昼はお弁当を持っていって,冬には先生がみんなのお弁当をストーブであたためてくださった.昼食の後は教室の掃除なのだが,私は食べるのが遅くて掃除の邪魔になるので,時々,教室の隅か廊下に机ごと持っていかれて,一人で食べさせられた.いたずらな男の子が両手で私のほっぺたを押してからはやしながら逃げて行く.
また,時々,食堂でお昼を食べることもあった.先生も友達も一緒だった.食堂は小学校の校舎から出て,道路を渡り,高校のプールの横を通り抜けた向こうにあった.食堂でうどんを食べていて,鼻血が出たことがある.岡山竜太郎先生が保健室に連れて行ってくださったが,まだ食べかけたばかりの白いうどんの上に真っ赤な血がぽたぽたと垂れ,「ああ,うどんがもったいないなあ」と心残りだった.普通でも食べるのが遅いのに,食堂へ行った日にはさらに遅くなって,当番の時にも掃除の時間に間に合わず,さぼりだとよく友達に咎められた.