アビエイター


親の遺産で大金持ちのハワード・ヒューズ(レオナルド・ディカプリオ)は、
映画制作の夢をかなえるべく、金にものを言わせてハリウッドに乗り込んだ。
空中戦のシーンを撮るため、空軍基地と見まごうばかりの飛行機を集め、
20数台のカメラを用意し、挙げ句の果ては、雲を求めて、アメリカ中を駆け
回る。しかし、3年がかりで完成した「地獄の天使」は酷評される。飛行機映
画への夢は潰えたが空への夢はなくしたわけではない。
自ら起こしたヒューズ・エアクラフト社は新型飛行機を開発する一方、航空会
社TWAを買収し、本格的に航空産業に踏み出す。今までパンナム一社が独占し
ていた海外ルートに乗り出そうとするが、面白くないパンナムは上院議員を巻
き込み、TWAを閉め出す新法案を通させようとする。
新しい飛行機の開発もうまくいかず、新しく作った映画は上映禁止になったり、
恋人にも去られたハワードは、元来の潔癖性が災いし、次第に精神を病んでい
く。

いわゆる伝記物というのは、やっぱり一定の枠を超えきれないものなのか。長
い作品の割には、何か、上っ面だけをなぞった印象を受ける。波瀾万丈の人生
であったからこそ、一つの作品にまでなり得たのであろうが、波瀾万丈すぎて、
絞りきれなかったのではなかろうか。まあ、絞る必要があればと言うことだが。
とは言え、大空にかける夢。とりわけ飛行機への思い入れはすごいものを感じ
る。何をやっても「金持ちの道楽」と、とられかねないのだが、飛行機にだけ
は特別なものを感じる。そんなハワードのピュアな部分をディカプリオはうま
く表現して、はまり役だと思う。
どちらかというと、お坊ちゃんタイプのディカプリオだが、少し年をとった
シーンは、なかなかいい。年を重ねた彼に期待したい。



 

おすすめ度
68点

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