アバウト・シュミット


ウォーレン・シュミット(ジャック・ニコルソン)は今日、長年勤めた
保険会社を定年退職した。退職パーティーでは、友人の祝福のスピーチ
を受け、自分が悪くない人生を送っていた事をしみじみ実感する。
しかし退職してみると、やる事がなく、毎日を持てあましてしまう。
ある日、テレビで「アフリカの孤児に月々22ドルで養父に」と言うの
を見かける。何気なく電話してみると、そのボランティア団体から、
ある少年の養父になった旨の手紙が届く。そして、その少年に、あなた
の事を手紙を書いて欲しいと書いてある。
自分について・・・その手紙をきっかけに自分と向かい合うシュミット氏。
会社の後任者に対する不満。妻に対する不満。そして、離れて暮らす娘
の婚約者に対する不満。そんな不満という不満が一気に噴き出してきた。
さすがにあまりひどい事は手紙には書けなかったが、手紙を投函しに出か
け、帰ってみると妻が倒れている。突然妻に先立たれてしまったのだ。
妻を亡くし、あらためて妻への愛に気づくシュミット氏。少年への手紙に、
「目の前の幸せに感謝しなさい」と書くのだった。
妻の葬儀も一段落すると、寂しさが無性にこみ上げてくる。
妻と一緒にあちこち出かけようと購入したキャンピングカーで、離れて暮
らす娘のところへ急ぐシュミット氏。娘の結婚式の手伝いをしようと思っ
たのだが、娘から断られ、仕方なく、自分の産まれた土地や、母校を旅す
る事に。そこで彼は自分と向き合い、自分の人生を振り返るのだった。

本当に現実にありそうな題材にしたこの映画、少し誇張はあるが、多かれ
少なかれ、誰の心にも潜む感情をうまく表現していると思う。
名優ジャック・ニコルソンの演技はさすが。結婚式のスピーチのシーンは、
胸に迫るものがあります。
ラストも秀逸。あの後、シュミット氏は、どんな行動をとると、あなたは
考えますか?




 

おすすめ度
82点

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