ミリオン・ダラー・ベイビー


フランキー(クリント・イーストウッド)はボクシングジムの
トレーナー。所属するボクサーはもうすぐタイトルマッチに手
が届こうとしている。
早くタイトルマッチに臨みたい彼にフランキーは、「もう少し
待て」フランキーは彼の体調が心配だった。
しかし、チャンスの芽を摘まれていると感じた彼はやり手マネ
ージャーに引き抜かれてしまう。
落胆しているフランキーのジムに押しかけてきたマギー(ヒラ
リー・スワンク)と言う女性。「私のトレーナーになって」そ
ういうマギーに、「女に教える気はない」と、フランキーはに
べもない。
しかしマギーはくじけない。ウエイトレスの仕事で稼いだお金
はすべてボクシングのため。半年分の会費も先払いしていた。
力任せにサンドバッグを殴るが、やはり誰も教えてくれなけれ
ば、上達もしない。しかし、あることをきっかけにフランキー
はマギーを認め、教え始める。
みるみる上達するマギー。試合に出るや1RでKOしてしまい、
戦う相手がいなくなった。仕方なく階級を上げ戦うマギー。そ
んなマギーにとうとうタイトルマッチの話が舞い込んできた。

なんなんでしょうか。
こんな少ない登場人物で、CGも特撮もなしで、こんな感動的
な映画ができるなんて。本当にすごすぎる。本当に映画って奥
が深い。
前半のマギーがボクサーとして成長していく様子。フランキー
と信頼関係を深めていく課程。それらがすべて布石となって、
最後の大きなテーマに突入していく。
尊厳を持って生きることとは。あまりに難しいこのテーマに、
一つの答えを出してはいるが、もちろん誰にでも当てはまるこ
とではない。
エンドロールが終わり、場内が明るくなるまで席を立てなかっ
た。久々にそんな映画を観てしまった。



 

おすすめ度
94点

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