2009年6月、ロンドン公演を控え、突然この世を去ったマイケル・
ジャクソン。
その公演リハーサルを映画化。
リハーサル風景と聞いて、「そんな不完全な物を世に送り出すこと
を、はたしてマイケルは喜ぶだろうか。マイケルにとって映画化さ
れることは不本意なんじゃないか」そう思っていました。
しかし、映像自体がマイケルの希望で撮影されていたこと、リハー
サル中のマイケルの謙虚で真摯な態度を考え合わせると、これは最
初から世に出ることを想定していたのではないかと予想できる。
スクリーンの中のマイケルは、この世の物とは思えない姿、動き、
歌声を見せてくれる。それは単に、スパースターやヒットメーカー
というくくりには入れられない。何かの使命を受けてどこかの世界か
ら使者としてやってきた、例えて言えば、かぐや姫のような物だと
思う。そんなこの世の物ではないマイケルは、やがてはこの世に別れ
を告げなければならない。その時期を悟り、この映画によって、メン
バー、スタッフ、大勢のファンに、別れのメッセージを伝えたかった
んだと思えてならない。
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