![]() ●あと10000冊の読書(毒読日記) ※再は再読の意 毒毒度(10が最高)
なんともめちゃくちゃなじじい…ブコウスキー。一生消えない傷を顔に持ちながらも、生涯女にはもてた。訳者は仕事の最中につらくて投げ出したくなった、本をでなく、一緒に歩いているブコウスキーを…と告白している。翻訳を超えた創作であるとすら言う。それほどまでに苦難の途であったらしい。エルロイの原文が熱に浮かされたような悪文と言われながらも訳書としては十分すぎるほどまとまっている例もあるので、原語で読めないことにも案外利点はあるかも。 訳者で購入。旅先で購入して気に入った本を訳してみました…という経緯らしい。まさに、あの時代の産物である、事件が起らないところが。主人公たちは、この社会の中ではいごこちが悪く、倦んでいる。 5フィート9インチ、160ポンド。これが彼に与えられた肉体的条件である。シーズン前、ほとんどの人が、これほど活躍するとは思っていなかったが、春季キャンプをまるでポストシーズンのように騒然とさせ、本人はいたってクール。2001年4月2日の開幕戦でヒットを記録してから、打つわ打つわ242安打。伝説のシューレス・ジョー・ジャクソンの新人安打記録を塗りかえたほか、打率と盗塁数はリーグ首位、オールスターゲーム出場、新人賞どころかMVPまで獲得してしまった。「たたき打ちのスルタン」であり、全米をうならせた『ザ・スロー』のような素晴らしい肩を持つ。みんながそのプレーに釘付けなのだ、ファンのみならず、他球団の選手ですらも。 ふたつの魂が出会い、互いにそうとは知らず惹かれ会い、傷つき、再び巡り会い、真実にめざめ、このラヴストーリイも終わる。時速200ページ一気読み。気がつくと、熱に浮かされたかずいぶん具合が悪い。 アイネイアーとロール、A・ベティックは、記憶が定かでない宇宙船(笑)、空飛ぶ絨毯、筏(!)を使っての逃避行を続ける。かつての転位ゲートはアイネイアーのために開く。あのシュライクも姿を見せ、筏に一緒に乗ったり!するのだが、何を考えているのやらわからない。少なくともアイネイアーを傷つけることはなさそうだ。稀少な友人と出会い、助けられる。だが別れたあとで、彼らの死を感じる。 故郷の空の色は瑠璃色(ラピスラズリ)。ぼくの名はロール・エンディミオン。惑星ハイペリオン生まれのアウトサイダー。もと兵士。ブラックジャックのディーラー、船頭、造園職人の見習い、狩猟ガイド…語るに足る人生ではなかったと思う、そう、27歳で最初の死刑宣告を受けるときまでは。この世界を統べる〈パクス〉の聖十字架の秘蹟を拒否し、ぼくは死刑に処せられたはずだったが…なぜか老詩人の家で目覚め、奇妙な依頼を受けることとなる。ブローン・レイミアの娘アイネイアーを〈パクス〉の手から救い出し、アイネイアーが〈教える者〉となるまで一緒に旅をして、盗まれた地球を見つけもとの場所に戻し、〈テクノコア〉のもくろみをくじき、〈アウスター〉と接触し老詩人に真の不死をもたらし、パクスを滅ぼし去る、さらに、人類を滅ぼさんとするシュライクの動きを今止める…これだけのことをぼくは引き受け、旅に出た。領事の宇宙船で、アンドロイドのA・ベティックとともに。 FBI捜査官ジョン・ロウの家族に不幸が起きた。叔父のニックはタヒチでコーヒー園を経営しているが、娘婿のブライアン・スコットが事故死したのだ。過去にマフィアといざこざがあったこともあり、ジョンは死因に疑いを持つ。調査を依頼されたギデオンは、愛妻ジュリーを残してタヒチへ飛んだ。ところが着いてみると、ニックは遺体の発掘申請を取り下げているではないか! 警察に内緒で墓掘りを開始したギデオンとジョンが発見したものは? 特にドンデン返しもないのは、舞台がのんびりムードのタヒチだから? 殺人も2件どまりだし、毒といえば、タヒチの気候の中で1週間たつ間に死体がどうなるかとか、発掘した遺体の骨を調べやすくするためにどういった処理をするのかとか程度のことで…。ええい、そして、こんなことをしている場合ではないのだ(スケルトン探偵ごめんなさい)。『エンディミオン』の発売ではないか。 1959年のローマ。『紀元』で青年だったチャールズ・ボウルガードは転化を拒み続け、愛するジュヌヴィエーヴに見守られながら死に瀕している。チャールズを見舞うためにローマを訪れたケイトの眼前で女優マレンカとケルナッシ伯爵が惨殺された。エルダーばかりを狙う〈深紅の処刑人〉の正体は? 次なる標的は、ドラキュラ伯爵なのか? 2000年6月22日にシリーズ第1作『ドラキュラ紀元』を読んだときはへとへとだった。なにせ温血者(ウォーム)、不死者(アンデッド)、長生者(エルダー)と新生者(ニューボーン)、切り裂きジャックとドラキュラ公と英国諜報部員が入り乱れての世紀末ロンドン大絵巻。実在であれ、他者の手になる小説の主人公であれ、2人に1人は事典をひいてみないと素性がわからぬ登場人物300人ときてはもう! 続いて2000年7月9日に毒破した第2作『ドラキュラ戦記』ではまたまた荒唐無稽、レッド・バロンが血の空中戦を繰り広げた…そして待望の第3作である。黄金のローマを舞台に、吸血鬼映画のみならずありとあらゆる映画のモティーフがちりばめられている。おなじみの主人公たちの他、女王陛下の諜報部員ヘイミッシュ・ボンド(二度死ぬとはこのニューボーンのためにある言葉か)、若き犯罪者トム(『太陽がいっぱい』のアラン・ドロン)、ローマの新聞記者マルチェロ(もちろんマルチェロ・マストロヤンニ)らが絡んで…。 『吸血鬼』の続編をやっと収穫。初音座の若女形・嵐夢之丞が姿を消し、座長・嵐駒之丞も行方知れず。あのあでやかな姿をもう一度見たいと恋こがれる女スリ・切支丹お蝶が、夢之丞に瓜二つの御新造を助けたことから巻き込まれていく事件。夢之丞の生い立ちとほんとうの姿とは? 大好きな『眠狂四郎』をも思わせるノンストップ伝奇時代ロマン仕上げ。せりふ回しが心地よく、時速200ページも可能。 ドルーヒム・ヴァナーシュタを治める妖魔の王アズュラーンをめぐる物語。タニス・リーの世界は、こうしてみると『アルスラーン』と『グイン・サーガ』の故郷のような存在か。ペルシアの古き物語がときには真珠、翡翠、青玉から紅玉へ緑玉へ、さらには死を招く金剛石となり、われわれの眼前によみがえるのだ。 遅いランチを「樹の花」にて。たまには異空間で本を開くことも必要である。ビブリオマニアのための一冊は、京都祇園生まれ、類いまれなるダンディズムを貫いた、孤高の仏文学者による評論集。マンディアルグ、バタイユ、セリーヌ、レチフら、異端文学の魔力、毒書の魅力がそこかしこに。アルフォンス・イノウエの表紙絵が優雅なるエロスを感じさせる。読書、罰せられない悪癖…腰巻きのコピーに感涙。平積みの本の中でひときわ異彩を放つのであった。 リンダとスニを伴ってクリスタルを脱出したグインは、ケイロニア陣へと帰還、リンダをマルガへ送る手はずを整えた。一方、パロへ攻め込んできたイシュトヴァーンの元へナリスからの使者は姿を見せない。またしても俺は捨てられるのかと酒に溺れるイシュトヴァーン。そんなゴーラ軍へ奇襲をかけてきたのは、アルゴスの黒太子スカール。血に飢えた狼と、妻の復讐に燃える草原の獅子が今、パロの地にて激突! 蛇王ザッハーク再臨か? アルスラーンと取り替えられた王女とは、もしや女神官見習いレイラなのか?という疑問数々残してこの作家はまた数年間も読者を待たせるのであろう。『グイン・サーガ』との大いなる相違は、あちらがはや83巻であるのに対して、こちらは約10年で10巻。客人たちを駅に捨てるやいなや、人妻が家出してきたので、梅見など。木によって香がちがうのは当たり前だったか。
海水浴のメンバーで落ち葉炊き&かもすきの夕べである。かもすきは、茂原街道沿い「まつや」にて。銀河高原ビールの生が、いたく美味。うどんのあとはおじやでしめて満足満足。栗本薫『グイン・サーガ』では竜王ヤンダル・ゾッグ、こちらは蛇王ザッハーク。魔道士やら有翼猿鬼やらも出そろって妖なる兆し。そういえば徳間のデュアル文庫版『銀英伝』本伝が完結したようだ。当時ラストシーンを読んだ私たちは「これってミッターマイヤーの物語だったのかー」と愕然としたものだったが。 またJRが遅れていた。今日は最初からバスには間に合わない時間なので、腹もたたないが。油で汚れた人生の営みの帰途、ホっとできるパブシリーズ。舞台は主にアメリカ。というのも、レディ・ケニントンの知人の甥の死を調査すべくジュリーはボルティモアへ向かうのだ。ウィギンズと、メルローズも同行。スポーツや食べ物、飲み物の違いにいちいちオドロキながらの珍道中。野心的な女子学生とホームレスの死も実は関連があるらしい。キーワードはポーの偽作と爵位。果してメルローズは作家への道を歩むことができるのだろうか? レディ・クレイやレディ・ケニントンなど今までの事件で出会った人物を再登場させる手際は見事。殺人の動機探しはともかく、犯人があっけなく捕まり、もの書きゲームの部分が多いのはちょっと冗漫。 最終バスに間に合うよう退出してきたのだが、架線事故で乱れているとJRは言う。そしてしまった、今日読み終わるはずのパブシリーズをうっかり会社に置き忘れているではないか。落胆せずにいられる本を、コンコースで購入、所要時間は1分。お約束をゼッタイハズさない作家ということでこの人の出番だ。女の人が一人で生きていくことと、「おまじない」のカンケー。おまじないに異常なまでにハマる人にひとこと「けっ」と言える本。ちなみにバスには間に合わず、「けっ」と思いながらタクシーに乗った。 前巻から3年、次なる戦いがはじまろうとしている。要するにお家騒動と国盗り物語なわけで。パロとパルス、ナリスとナルサスそしてさし絵は天野喜孝。栗本薫『グイン・サーガ』との類似点が気になるが、結構淡々としていて、感情の迸る『グイン・サーガ』とは対照的。 田中芳樹といえば『銀河英雄伝説』である。その昔友人宅で、湾岸戦争をBGVに全巻並べたて、宿題には12チャンネルで深夜放送されていたアニメの録画を持たされるという英才教育を受けたものだが、その後友人たちはビデオのみで発売されはじめた続編を次々借りまくり、私はといえば道原かつみのコミックにも手を出した。さらには『タイタニア』にもこの『アルスラーン戦記』にも至るわけだが、錦糸町の映画館でアニメ『アルスラーン戦記』を見たところで記憶は途切れている。あれから10年。どうやら6巻目で購入を辞めていたのだが、突如復活! 若き身空で多大な苦労をしたあげく、雄将や智将に育てられ守られながらついには国王となるアルスラーン王太子の物語。 わたしはブリット・モンテーロ。マイアミ・デイリー・ニューズの記者だ。猫のビリー・ブーツと、亡くなった親友の飼い犬ビッツィーと暮らす。職業柄、恋をしている暇もない。グアピッシモ(文句のつけようがない)にイイ男、マクドナルド警部補とのロマンスはお預け状態。有能な図書資料室員のトリッシュに好感を持ったわたしは、彼女が希望のポストにつけるよう応援した。晴れて記者となったトリッシュはスクープを連発。成功を祝福しながらも、特ダネをものにできる状況に不自然さを感はじめた。やだ、わたしったら、やっかみなんかしていないはず。やがてトリッシュはわたしの職域を侵しはじめる…。人も街も裏切ることはある。わたしに着せられたのは何と第一級謀殺の容疑。今や戦いは地位と名誉を賭けたものではなくなった。人生の締め切りが迫っていた…。 ころころと無防備。小犬には子猫にはない別の愛らしさがある。警戒心がない。撮られるまま。最初に寄った古本屋で、思わずSUPER SEVEN FILE2をただ同然(\4000→\300)で買ってしまい運搬キャパが一杯だったので、ナマ本屋で立ち読みしてしまった。近日中にプレゼント本として購入を予定する。ただという言葉にひとひねりあるのは巻末まで行かないとわからない。 (c) atelier millet 2002 |