| 2003/06/28-9036 | 
								
									| ブランド | 岡康道×吉田望 | 宣伝会議 | 2002年11月5日 | 
											 毒毒度:4 | 
								
									| “自然体を忘れた広告というのは、病気じゃないかと僕は思う” “広告表現は、最もシンプルな一言を一枚のビジュアルの中に集中させたときに、一番いい広告表現になる”
 日本でブランドを確立するためにはどうすればいいのか。アメリカでではなく、この日本で。ひさびさ、シゴト本。もう広告はたくさんという気持ちと、じゃあ何で食っていくわけ?という心境の私が、背筋を正して読むべき一冊。陸路はるばる広島に至り、海の見えるホテルの一室で読むこととする。
 本当に重要なのは企業側の“What to say”である、“How to say”ばかりに頼っているから広告はつまらなくなるのではないか。イエス。何ごともまず志、それに言葉がついてくる。イエス。「意表をつく正解」を社のスローガンとする吉田望。勇敢すぎずはしゃぎすぎない。あざとさではなく、みんなが喜ぶ意表。
 10年後どうなっていたいか。広告について語られているだけではない。ここで語られるのは広告のようでいて世界のようでいて人間の生なのである。
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									| 2003/06/27-9037 | 
								
									| 百年の愚行 ONE HUNDORED YEARS OF IDIOCY
 | Think the Earth プロジェクト 発行 | 紀伊國屋書店 発売 | 2002年4月22日第1刷 2003年4月22日第6刷
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											 毒毒度:4 | 
								
									| “失われた美しい夢” 主に地球環境に対してそして自分自身に対して行った、人類の数々の愚行百態。普及版を購入したが、やはりオリジナル複写版を購入すべきであった。普及版では写真の衝撃度は3分の1くらい減っていると思われる。 | 
							
							
								
									| 2003/06/25-9038 | 
								
									| 絢爛たる屍 | ポピー・Z・ブライト 柿沼瑛子 訳
 | 文春文庫 | 2003年6月10日第1刷 | 
											 毒毒度:5 | 
								
									| “どこにいてもうまくやっていける殺人者は世界中に散らばっている” “腐敗を楽しんだことは一度もなかった。なんとか我慢して克服はした。しかし、腐敗を楽しんだことは一度もなかった。
 今の今まで、一度も。”
 “今ここに、同じ種類の相手がいる。だからわたしは彼のすべてを知りたかった”
 “世界中に散らばっている”はずの連続殺人者ふたりの邂逅。おそらくはジェフリー・ダーマーをモデルとする美貌のシリアルキラー・ジェフと、イギリスから逃亡してきた(しかも死体置場の解剖台から逃走)アンドリュー(デニス・エチスンがモデルと思われる)が出会ったところは妖都ニューオーリンズ。美貌の悪役や音楽関係者、彷徨う少年など処女作『ロスト・ソウルズ』をほうふつとさせる登場人物が、絢爛たる死のドラマを繰り広げる。最近ではもはや流行遅れのスプラッタパンク・ホラーを掘り起こし中の文春から、「倒錯(キンク)の女王ポピー・Z・ブライト」の第3作刊行。本国ではブレッド・イーストン・エリス『アメリカン・サイコ』を拒否した出版社から刊行されたということだ。確かにどちらも凄惨な殺人シーンが存在するのだが、このポピー・Z・ブライトの作品には人肉嗜好というさらに強烈なテーマはあれど『アメリカン・サイコ』にはない愛がある。そこ(殺人)に至るロマンがある、その違いではないかと思われる。
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									| 2003/06/21-9039 | 
								
									| ふだん着のパリ野菜料理 | 平野由希子 | 雄鶏社 | 1998年8月30日 | 
											再再   毒毒度:-2 | 
								
									| “便利なのは素敵なことだけれど、おいしい秘訣は、便利さとは別のところにあるように思います” 凝ったソースはいらない、旬の素材を味わうレシピ。現在わが家では一番人気のカレーを除くと「切っただけ」みたいな、いじくらないメニューばっかり。「みず菜切っただけマヨネーズ」とか「トマト切っただけめんつゆと細切り大葉がけ」とか。素麺の季節も近づき、わが家の粗食度は益々すすむのであった。 | 
							
							
								
									| 2003/06/20-9040 | 
								
									| LIVING with BOOKS | ALAN POWERS | MITCHELL BEAZLEY |  | 
											再 毒毒度:2 | 
								
									| やっぱり天然木でしょう。文庫から大型写真集まで効率良く収納したいのだ。ところで今日は害虫駆除の日。うちの場合は害虫よりも地下の筍の方が大変なわけでして。小部屋の床下はもう何年も前から覗くのがコワイほどの状態だった(ちなみに深海の底のイメージです、もちろん目のない生物付き)のが、今回キレイに駆除されてホッ。 | 
							
							
								
									| 2003/06/20-9041 | 
								
									| At HOME with BOOKS | ESTELLE ELLIS CAROLINE SEEBOHM
 CHRISTOPHER SIMON SYKES
 | CAROL SOUTHERN BOOKS | 11/95 | 
											再 毒毒度:2 | 
								
									| 地下室ブックカフェ化のために、いろいろインテリア関連の本ながめ中。日本にはシンプルでお値ごろなブックシェルフってなかなかないものでして。通販はなあ。。。 | 
							
							
								
									| 2003/06/18-9042 | 
								
									| 恐怖の霧 グイン・サーガ第90巻
 | 栗本 薫 | ハヤカワ文庫JA | 2003年6月15日発行 | 
											   毒毒度:1 | 
								
									| “《人間形》とやらをとらざるを得ないところが、きゃつの最大の弱点だぞ” クリスタルへ攻め入らんとするグインとケイロニア軍は、謎の霧にまかれ…。王太子アモンによるキタイの黒魔術《夢の回廊》を解く手立てはあるのだろうか。こともあろうに淫魔ユリウスともどもグラチーがグインの助っ人を買って出てますますややこしくなった黒魔術界! うわーついにきたか90巻。でも100じゃ終わらないそうだし(笑)。ナリス様がお亡くなりになったとあっては、最終巻はリンダとグインの結婚なのか???ってちらっと考えたりする今日このごろ。シルヴィアはどーすんだというツッコミよりも、それともイシュトとリンダか?という妄想をめぐらすのであった。 | 
							
							
								
									| 2003/06/17-9043 | 
								
									| 紺碧海岸 | 松本隆 | 新潮文庫 | 1995年5月1日発行 | 
											 毒毒度:0 | 
								
									| “一瞬が好きだった”(永遠の一瞬、一瞬の永遠) “ただ一つだけいえるのは、ヴィルニューヴみたいに途中で死なないでくれ、ということ”(アリゾナの決闘)
 以前かなり真剣に探していた本を、久々立ち寄ったBOOK-OFFにてあっさり収穫。モナコからケープタウンまでセナのドライビングを追っかけ取材、輝いていた時代のF1を舞台に人の出会いと別れを描いた作品集。文庫化にあたって、セナのAfter DeathのF1界を描いた書き下ろし『風の墓標』が収録されている。その時ひとつの時代が終わったのだという科白にはYES。それ以上何があるわけでもない。月曜朝の通勤電車の中で当たり前のようにOLが最新レースの展開を話題にしていたことなどはるか彼方の夢のように歳月というものは流れているのだった。黙悼。 | 
							
							
								
									| 2003/06/15-9044 | 
								
									| FUNNY CATS -Japanese Edition | J.C. SUARES | ピエ・ブックス | 1996年6月28日初版第1刷発行 | 
											 毒毒度:1 | 
								
									| 高名な猫本のはずだが…ジャパニーズエディションはなんだか見にくい。 | 
							
							
								
									| 2003/06/14-9045 | 
								
									| 洋酒にあうオードブル341 | 柴田書店・編 | 柴田書店 | 1998年1月5日初版発行 
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											 毒毒度:-1 | 
								
									| 柴田書店のよくある高価本、といっても定価3900円也。何年か前に買って、時折手にとるものの真剣には見ていないのだ。当時評判のバー22店の洋酒にあう自慢料理レシピが美しい写真とともにある。ちなみにわが隠れ家バーはこれらのメニューとはかけ離れた「粗食」で有名でして、ゼンゼン参考にはなってないという、あはは。 | 
							
							
								
									| 2003/06/13-9046 | 
								
									| LIVING with BOOKS | ALAN POWERS | MITCHELL BEAZLEY |  | 
											 毒毒度:2 | 
								
									| おや、おかしいな、これ読んだと思ってたんだけど、アップしてないみたい。こんなこともあります。壁にしても床にしても、いざとなるとなかなか色決めができないもんですな。 | 
							
							
								
									| 2003/06/13-9047 | 
								
									| At HOME with BOOKS | ESTELLE ELLIS CAROLINE SEEBOHM
 CHRISTOPHER SIMON SYKES
 | CAROL SOUTHERN BOOKS | 11/95 | 
											 毒毒度:2 | 
								
									| “After a life on the road, reading anchors me.”(Keith Richards) これを機会に、隠れ家に、ついにメスを入れるのだ。外面全面塗り替えはもとより、地下室大改造を予定。本棚の高さをどうするかなんだよね。ということで、インテリア関係の本を漁る。さてこれは『LIVING WITH BOOKS』と同時購入したまま積毒状態だった本。キース・リチャーズの書斎(本人付き)が、なかなかであるよ。 | 
							
							
								
									| 2003/06/11-9048 | 
								
									| 東京古本とコーヒー巡り | 散歩の達人ブックス [大人の自由時間]シリーズ
 | 交通新聞社 | 2003年3月1日初版第1刷 2003年4月1日初版第3刷
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											 毒毒度:3 | 
								
									| “古本屋めぐりは、単に古本をハンティングするという実利的な目的のためだけにあるのではなく、その日いちにちのある時間を、街の中に自由に投げ出して、ほしいままに自分を泳がせる意味もある”(「均一王」岡崎武志) “いつも自分の時間や空間を変えること、そういった装置のようなものを意識してました。本を読む、ということは違う世界に行くことだし、大げさではなく普通に本が好きなので、その30分のために働いているのかもしれないと思います”(福嶋聡 ジュンク堂書店池袋店副店長)
 恒例有楽町の日。余力があったので三省堂とプランタンを覗いてみた。三省堂2Fははじめて。文春から出たポピー・Z・ブライトの新刊が、あってほしい場所になかったのでちょっとムッとしたが、気を取り直して収穫に励む。グイン・サーガ最新号(笑)は先に手を伸ばしたサエないサラリーマン風が読みふけりだしたのでちょっとひいてひとまわり。カフェごはんの本もそろそろ下火かと棚を巡ると、目があった、もちろんこの本と。腰巻きに「コーヒーと古本のある暮らし。」とある。うーん、茶と本のある暮らしでもいいんだけどな。ブックカフェ。これは今、私の理想です。プランタンにはオムのフロアと地階に用があったのだけれど、目当てのバッグはなくて、うっかりベストを買ってしまった。着方によってはホワイトジーンズの汚れにも見える風合いで、ジッパー使い、襟ぐりはラウンドという難易度の高いシロモノ。さて。
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									| 2003/06/09-9049 | 
								
									| 黒ネコジェニーのおはなし1 | エスター・アベリル作・絵 松岡章子/張替恵子 共訳
 | 福音館書店 | 1982年11月30日初版発行 1994年4月1日第8刷発行
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											 毒毒度:-3 | 
								
									| ちょっとストーリイが強引のような気もするが、猫の絵が可愛いので、合格。 | 
							
							
								
									| 2003/06/06-9050 | 
								
									| 目利きのヒミツ | 赤瀬川原平 | 知恵の森文庫 | 2002年9月15日初版第1刷発行 | 
											 毒毒度:2 | 
								
									| “デザイナーと画家ということでは、デザイナーは大人で画家は子供である。デザイナーは常に結果を考えて、着地点を考えるところからさかのぼって仕事を進めているし、画家は結果を考えず「今」の気持第一で仕事を進めるのが本来で、着地点というのが予測できない” “でも人間だから、自分は芸術家だと思ってやっていながら、いつの間にか頭が回転をはじめて着地点を考えていたりするのが最近の芸術である”
 “そうか、言葉というものは冷えたものなんだ。どんなに熱く見える言葉でもそれは熱さの表現で、言葉自体は冷えているのだ”
 見えにくいものがヒョイと見える瞬間。このタイミングを掴んでいるヒトが、いわゆる目利きである。土地の鑑定から笑顔の真贋、イチローの打撃まで。芸術とは? デザインとは何か。その基本は水商売と思っているが、互いにイイ夢を見にくい時代。これからどこへ行く? | 
							
							
								
									| 2003/06/05-9051 | 
								
									| 突破者入門 | 宮崎学 | 角川文庫 | 2003年3月25日初版発行 | 
											 毒毒度:3 | 
								
									| “「お前は何に魂の震えを見るのか」” “むしろ私には、人が道義的であるが故に法に触れることがあると思えるのだ。そして、それが確信的であればある程、美しくさえ見えるのである。”
 喜怒哀楽に彩られた人生。男という生き物は雨ダレの一滴とな。公園のベンチで2冊目。雑貨みたいな可愛いイラストと思ってよく見ると、これが突破者御用達の品々だったりして。 | 
							
							
								
									| 2003/06/05-9052 | 
								
									| 天涯3 花は揺れ 闇は輝き | 沢木耕太郎 | 集英社文庫 | 2002年5月25日第1刷 | 
											 毒毒度:2 | 
								
									| “旅は豪奢な無駄を味わうことだ” “旅はなぞれない
 なぞろうとすると復讐される”
 つまるところ、人の目に優るカメラはない。カメラで記録を残すことで、人は自分の心に風景を焼きつけることを怠っているのではないか。いっそのことカメラを持たぬ旅をすべきなのではないか。沢木耕太郎は心のままに、撮りたいときに、撮っているように見える。フラッシュなし。風が流れ、被写体が揺れる。
 3時間半の空き。さて困った。あいにく地図以外手持ちの本はないのである。ここはほとんど異国。BOOK-OFFへ連れてけ〜と叫んでも届かぬ。だが駐車場のある書店を発見。よくある街道筋のつまらん大型店かと思ったが、おっとどっこい。某百貨店内の書店に爪の垢でも煎じて飲ませたいほどの広い通路、品揃え。文庫3冊と雑誌を収穫し、ご満悦〜。
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									| 2003/06/04-9053 | 
								
									| 素晴らしいアレキサンダーと空とび猫たち | アーシュラ・K・ル=グウィン 村上春樹 訳  S.D.シンドラー 絵
 | 講談社文庫 | 2000年8月15日第1刷発行 | 
											 毒毒度:-2 | 
								
									| “君は素晴らしい猫だ” 晴れ、ときどき猫まみれ。雨、のち猫まみれ。 | 
							
							
								
									| 2003/06/04-9054 | 
								
									| 空とび猫 | アーシュラ・K・ル=グウィン 村上春樹 訳  S.D.シンドラー 絵
 | 講談社文庫 | 1996年4月15日第1刷発行 1997年5月15日第3刷発行
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											 毒毒度:-2 | 
								
									| “ごろごろごろ” 路地裏で生まれた4兄妹には翼がありましたとさ。猫って可愛いが案外猫らしく可愛くは描けないものだ。このイラストは猫らしくて合格。 | 
							
							
								
									| 2003/06/03-9055 | 
								
									| テキサスの懲りない面々 | ジョー・R・ランズデール 鎌田三平 訳
 | 角川文庫 | 2003年5月25日初版発行 | 
											 毒毒度:2 | 
								
									| “最近、裸の女は人生の不幸の種だと考えるようになっている” 「ある種の正当性」をもってしでかしたあの事件だったが、結末は空しかった。何人も死人がでて、命がけで救出したはずのブレットの娘ティリーは売春婦に逆戻りしちまった。おれは靴を血で汚し、傷ついた。かなりしばしば裸だった恋人のブレッドにずっと会っていない。レナードにはジョンっていうボーイフレンドができて、けっこううまくいっている。レナードとおれは鳥肉工場で警備員をしているが、ある夜暴行されている女の子の命を救った。御礼の10万ドルで船旅に出発したのだが、またまた騒動に巻き込まれ。ハップ&レナード以外は『ボトムズ』『テキサス・ナイトランナーズ』『モンスター・ドライブイン』とも不発との評価を下されてしまったランズデール、起死回生となるか。このシリーズに出会って2年半。見かけ下品な怪作に実は愛情、友情、信頼、正義が詰まっている点が好きだったのだが、前作で意図的な殺人を犯したハップが空しさを抱え込んでしまい、レナードとのやりとりでもやられっぱなしの感があって出だしはしめりがち。カリブクルーズ〜メキシコの悪女との出会いと別れ〜マフィアとの対決とまあ話はすむのだが、最初の頃のトキメキがないのは気のせいか。やっぱり慣れは恐ろしいってことか。
 本日のひとこと。愛には愛が、偽りには偽りが、還って来る。って作品とはカンケーないんだけど。
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									| 2003/06/01-9056 | 
								
									| ニャーンズ・コレクション | 赤瀬川原平 | 小学館 | 1999年12月10日初版第1刷発行 | 
											再   毒毒度:2 | 
								
									| “猫は時として詩人だけど、自分のきちんとした生活は崩さないリアリストである”(シャガール『詩人、または三時半』) また、読んじまった。何度見ても、いとおかし。特に今回は大塚国際美術館にて陶板「オリンピア」など見ているということもあり、ほほーう、ふーん、そうそうこれこれみたいなリアクションの連続で、満腹、ごろにゃん。 | 
							
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