富 | 山 | 県 | 朝 | 日 | 町 | の | 境 | A | 遺 | 跡 |
境A遺跡富山県と新潟県の県境に位置し、約45,000uの広がりを持ち、山と海の距離が数百mと近接した地形上にあり、標高が5〜30mで現在は水田・雑木林に所在する。 |
特に縄文時代における硬玉の採取と加工実態を示す資料として、又磨製石斧の原石から完成までの製作工程が良く分かる資料として、他に類例を見ない貴重な資料として認められている。
更に硬玉・磨製石斧などの未成品が多量に出土していることから、石器製作工房として各地に流通・交易されたと見られている。 先ず石器の出土量は、大量の蛇紋岩製磨製石斧の未完成品やヒスイ原石・ヒスイ玉類の未完成品を含め整理箱約4,000箱・20万点以上に及んだと云う。 |
![]() ヒスイ製大珠、御物石器、三脚形石器そして男女性を合わせてイメージした彫刻石棒の順番に紹介する。 |
新潟県糸魚川産ヒスイ原石を加工した大珠は、貴重品として珍重されたと見られる。 御物石器・三脚形石器はハッキリした用途は不明だが、使用痕がないことから生活道具というより、祈りの対象とした特定の儀式に使われたと見られている。
男女を合わせて彫刻した石棒は、男性の持つ“活力”や女性の持つ“誕生”のイメージを祈りの対象としたと見られる。 これらの石製品以外にも異形石器・円盤形石器・石冠形石器・鋸形石器などユニークな儀式用石器が見つかっている。 次に土器類の打ち、有孔鍔付・台付・ミニチュアなど非日常的土器が多数検出されている。 |
ユニークな双子形土器は、右側の方が大きく男性と見られ、夫婦合体の様子を現しているように見えるが、“誕生”を祈る儀式に使われたと考えられる。 以上のような非日常的石製品・土器は、精緻な加工・工作技法を駆使した傑作品で、祭祀・儀式を重んじた精神文化が垣間見られる。 |