ジミー・モリスは、一度はプロのピッチャーとしてデビューした。
しかし肩を壊し、今は高校で教鞭をとるかたわら、野球部を率い
ていた。しかし、そのチームは一年に一勝がやっとの弱小チーム。
ある日ジミーは敗戦の後、選手たちに説教をたれる。「おまえら
夢はないのか」すると選手たち「監督こそ夢はどうした。今は肩
の故障も癒えて速い球が投げられるのに、どうして夢を追わない」
言葉につまるジミーに選手はこう提案する。「僕らが地区大会で
優勝すれば、監督はプロテストを受けてほしい」選手たちの手前、
しぶしぶOKするジミー。しかし、俄然やる気になった選手たちは、
あれよあれよと予選を勝ち進んで行き、とうとう優勝してしまう。
次は監督の番だと選手たちに背中を押されプロテストを受ける。
大勢のスカウトの前で力一杯投げ込んだ球はなんと156キロを
マークする。スカウトたちが目を丸くする中、すっかりいい気に
なるジミー。早速妻に相談するが・・・
「事実は小説より奇なり」とよく言うが、事実だから小説ほどド
ラマチックに演出できないのかなぁ、と言うのが私の印象。だら
だらとメリハリなく続く展開。ありきたりのせりふ。何より引っ
かかったのが、投球フォーム。あのフォームで156キロ投げられ
るわけないでしょ。映画だからいいの?歌のうまい人の役は、歌
が下手でもいいの?こんな映画で「さあ、感動してください」み
たいに押し売りされるのは勘弁してほしい。今まで全然勝てなかっ
たチームが、いきなり地区優勝してしまうのも(事実なんだろう
けど)嘘くさい。ここぞと言う時に、BGMがやたら大きくなるの
も、押しつけがましくて好きになれない。何から何まで鼻につい
てしまう。野球好きは絶対見ちゃだめですよ。
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