|
***** 体感温泉リポート 弐拾三 *****
| (徳島県)祖谷(いや)温泉(ケーブルカーで行く露天風呂) |
日帰り入浴「ホテル祖谷温泉」・・・外来入浴7:30-17:00(18:00)、1500円、露天風呂、大浴場の2ヶ所
露天風呂(200m下)・・・pH 9.1、泉温・・・38℃(気温23℃)、掛け流し、掘削自噴
大浴場(3F)・・・pH 9.1、泉温・・・40℃、循環式(加温のみ・加水なし、塩素なし)、動力揚湯
分析表:(源泉名「ホテル祖谷温泉」S40.8分析)・・・pH:表示なし、泉温39.3℃、1500g/分・(掘削自噴)
単純硫化水素泉(無色透明)、溶存物質262mg/kg
入湯日・・・05年
9月29日
(pH、泉温、塩素は当日の実測値です)
徳島県三好郡池田町松尾字松本367−2
☆定員17名のケーブルカー
(画像クリックで拡大写真あり、他も同様)
■四国の温泉の中では全国的に「道後温泉」に次いで2番目によく知られた「祖谷温泉」に初めて入ってきた。事前情報では、日帰り入浴料は高いが、アルカリ度が高く、泉温がぬる目で、私好みの温泉らしい。
■ここでまず、通年半ズボン姿だった故美坂哲男氏の「日本百名湯」等によって祖谷温泉の歴史を簡単にふれてみる。美坂氏によると、「(昭和44年4月剣山から祖谷渓に降りてきた時の話)、当時この湯は池田町が掘削したばかりで宿はなく、露天風呂の傍らに素朴な番小屋があって管理人夫妻が住んでいた」。そしてそのすぐ後、昭和47年にホテル祖谷温泉の「本館」が建てられた。美坂氏はその後ケーブルカーの開通前に再び訪れているが、ケーブルカーが無いため、歩いて200m下の露天風呂へ入りに行っている。その後昭和58年にホテル専用のケーブルカーが開通、「新館」も昭和62年に建築された。(「山のいで湯、日本百名湯【下】」
美坂哲男・著、山と渓谷社・発行、1986年4月刊、他による)
■祖谷温泉へは、高松と高知を結ぶR32号が徳島県池田町の中心部を通り過ぎて吉野川沿いに南へしばらくの、下川交差点を左折して祖谷口橋を渡ると、県道(これも)32号に入る。道は狭く車が離合するのも困難なところがあるが、一応四国交通の定期バス(小型)はJR池田駅前から運行されている。下川から約8kmで祖谷温泉に至る。反対側のR32号の大歩危側からも入ってこれるが、やはり道が狭いのでかずら橋近くの新祖谷温泉付近で大型バスを降り、小型バスかタクシーに乗り換えて祖谷温泉にやってくるという。
■四国は温泉の不毛地帯で、泉温の高い温泉が少なく、ほとんどが20℃以下の冷鉱泉を加温して使っている。その中でここ祖谷温泉は39℃、と比較的高温を得ている。調べてみると、四国で道後や祖谷の他にも、数は少ないが、こんぴら温泉(香川)や馬の渕温泉(愛媛)などいくつか34℃以上の泉温を持つところがある。
ホテル祖谷温泉公式HP http://www.iyaonsen.co.jp/

|
|
■ホテル祖谷温泉の約4〜500m手前に、左図の小便小僧の像が、祖谷川の断崖を臨んで建てられている。
■昔、旅人がこの断崖の岩から肝試しをしたといわれ、その後地元の観光協会がこの像を建て、小便岩と名づけている。
■像の後ろには、投げ銭がたくさんのっていた。
(画像クリックで拡大写真へ)
|

|
 |
■左図はホテル祖谷温泉の本館(右)と新館(左)。本館は昭和47年、新館は62年築(本館とつながっている)、その後改装している。
■右図は本館正面玄関、入った所にあるフロントは4階にあたる。客室は、3・5・6階。
■露天風呂へのケーブルカーは、入った4階の右側、建物を出たところにある。大浴場は2階下の建物の2階にある。
(拡大写真なし) |

|
 |
■露天風呂はホテルから約200mも下の祖谷川の河畔にあり、斜度42℃のケーブルカーで250mのレールを下る。左図は乗り場から下を眺めたもの。
■右図は下の露天風呂乗り場からホテルを見上げた写真。表頭の車内風景とこの外観のように、車体は比較的新しい。
■前出美坂氏の著書によると、「露天風呂へは谷底へ200mほど急降下する・・・、つづら折り22回、石段や鉄ばしごなどざっと450段でやっと谷底の露天風呂に辿り着く。・・・下りたらまた登らねばならず、せっかく清潔になった体にまた汗が出てしまう」、という、湯浴みをするのも当時はたいへんな苦行だったようだ。
(拡大写真なし)
|
 |
 |
■この日は晴天の為か左図のように、先頭の窓があけられていた。そのため露天風呂のある終点に近づくにつれ、硫黄の臭いが窓から入ってきてよく臭い、温泉情緒をかきたてられる。乗車時間約5分で終点に到着。
■降車してからも約3階分の階段を下り、露天風呂の入り口(右図)に至る。
(拡大写真なし)
|
 |
 |
■祖谷温泉のネットの書き込みを見ると日帰り入浴の昼間は、”露天風呂は芋の子を洗うようにごった返している”ような事もあるようだが、平日でシーズンに入ったばかりのこの日は、男湯は3〜4人ですいていた。
(以下、拡大写真あり)
■露天風呂のすぐ横に祖谷川の渓谷美がせまり、ロケーションがとても良い。
■温泉に入ると、ぬるっとしたアルカリ泉の触感、お湯はぬる目で硫黄臭がする。適温でじっくり浸かっていると、肌に無数の泡がまとわりつく。炭酸水素の泡か、源泉掛け流しの生きた温泉の良さが実感できる。 |
 |
 |
■温泉3点セット計測してみる。一番の関心事、pHは9.1、かなり高い方だ(私は9.0以上のアルカリ度を赤字で示しています)。泉温は38℃、塩素は勿論無し。正月開けから4月までの冬季は休業なので、加温なしのこの泉温でもなんとかしのげるのだろう。勿論温泉マニアやぬる目が好きな私にとっては、源泉は加温せずそのままのこの泉質が大歓迎です。
■左図のようにお湯はほんの少し(湯の花によるのか泡によるのか)白濁している。浅い所では透明にみえる。
■右図、毎分1500gの湧出量を誇る大量の温泉が注がれている。そしてその分、下左図のように、祖谷川へ惜しげも無く溢れて捨てられていく。
■露天風呂で20分ほどつかった後、本館2階の大浴場に入った。大浴槽が1つあるだけの普通のお風呂(写真なし)。下の露天風呂からくみ上げた温泉を利用。泉温が下がるので加温循環式。循環式だが殺菌の塩素は検出されなかった。カランもお湯は「温泉」使用、水は水道ではなく山の「沢水」使用で、共に塩素が無く良好だった。pHは9.1で露天風呂と変わらないが、硫黄臭は少なく、露天であった泡は全く肌につかなかった。循環式の為、温泉の鮮度が失われているという事だ。 |
 |
 |
■右図はホテル祖谷温泉を遠望したもの。絶壁に6階建ての建物がへばりついている。左下に露天風呂へのケーブルカーが見える。本当に断崖に建っていることが分かる。
■ところで、この「祖谷温泉」がこの地区の一番古い(といっても前出昭和44年ころ開湯)温泉だが、その後大型バスの乗り入れの可能なかずら橋近くに、「新祖谷温泉」(ホテルかずら橋、ここは山上の露天にケーブルカーが登る)が昭和63年に開業、、新新祖谷温泉ともいえる「祖谷渓温泉」(祖谷秘境の湯)が平成12年に開業し、大量の観光客を受け入れている。
|
 |
 |
■ところでこの日、平日にもかかわらず、名所”かずら橋”周辺は祭日のような人出で賑わっていた。
■その観光客を取り込むためか、対応する為か、左図はかずら橋直前の祖谷川を渡る建設中の渡橋道路、高速道路と見間違う立派さだ。
■右図はかずら橋のすぐ近くで建築中の橋脚の林立した巨大な建造物。観光客用の駐車場で、下2階に土産店、飲食店が出来る、という。西祖谷山村が造っているもので、来年平成18年3月完成予定。しかしこの風景は、背後の素朴な山村風景にそぐわない。こんなもの造ってまた公共事業、自治体の赤字になるのではないか、危惧するばかりだ。
|
|