奈良県の山深いところにある老人ホーム。ここには、
軽度の認知症を患った人たちが、介護スタッフと共
に生活していた。
その中の一人、しげきは、33年前に妻を亡くし、
妻との思い出を胸に、日々を送っていた。
そこに新しいスタッフ真千子がやってきた。
真千子は自分のせいで一人息子を死なせてしまっ
たと自分を追いつめ、解放されない心を抱えてい
た。入居の人たちにうまくなじめず、悩みながら
も、先輩に励まされ、何とかやっていけそうに思
えてきた。
そんなある日、真千子はしげきと墓参りに行くこ
とになるが、途中で車が田んぼに落ちてしまい、
助けを呼びに行った隙に、しげきは山の中に入っ
ていってしまう。
カンヌ映画祭、グランプリ受賞作である。
もっと不可解な映画なのかと思ったが、意外にも
主題がはっきりしていてわかりやすい。
ロケ場所もすごくいい。自然の中にいてこそ、生
きて、老いて、死んでいくという事が、自然なこ
とだと知らせてくれる。
いろいろと考えさせてくれるいい映画だ。
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