「父さんは、父さんを辞めようと思う」
佐和子が中学3年をスタートさせるその日、突然、
お父さんが言った。
両親と兄の4人家族の佐和子。3年前のあること
がきっかけで、母は家を出、成績優秀だった兄は
大学に行かず農業の道へ、そして佐和子自身は
梅雨時になると体調が悪くなる。
そんな不安定な佐和子の前に現れた転校生、
大浦くん。ユニークな大浦くんに少しずつ惹かれ
る佐和子。二人で志望校に入ろうと、互いに励ま
し合い、受験勉強に励む。
改めて、人は誰かと関わって生きているんだと、
実感させられる。
誰かを励ましたり、誰かの力になったり、不本意
ながら誰かを傷つけたり。楽しいことや悲しいこと
も、やはり人がいての話。
家族でなければ解決できないこともあり、また、
他人だから出来ることもある。
ちょっといろいろ起こりすぎる感はあるが、淡々とし
ているようにも見え、そのあたりは作り方がうまい
と思う。
キャスティングもかなりいいと思う。
じんわりと心が温まるいい映画だ。
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