5
4
3
2
1

  こぼれ松葉をかきあつめ
  おとめのごとき君なりき、
  こぼれ松葉に火をはなち
  わらべのごときわれなりき。


  わらべとおとめよりそひ
(イ)
  ただたまゆらの火をかこみ、
  うれしくふたり手をとりぬ
  かひ
(イ)なきことをただ夢み、


  入り日のなかに立つけぶ
(ム)
  ありやなしやとただほのか、
  海辺の恋のはかなさは
  こぼれ松葉の火なりけむ
(ン)。