1999.9.18-25
3回目のアメリカ旅行/カスケードループからレインフォレストへ

9/18(土)左ハンドル,右側通行で出発

10時シアトル・タコマ空港着.AVISで予約していたレンタカーを借り,シアトルダウンタウンへの行き方を聞いた.EAST-518からNORTH-I-5へ.I-5は5年前に来た時に何度も通っている.「ちょっとこの構内を一回り練習して左ハンドル,右側通行に慣れてから行きましょうよ」と言ったのに正さんはすぐに出口に向かう.らせん状の道路を昇って方向感覚を無くしてしまったが,なんとかTO-I-5の表示を見つけた.
「5年前に来た時にもこの道を何回も通ったわね.冬に来た時にはフェリーで着いてアムトラックに乗ったのだったっけ」と話ながら行くうちに,I-5にしては道幅も少し狭いようだし第一表示が出ないのに気がついた.さっそく道に迷ったらしいがすぐには対応できない.わき道にそれて,やっとどこかの店の駐車場に入り,そこにいたお兄さんに尋ねた.
「ああ行ってこう行ってフリーウエイに乗れ」と教えてくれた.そうそうフリーウエイってI-5のことね.教えられた方向に戻ってI-5に乗ったが,お兄さんの説明と違ったような気がする.日本から持ってきた磁石を出してみるが,走りながらでは針がぐるぐる回って役にたたない.「太陽の方向は?」と聞いたが日本ではあんなに方向感覚の鋭い正さんがここアメリカではさっぱり.車の運転だけで精一杯なのだ.
もたもたしているうちにタコマ**マイルの表示がでた.やっぱり南へ向かっている.いったん乗ったフリーウエイは快適過ぎて方向転換までにかなりすいすい走ってしまったが,やっと軌道修正することができた.
今度は確かにI-5を北に向かっている.片道5車線もあるこの道を忘れるなんてどうかしている.そのうちAIRPORT-LEFTの表示がでた.空港を出てからちょうど1時間練習に使ったことになる.

シアトルの観光案内所はPike St. 7th Ave.の奥にあった.6年前出版の案内書にあるとおりの所だ.近くで大きな工事をしていたので,「建物を取り壊してどこかへ移転したりしていないでしょうね」などと心配になってきていたところだった.
年配の男性と女性の二人がにこやかに親切に迎えてくれ,フェリーの時刻表とワシントン州の地図をもらった.大きな地図で,幹線道路のナンバーも距離も載っていて,今回の旅行に一番役に立った.これが無料で旅行者に提供されている.アメリカはいい国だ.案内所の女性は私たちが日本人だと知って,日本語の情報誌もくれた.
娘の住んでいるEUGENEの地図もほしかったが,ワシントン州以外の地図は置いていないとのこと.日本と違ってアメリカは広い国なのだからそれも当然と,納得した.ワシントン州だけでも176,600 km2,日本の面積の約半分はあるのだから.カスケードループをまわってオリンピック国立公園に行くつもりだと言うと,美しいところだとにこにこして話してくれた.カスケードループは2日か3日かけてまわったらいいともいってくれた.
私たちはカスケードループを2日,オリンピック国立公園を2日,そのあと娘の待つEUGENEにまっすぐ向かう予定にしていた.
観光案内所のあるコンベンションセンターでマフィンとコーヒーを買い,店の横のテーブルで昼ごはんにしてから,いよいよカスケードループの起点となるエベレットへ向けて再びI-5を北上する.今日はどこまで行けるだろうか.9月18日の昼に家を出てから長い長い土曜日の一日がまだ続いている.

アメリカ第一日目はSkykomishの小さな町のモーテルに泊まることにした.大輪のペチュニアで飾られたかわいいモーテルの入り口を入り,部屋を通り抜けて裏の戸口を開けると芝草の裏庭があり,その向こうは川まで続いていた. 道路沿いのレストランまで歩いて夕食に行く.
なつ子にアメリカに着いたことを電話しておかなければならない.Quarterを4,5枚握ってダイヤルをまわすと3ドル80セントというオペレーターの声がした.そんなに沢山のコインは用意していない.一旦電話を切ってからガソリンスタンドで3ドル分のコインを両替してもらってから再びかけ直した.
5ドル札と引き換えに,ガソリンスタンドのおじさんはQuarterを4枚積み上げた山を3つ作り,1ドル札を2枚渡してくれた.電話ひとつにこんなにコインがいるなんて,なかなかやっかいなところである.しかしまあ,なつ子と同じ時間帯で話ができる所までやってきたのだ.

エベレットからEAST-2に向かうと木々は深くなり気持ちのいいドライブロードが続く.道路わきを川とアムトラックの線路が並行して走っている.Skykomish Riverだ.昔,木を切り出すために作られた線路なのだろうか.遠くの山に雪の残っているのが見える.川と道路と線路は右になり左になりしながら互いに先を競うように進んで行く.ワシントン州は紅葉のはじまりのようで,ところどころに黄色く色づいた木が見える.道沿いの茂みにはブルーベリーが赤や濃い紫に熟れている.道路わきのview pointで休憩していたら突然貨物列車がやってきた.長い長い貨物は汽笛の音を残して遠ざかって行く.

シャワーを浴びて出てみると正さんはもう眠っていた.長い一日と慣れない運転で疲れたのだろう.
荷物の整理をして明日の地図を見た後まだ9時だったが,ベッドに潜り込んだらすぐに眠ってしまった.ぐっすり寝てさわやかに目がさめて朝が来たと思って時計を見たらなんとまだ11時.
それから眠ったり起きたり寝返りをうったり眠ったりの長い夜がやってきた.
夜中も貨物列車の汽笛の音がファーンと響き渡っている.

SkyRiver Inn $75.74
Sky Chalet Rest. $17.27