とプラズマの運動を可視化できる可視光望遠鏡、数百万度の温度を持つ荒ぶる太陽コロナを撮影できるX線望遠鏡など、高性能の太陽観測望遠鏡を3基搭載しています。

追記(2006 12/03)
SOLAR-B打ち上げ成功!「ひので」と命名されました。順調に観測を開始し、素晴らしい画像が届けられています。

このペーパークラフトは、宇宙研と共同でSOLAR-Bを推進している国立天文台のWebサイトで公開されています。SOLAR-B Amenity Goodsを参照してください。初心者版と上級者版がありますが、もちろん迷わず上級者版を選択します。

が、しかし!この上級者版、やたら難しいです。特に驚いたのは、一部のパーツではのりしろ等が書いておらず、どうやって貼ればいいのか自分で考えなければならないこと。

切り抜きと加工

人工衛星には、しばしば金色のフィルムが全体に貼り付けられていますが、これはポリイミドと呼ばれる物質で出来た断熱材です。公開されているSOLAR-Bのペーパークラフトでは、その部分が黄色のベタ塗りでつまらないので、金紙風のテクスチャを自分で入れました。その他、図案はあちこちいじっています。

できた・・・

完成品を宇宙工房の向かいにある自分の研究机に飾りました。何と浮いてます!もちろん糸使ってますが。

⊂二二二( ^ω^)二⊃ ブーン

月探査衛星 SELENE

- 月探査衛星 SELENE(セレーネ) -

2007年打ち上げ予定の大型の月探査機で、重さ約3tの主衛星と小型の副衛星2機で構成され、日本の科学衛星では史上最大の規模になります。月の起源の解明、月利用のための調査、プラズマ現象の観測など、多くの使命を与えられています。よって観測装置の数も非常に多く、月の地形、表面組成、重力、磁気、そして地球のプラズマ現象などを観測します。なぜかNHKのハイビジョンカメラも搭載されますが、これは科学的には大きな意味はなく、一般向けのものだと考えられます。その割には宣伝が足りない気がしますが。

ペーパークラフトの図案は、JAXAほか主催の「月探査情報ステーション」というサイトにあります。ペーパークラフトが入手できるページはペーパークラフト - ギャラリー - 月探査情報ステーションです。このペーパークラフトは一般公開などで精力的に配布されているので、ご存知の方も多いでしょう。

早速作ってみました。

手前に2つくっついている小さなものが、副衛星の「リレー衛星」「VRAD(ブイラド)衛星」です。衛星間および地上間の電波測距を利用して重力場の精密な計測をするために使います。上向きについているのがハイゲインアンテナ(実際より大きめになっている)、右側の青いパネルは太陽電池、その他、磁場計を搭載したマストや、4方向に突き出た電波観測用のアンテナが見えます。

宇宙工房近影

といっても1ヶ月くらい前の撮影

後列左から、SELENE、SOLAR-B、のぞみ、前列左から、INDEX、あけぼの。いずれも一般公開で展示したものです。

参考資料

  1. 太陽観測衛星 SOLAR-B
  2. 月探査衛星SELENE
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