●あと10000冊の読書(毒読日記)  ※再は再読の意 毒毒度(10が最高)

2003-11

2003/11/30-8944
河童のスケッチブック 絵と文 妹尾河童 文藝春秋 1995年11月30日第1刷
再再   毒毒度:3
“作り方は簡単だが、作り方よりも食べ方が大事”

鍋をやるので思い出した。最高のレシピのピェンローが載っている。もともと週刊誌連載当時イタリアの駅弁の話が印象深く、ずいぶんたってから雑誌名も出版社も著者名も覚えていないのに家じゅうの雑誌を探し回ったという過去がある。月日はめぐりどうやらこの著者らしいとわかってきたがこの本が出るまでもちろんイタリア駅弁の話は確認できなかった。新刊平積みで入手してみたら偶然サイン入り。本との出会いも不思議なのである。

2003/11/29-8945
四季の英国紅茶 出口保夫・文
出口雄大・イラストレーション
東京書籍 1992年3月3日第1刷発行
1993年4月30日第4刷発行
   毒毒度:1
“イギリス風の紅茶は、あくまでポットにこだわる”

これはビックリ!こんな田舎の隠れ家近くにログ風の喫茶店が誕生していたとは!10月にオープンしたらしいが、ここしばらくその道を使っていなかったのと11月になってほとんどの週末を長野県で過ごしているせいでゼンゼン知らなかったのである。灯台下くらし。来春には遅れに遅れたアウトレットも出来るらしいし、ここらあたりもどうなることやら。心配ではある。

2003/11/29-8946
ティータイムその前に 磯淵 猛 ちくま文庫 1998年4月23日第1刷発行
 毒毒度:-1
“紅茶専用のポットは、下の方が丸くなっていてダルマさんの形をしたものがよい”

お湯の対流に乗って葉がぐるぐる回って、おいしくなるそうな。磯淵さんの本にはスリランカやインド紅茶の楽しみ方が載っているので、アイスティやフレーバーティ好きにもおすすめ。

2003/11/28-8947
紅茶のある食卓 磯淵 猛 集英社文庫 2001年5月25日第1刷
再再 毒毒度:-2
“一杯の紅茶に、遠い国、遠い昔を想像しながら、味だけでなく、心で愉しめるようになって一層おいしく感じる。そんなことを思うようになった”

紅茶好きだが、実はアールグレイは苦手である。アイスティにアールグレイを使っている店に頻繁に遭遇したせいで、夏でもホットティを頼むことが多い。濃いめ目のアッサムにミルクを入れるのが好き。一度、磯淵さんの本が置かれたワッフル&ティーの店で、相当薄目のストレートティをサーブされたが、あれは一体どうしたことか。見た目が美しくないのがとても残念だったが。

2003/11/27-8948
八雲が殺した 赤江 瀑 文春文庫 1987年5月10日第1刷
   毒毒度:0
“葡萄果の藍暴き昼 盲たり
 夜見路知らしめ よもついくさめ”

十条駅前のBOOK-OFFにて百円、しかも美本。それなりに評価する古書店ならもっと高額だと思うと複雑な心境。泉鏡花賞を受賞した短編集。芸道や学問などの特異な世界に顕われる魔性や幽玄というテーマだが、謎解き部分が特異でもなんでもない今の世の中にあっては、発行当時の刺戟性を望むには無理がある。

2003/11/25-8949
東京カフェマニア 川口葉子 情報センター出版局 2001年2月9日第1刷
2001年5月24日第4刷
   毒毒度:3
“カフェは街の猫のようなもの。ある日急に思いがけない路地に現れて、散策者を誘います”(カフェの扉を開けて)
“情報を信用するな。自分で見つけろ”(いーはとーぼ)

著者はサマンサのペンネームでホームページ(http://www.tokyocafemania.com)を運営する。この本は東京のカフェ史であると同時にカフェ通い20年という著者の自分史でもある。「珈琲の森、紅茶の湖」とう小見出しのついた「大坊珈琲店」の頁や愛読書、好きな映画、店のBGM、どんな子供だったかなど店主へのインタビューが興味深い。私のお気に入り、銀座の「樹の花」が載っているのも嬉しい。全体としての感想はやはり、自分の居場所さがしをする人のなんと多いことよ。

2003/11/24-8950
京都カフェ案内 木村衣有子 平凡社 2001年10月25日初版第1刷発行
2003年11月10日初版第4刷発行
   毒毒度:3
“ひとことで言えばフランスがしたかった。フランスがつくりたかった”(西山逸成『ル・プチ・メック』オーナー)

京都はあなどれない。全般に京都人は苦手であるが、自分のセンスを信じている人は尊敬できる。テーマがフジタだったり、東郷青児を堪能できる喫茶も存在する。開店前からつめかける人に「どうぞ入ってお待ちください」と声をかけるイノダコーヒ。この店の「京の朝食」を食べてみたいものである。
三連休は再び長野県で、一番左の部屋カンケー(というかまんま)のイベント。上山田〜峠越えで2週連続、松本で遊ぶこととなった。というのも同行Y氏がお立ち台という快挙のため急きょ祝勝会なのだ。ホールインワンのノリで本人のおごりというあたりが凄い。「ポンヌフ」にて推薦者K夫妻とともにオードブルで乾杯!カレーを食して大満足。2軒目は渋いカウンターBAR「ウォータールー」にて英国ビールとカクテルをいただく。ラム好きとしてはまずショートでミリオネーア。故郷はジャマイカ、イギリス、フランス。さしづめ仮想アラウンド・ザ・ワールド。2杯目はアメリカ大陸に上陸し、ロングでボストン・クーラー。窓際の席からレトロな家並が見え、暖炉の演出も心地よい。東京ではこの半量で倍の値段とおぼしき「牡蛎の燻製」(900円)は十分な量とレベル。ただしギネスの注ぎ方には難あり、残念。締めは再び「彗星倶楽部」。K夫妻はサバ定なんか食べている。夜でもちゃんとごはんの食べられる店はありがたい。こんなお店に歩いて来られるなんて羨ましい。

2003/11/22-8951
最新 信州美術館 保坂清司・編集 月刊ながの情報全県版別冊編集室 1993年10月25日初版発行
   毒毒度:-2
ひと昔前、自転車のついでにアートスペースを訪ねたりもするようになった。この本を片手に諏訪湖の畔や安曇野の美術館を訪ね、館内の喫茶室でお茶をし、ミュージアムショップでおみやげ選びなぞもした。さて旅の途中、信州の鎌倉と称される塩田平。当時の最新情報ゆえ多少の様がわりは仕方がないと思いきや、長野県というところは比較的時間がゆるやかに進むのか、夭逝画家のコレクション「信濃デッサン館」は蔦のからまる外観も掲載当時のまま山の中腹に静かに佇んでいる。“ほんとの事はただ一つ それは死だ 一切はその上の幻だ花火だけぶりだ 美しい幻は見たいが、それより上に用はない”(村上槐多)とは切ない、切なすぎるが人間にとって唯一の真理だ。隣接する「独鈷」という名の喫茶室でホットレモンをいただく。猫の姿もちらほら、山が山に影を落とし、荒々しい岩肌と秋色に染まる樹木のコントラストが美しい眺めの場所だった。

2003/11/22-8952
英国紅茶への招待 出口保夫・文
出口雄大・イラスト
PHP研究所 1993年12月31日第1版第1刷発行
1994年5月23日第1版第7刷発行
   毒毒度:2
“三段論法的にいうならば、イギリスには呑兵衛が多かったがために、紅茶の普及がどこよりも進んだのである”

きわめてオーソドックスな英国紅茶案内。英国ものに関してはリンボウ先生よりも私は気に入っている。子息のイラストもおなじみ。アンティークの町でたっぷり3杯の紅茶と香ばしいスコーンをいただいて、ひとり百円にも満たないと聞くと、やっぱり日本で《外で》紅茶を飲むほど馬鹿らしいことはないのではないかという気になってくる。美味しい紅茶は家で飲むに限る。わが家にはなぜか日本紅茶協会公認ポットが存在しこれが実にうまく淹れられる。家にいる限り朝食時にはミルクティを飲む。午後もミルク・ティ、ただし朝よりも濃い目で。築地「あんくるこーちゃん」の安売りにつられ大きな缶を買ってしまい後悔しきりの「ラプサンスーチョン」も実は薄目に淹れるとなかなかいけることがわかったのは最近のことだ。

2003/11/20-8953
おそうざい十二カ月 小島信平 松本政利
暮しの手帖編集部
暮しの手帖社 1969年1月1日初刷
1969年2月10日第2刷
  毒毒度:-1
聖護院蕪を入手したので、どれ本格的におそうざいにトライ。一緒に炊くものがないのでたら珍味を利用することにした。できあがりは京風? 笑えるのはほとんどのレシピに「ここでいの一番か味の素を加え」と書かれている点。そういう時代だったんですねえ。

2003/11/18-8954
午後は女王陛下の紅茶を 出口保夫・文
出口雄大・イラスト
中公文庫 1996年9月18日発行
   毒毒度:2
“雨に濡れた窓外の風景は、まるで薄衣を通して見るように、山の緑や庭先の花のピンクがぼんやりと見える。何ひとつ旅の目的として、はっきりしたものをもたない旅人にとって、霧のようにかすんで見える緑とピンクの風景は、それ自身が表象的でむしろ好ましかった”

著者はワーズワースが愛したアンブルサイドへ。特に目的もなく足の向くまま気の向くまま。変わりやすいイギリスの天気が旅人の頭上に雨雲を連れて来る。雨やどりのために名も知らぬホテルへと足を踏み入れた。元は地主か貴族の屋敷と思しきなかなか風格ある造りで、ラウンジは宮廷風。座りごこちのよいソファでティのサービスを受ける。過剰ではなく、客が好きなように淹れられる気づかい。本物の贅沢なひととき。しかも70ペンスという思わず聞き返すほどの廉価なのである。おそらくこのようなティ・タイムは日本では望むことすら不可能。嗚呼。

2003/11/17-8955
魔界都市シリーズ3
陰花の章
菊地秀行 祥伝社文庫 1999年7月20日初版第1刷発行
   毒毒度:1
妖もの渦巻く魔界都市新宿。ふだんは美貌ながら茫洋としたせんべいやの主人。「僕」と言っているが、ひとたび変貌と遂げ「私」と名乗りはじめたら要注意!の人捜し屋、秋せつらのシリーズ。

2003/11/16-8956
菊地信義 装幀の本 菊地信義 リブロポート 1989年4月10日第1刷発行
  毒毒度:3
“この装幀は読ませるのだ”

新谷雅弘によれば菊地装幀は“何かを手づくりするのではなく、手くばりする”とか。
装幀家・菊地信義の1973〜1987に至る作品集を松本市内の古書店にて収穫。美本で3000円也。「古書」という看板を掲げながら明るめで入りやすい雰囲気。哲学・思想関係充実である様子。
古書といえば昨日の市内探険の際、ある意味凄い書店を発見。なんと八百屋との融合。山岳書と猫ものにこだわっていると思える品揃えの一方、店先にはきのこなどの野菜類が! 店主によれば近所に八百屋がないので並べているが本より売れるらしい。本の方は値段がわからず。もしかしたら定価通りに売っているのかも、つまりは新刊書店。ちなみに新書館の寺山修司ものの定価は380円だがはて。
松本2日目、食の方は、松本在住の友人おすすめのカレー店「ポンヌフ」と老舗の珈琲店「道」。ポンヌフのカレーは洋食やさんのカレー。熱すぎないサーブで、味がしっかりわかる。店内は外からも様子がわかる明るさと暖かさがあり雰囲気GOOD。

2003/11/15-8957
[名店案内]そば店100 柴田書店書籍編集部・編 柴田書店 1995年4月28日初版発行
  毒毒度:1
奈川村という今まで足を踏み入れたことのない村でイベントのため松本泊。昼から観光に専念すべくまずは蕎麦店。いつもは城近くの「こばやし」だが、吟醸そば「もとき」へ行こうと思い立つ。この本によれば女鳥羽川沿い…のはずが松本の一通地獄に阻まれなかなか行きつけず。クルマを置き徒歩でトライしてみたところがどうやら閉店した模様でがっかり。結局偶然発見した「こばやし」本店にて新そばを味わう。あとからわかったのだが「もとき」は移転したらしい。春に利用した「こばやし」大名町店も本店に統合されていた。雑貨や民芸店をしこたま覗き、いつもの服やでジャケットを購入、夜は地元民だらけの「太助」で馬さしなど。白馬錦の雪どけ吟醸と杉の森をセレクト。ニ軒目は蔵カフェの「彗星倶楽部」。客足なくちょっと心配。小グループと入れ替わりでやっと店を後にする。あとから聞けばかなりの繁盛店とか。ううむ時間帯が悪かったのか?

2003/11/14-8958
カフェをはじめる人の本 成美堂出版編集部・編 成美堂出版 2003年11月20日発行
  毒毒度:-2
“カフェをやるって、勝つ負けるのたった2つに分けられる、そんな簡単なことじゃないんです。自分がどれだけエンジョイできるか、人にどれだけ楽しみを分けられるか”

まあそう聞くと図に乗ってしまいそうになる本。カフェブームは終わったのではないかと思っていたらこんな本も出ていた。タイプの異なる12店鋪の実例付き。三鷹のブックカフェ「フォスフォレッセンス」の開業物語が載っている。

2003/11/12-8959
紅茶とお菓子 我那覇陽子 大川雅子 平松陽子 文化出版局 1991年9月30日第1刷発行
1994年3月7日第8刷発行
再再   毒毒度:-1
HAVE A NICE CUP OF TEA. この本とは関係なく堀井和子さんのレシピで「田舎風B.P.ブレッド」を焼いてみる。バタも卵も使わず、ベーキングパウダーを入れるタイプのパン。プルーンをレーズンに変更し、本に書いてある半量で作ってみた。薄力粉125gとベーキングパウダー大さじ二分の一をあわせてふるっておく。ボウルにプレーンヨーグルト40cc(大さじ3弱)、牛乳85cc(180ccのカップ二分の一弱)、塩小さじ六分の一、砂糖大さじ二分の一、刻んだラム酒漬けレーズン20g、刻んだくるみ15gを入れてよく混ぜ、粉を振るい入れ、切り込むようにさっくり混ぜる。オーブンは190℃に温めておき、クッキングシートをひき打ち粉をした天板に種をひとめとめにこんもり載せる。表面をなめらかにして上にも打ち粉をふるい、ナイフで真中に十文字の切り込み(5ミリくらいの深さ)を入れ30分くらい焼く。全体がきつね色になり、焼き立てを切るとほっこり。そのままスライスか、カリッとトースト後クリームチーズとジャムをたっぷりでいただく。一日おくと粉っぽさが気になるのがベーキングパウダーパンの弱点。パッパと作って食べきりがよいようだ。そういえばスコーンってあまり作らないのだけれど、今度この本のレシピでためしてみようかと思っている。

2003/11/10-8960
秘密の保存食 赤堀千恵美 21世紀ブックス 1981年9月20日初版発行
1982年4月1日第26版発行
  毒毒度:-3
毎度お世話さまです、赤堀先生。今回もまた林檎カンケー。最近紅玉が妙にお高くとまって困ったものだとぼやいていた矢先、超安売スーパーで珍しく庶民的な紅玉発見。6個で330円は上出来。この本のレシピだと6個に対して砂糖600gだが、私の場合は500g以下かな。皮ももったいないので色づけ用の1個分だけでなく6個分全部敷いて煮てみる。綺麗なオレンジ色の林檎ジャムと、輝くばかりのルビー色の皮に分けて瓶詰め。皮はもちろんお茶うけにしたり、さつまいも茶巾絞りやトーストにトッピングしたりする。紅茶に使ってアップルティーにしてもいけるはず。

2003/11/10-8961
チャペックの本棚
ヨゼフ・チャペックの装丁デザイン
及川さえ子・編集 ピエ・ブックス 2003年3月12日初版第1刷発行
2003年10月16日第2刷発行
   毒毒度:-5
“表紙というものはいつも、もし何かによって飾られていないなら、デッサンされた平面として残るのである”
“以前は本の表紙には絵が、あるいはもっとよい場合には繊細なデザインがあった。今日ではもう明らかなように、新しい表紙には本質的に新しい宣伝がやってきた”

本の顔、表紙。かのカレル・チャペックの兄による装丁集。原村にあるストーブ・ハウス(蒔ストーブと雑貨ショップ)で一目惚れ。持っているだけで幸せな気持ちになる美しさ。そしてこの本の表紙は、「顔」である。気になる点をひとつ、図版は美しいのだが、日本語訳が美しくない。

2003/11/08-8962
魔界都市シリーズ2
哀歌の章
菊地秀行 祥伝社文庫 1994年4月20日初版第1刷発行
   毒毒度:1
“眼前の美青年が変化したことに、男は気がついた。何か別のものに。
 顔形はそのまま。人間性(なかみ)だけが。”

その昔柴田錬三郎『眠狂四郎独歩行』にはまったことがちょっと懐かしくなるシリーズ。だが、たぶん眠の旦那は毎日でも読めるが、せんべい屋の主人に毎日会いたいかというと、それはないな。

2003/11/07-8963
スーパーホラーシアター
妖魔の宴 ドラキュラ編2
ジャネット・アシモフ、マイク・レズニックほか
菊地秀行監修・嶋田洋一訳
竹書房文庫 1992年12月6日初版発行
   毒毒度:1
いただきもの第2弾。もともとドラキュラ映画との出会いをきっかけに作家への道を歩んだといえる菊地男爵監修だけあって、収録作には「魔人ドラキュラ」をはじめとするドラキュラ映画にちなんだ作品が多い。男爵渾身の「我がドラキュラ映画の時代(後編)」が読めるのはありがたいが、第1弾に比べ収録作品にチープ感漂うのは残念。作家紹介が割愛され、2冊並べた場合背表紙の文字位置が不揃いで美しくないのは芸術的な存在に対して失礼ではないか。

2003/11/07-8964
遅めの和ごはんと夜ふかしおやつ 根本きこ アスコム 2002年11月28日第1刷発行
2003年10月30日第4刷発行
   毒毒度:-2
アジア、沖縄料理をアレンジした和ごはん。「パパッと作ってのんびり食べるレシピ77」ということで、切っただけ焼いただけの料理を理想とする当方としては参考にしたいところ。巻末の料理インデックスによると最短は飲み物で「梅シロップ+日本酒」の1分、料理では「マグロの漬け」の2分、最長は「ラフティ」の2時間。5分から10分ぐらいで出来るレシピはいい。手早く作ってその後のおしゃべりや時間を愉しむのは理想だす。想像だと海辺の一軒家に二人暮し。いずれはカフェを開きたいと書いているがもう開店したのかな。レトロなキッチンで立ち働く姿がとにかく楽しそう。

2003/11/06-8965
カフェをはじめてみませんか? 籏智優子 柴田書店 2002年6月15日初版発行
2003年9月10日7版発行
   毒毒度:-3
“なぜ自分がカフェを始めたいのか”

人気のカフェ8店の開業物語とノウハウ。大規模店ではなく小さな、オーナーこだわりの店が紹介されている。扉絵や手書きの間取りが親しみやすい。当然失敗例は載っていないのだが、成功の中にも試行錯誤の経緯があって臨場感あり。

2003/11/04-8966
スーパーホラーシアター
妖魔の宴 ドラキュラ編1
アン・ライス、ダン・シモンズほか
菊地秀行監修・嶋田洋一訳
竹書房文庫 1992年9月6日初版発行
   毒毒度:2
“吸血鬼というのは芸術的な存在なのだよ” (「隠れ家の吸血鬼」ヘザー・グレアム)
“「ありきたりの災難だよ」わたしはふり返り、苦い笑みを医師に向けた。「ドラキュラなら話題になる。でも政治的な狂気や官僚主義や無能さの犠牲になって何十万の人々が苦しんだところで……それはただの……ちょっとした不都合でしかない」”(「ドラキュラの子供たち」ダン・シモンズ)

吸血鬼テーマだがちょっと皮肉で辛辣なアンソロジー。生身の人間の方がオソロシーこの時代、ドラキュラも大変である。女装し(「スタイルの問題」)、有名人ミーハーと化し(「選抜試験」)ても生きていかねばならない。図に乗ると危険が待っている。浮気女房に横恋慕したあげく亭主に体よく追っ払われ(「隠れ家の吸血鬼」)、教団から潜入した女殺し屋に暗殺され(「誰にも欠点はある」)、エイズで死に瀕する(「ドラキュラの子供たち」)こともあるのだ。
3日連続図書館大公開の初日、ご来館者の方にいただく。お二人とも初対面なのだが、本、料理、猫話題で気持ちのよいひとときを過ごせたと思う。メニューはごぼうしいたけキッシュ、さつまいも茶巾絞り、ヨーグルトポムポム、インドカレー、ダンドラナイチキンなど。いまさらながら、ガスオーブンの威力にひたすら感謝。

 

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