様々な動物たちを集めた小川動物プロダクション。
小川哲夢(柳楽優弥)一家は、毎日動物たちに囲まれて生活していた。
しかし、経営は決して楽ではない。
そんなある日、母(常磐貴子)がこう言い出す。「象を飼うわよ。象
を飼うのが昔からの夢だったの」
家族が躊躇する中、母は象を飼うことに決めた。
最初、哲夢たちの元にやってきたのは、「ミッキー」という象。哲夢
はすぐにうち解け、すっかり仲良しになった。そして、飼育係の人か
ら「象使い」の話を聞く。
タイには象使いを養成する学校がある。本当に象と心を通わせるには、
象使いにならなければならない。
そして、動物プロダクションに子象の「ランディー」がやってきた。
哲夢はタイに行って象使いになることを決心する。
実話の映画化である。
あれやこれや、とってつけたような演出の連続も、おそらくエピソー
ドを綴った原作本がありきの感じが強く、少し悲しい。「星になった」
と結末を先に言ってしまうのもどうかと思う。まあ、それがすべてで
はないのだが、やっぱり、「この子は死んじゃうんだ」って、思いな
がら観ているのも結構つらい。
映画の出来不出来はまあ置いておいて、確かに、言葉も風習も食べる
ものも違う見知らぬ土地に単身渡り、象使いになった少年の決断と行
動力と情熱には、本当に感心させられる。そんな少年のイメージと、
柳楽クンがぴったり重なった。そこがこの映画の一番のポイントじゃ
ないだろうか。
そして特筆すべきは音楽だ。異国の地、象という動物、象に魅せられ
た少年。それにこの音楽がすごくマッチしている。映画における音楽
の重要性が、この映画で再認識させられた。
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