入学して間もなく試験があった.「てにをは」を四角の中に入れる試験だった.岡山竜太郎先生は皆の机の横をぐるぐる回って歩かれながらおっしゃった.「一人だけ全部出来ている.他の人はどこか間違っているからもう一度よく見なさい」私は「全部出来た.私がその一人だ」と思った.見直しもしないでぼーっと時間を過ごした後,しかし,先生はおっしゃった.「その一人は,林田くんです」