ファーストインプレッション |
スタイルは、オーソドックスなビジュアルノベルタイプ。
画面いっぱいにテキストが表示され、テキストが表示されている間はバックのビジュアルが若干暗めになるという、あのスタイル。
所々で選択肢が現われ、その選択によってシナリオが変化するという、これまたいつものシステム。
BGMはCD-DAのようですが、うちの環境では仮想CD-ROMソフトを使うと鳴らなくなります。
効果音はなるんですけどね。
「君望」も同じような現象が出てたなぁ。
うまく動くようになる(かもしれない)方法はあるみたいですけど、面倒だから毎回CD-ROMを入れて立ち上げています。
オープニングムービーがあるんだけど、これがまたえらく音量が小さいんです。
うちの環境だけなのでしょうか。
せっかく主題歌も流れているのに、もったいない。
システム周りはちょっと……という感じ。(^^;)
バックログ機能はあるものの、なんか見にくい感じ。
セーブやロードの画面もあっさりしていて、なんかビジネスソフトを使っているような印象。
誤字も結構目立ちますね。
もしもシステム周りに点数をつけるとしたら、5点満点で2点というところでしょうか。
ただ、シナリオはかなり面白いです。
そろそろクライマックスを迎えようかというあたりなんだけど、結構キテます。(^^;)
ほろりとしたことも何度か……。
過去の思い出を語る部分があるんだけど、小学校高学年にありがちな微妙な心情がよく表現できていると思いました。
異性との仲を冷やかされて、必死になって否定した経験、皆さんもあるのでは?
(ホントは飛び上がって喜びたいほどなのにね(^^))
加奈は病気です。
「余命半年」と医師に宣言されるほどの病気です。
慢性腎不全で、それが他の器官をも巻き込んで生命を蝕んでいくのだそうです。
いったん慢性腎不全になると、腎機能の回復は不可能なんだそうです。
幼い頃から入院生活をしてて、外の世界の事をほとんど知らない加奈。
学校にも満足に通えず、友達もほとんどいない加奈。
そういう加奈を守ってあげたいという主人公の気持ち。
自分の事を必死になって守ってくれる兄の背中を見て育った加奈。
二人の間にはいつしか愛が……。
「相手は妹なんだぞ」と必死にその気持ちを否定しようとする主人公。
でも、その感情は徐々に大きくなっていきます。
さて、クライマックスに向けて、今日もプレイするとしますか。 |
セカンドインプレッション(ネタバレ注意) |
攻略チャートを参照しながら、無事にエンディングを迎えました。
ベストエンド「はじまりのさよなら」です。
加奈は生きることができました。
腎機能の回復が見込めない慢性腎不全の加奈がどうして生きることができたのか。
そうです、腎臓移植です。
ドナーは兄である主人公。HLA型は完全に一致。いわゆるミスマッチゼロ。
実は、主人公と加奈の間に血の繋がりはありません。
にも関わらずミスマッチゼロ。
ホントの兄弟姉妹の間柄であってもHLA型が一致する確率は25%.
血縁関係のない、赤の他人同士であれば数万分の一の確率にまで下がってしまいます。
ゲームと言ってしまえばそれまでだけど、愛の力ですね。(^^)
元気になった加奈は自立するために家を出ることを決意します。
このまま兄に甘えていてもお互いのためにならないと判断したのでしょう。
時が経ち、加奈が自分の力で生きていけるようになった時、二人の愛はどうなっているのでしょう。
血が繋がっていないとは言え、兄妹ということで世間の目は厳しいかもしれません。
でも、二人ならきっとそれを乗り越えてくれるでしょう。
今まで、お互いに辛かったんだもん、幸せになってくれなきゃ、ね。 |
サードインプレッション(ネタバレ注意) |
ノーマルエンド「追憶」及び夕美エンド「迷路から」を終了しました。
まずはノーマルエンドについて。
加奈、死んじゃった。(;_;)
HLA型の検査はミスマッチワン。
「ベストエンドの時はミスマッチゼロでノーマルエンドはミスマッチワンかよ」
これは言っちゃいけません。(^^)
シナリオが違っているんだから仕方ありません。
移植手術はうまくいったから普通の生活に戻れると思ったのに。
一緒にいろいろなところに遊びに行ったりできると思ったのに。
だけど、きっと、加奈は短かった人生を悔やんではいないと思います。
自分のために頑張ってくれた兄がいたことをきちんと心にとどめて旅立ったのだと思います。
忍び寄る死への恐怖から泣いてしまったこともあったけど、最後に加奈は「幸せでした」と断言しました。
そして、最後の言葉に選んだのは「愛しています」でした。
できればこんな形ではなく、きちんと見つめ合って言わせてあげたかったなぁ。
う、いかん。
ゲーム中ではちょっとホロリときただけなのに、今は画面が涙でぼやけています。
くぅ、加奈ぁ。助けてあげたかったなぁ。
続いて夕美エンド。
これも加奈は死んでしまうのですが、主人公が壊れてしまいました。
人間の心というものは、決定的なダメージを受けた時にそれを心の奥底に封印してしまうと聞いたことがあります。
現実をきちんと受け入れることができなくなるんです。
そんな主人公の心を救ったのは夕美でした。
ゲーム中、実際に立ち直る描写はないのですが、きっと立ち直ってくれると信じています。
だって、そうじゃなきゃ加奈がかわいそうじゃないですか。
生きている時にもいろいろと迷惑かけて、死んでからもまた迷惑をかけるなんて、加奈が望んでいるとは思えません。
夕美と二人で加奈の部屋を整理して、きっと立ち直ってくれると信じています。
主人公よ、夕美に感謝しなよ。
小学生の時にラブレターを晒されたとかでウジウジ言ってる場合じゃないぞ、ホント。
さぁて、残りのエンディングを目指して今日もプレイだ。 |
ラストインプレッション(ネタバレ注意) |
知的ルート第一エンド「雪」
知的ルート第二エンド「おもいで」
知的ルート第三エンド「今を生きる」
一気に上記3つをクリアしました。これで全エンディングを見たことになります。
この中で一番良かったのは第三エンドかな。
加奈は死んでしまうのですが、これからの主人公たちの人生に希望が見えてくるんですよね。
主人公たちのいとこに香奈という娘がいるのですが、彼女は肝臓を患っています。
加奈は自分の意思で肝臓を香奈に提供します。
主人公はそのことを加奈の死後、初めて耳にします。
そして、移植に反対します。
苦しみからやっと解放された加奈の体をまだ傷つけるのか、もうそっとしておいてやってくれ、と。
何かの本で、何らかの臓器を摘出した場合、あの世で苦労するという話を読んだことがあります。
例えば、角膜を摘出すればあの世では目が見えなくなるし、心臓を摘出すれば生きる(既に死んでいるのにこういう言い方も変だけど)ことさえできないのではないか、と。
実際に経験した人に聞いたわけではないので真偽の程は定かではありませんが、確かにそういう考え方もできるかもしれません。
日本における臓器移植、肝臓は生体肝移植しかおこなわれていないはずだし、腎臓は7割が生体腎移植です。
死体(心死体、脳死体ともに)から臓器を取り出すこと、そこから取り出した臓器を利用することにまだまだ抵抗があるのはこのへんに原因があるのかもしれません。
ホスピス医療について、臓器移植について、近親者との愛について……。
なんか、いろいろと考えさせられる作品でした。
ちょっと重いテーマだけど、皆さんにも是非プレイしていただきたいですね。 |