新市街/ Dancing House 

 やっと見つけたよぉ 

ここに来るまでに、新市街観光。
ってより、観光したくてじゃなくて
迷子になりまくってました。
地下鉄を降りてから、
「あれは何だ?これは何だ?」
と思ってフラフラ歩いていたら、
3駅位戻っちゃって、
また歩いて来たりして、
ここに来るまでの間3時間近く、
歩き続けてしまいました。
(本当はアパートから30分位)

観光名所へは、街中に沢山標識があるので、
結構簡単に行けちゃいました。だけど、
この街で「歴史ある建築」以外の建築を探すのは、
至難の技でありました…。
迷子になってる間でも、街が素敵だから、
建物を眺めながら楽しく歩いておりましたが、
人気の無い、街外れの川沿いの道に出ると、
「本当にこの先にあるんだよねぇ?」
なんてかなり不安に思いながら、
強風の中を、テポテポと歩いておりました。
そしたら遠くに…
アメリカ製のピーナツバターのマスコット
キャラクターの様なヘンテコな形をした建物が
見えて来て、その時の喜びったらもう、
「やっと巡り逢えたわね!」そんな気分。

これは→エントランスから外に向かって見た画像。

祝!初、生ゲーリー!(笑)。感想?凄い!
ゲーリー建築は、設計の初期段階から
コンピューターの綿密な計算で作られる。
と聞いてたけど、思いっきりそれを実感。

私は、斬新なデザインの建築って、
好きじゃないものが多いのです。
全体のデザインが走り過ぎてて、
細部のデザインまで行き届いてなかったりとか、
凝ってる部分とのギャップが、みょーに滑稽で、
ハリボテっぽく見えちゃったりする。
密度が偏っちゃうから、そうなるのかな?
でも、ゲーリーにはまったくそれがありません。
全部の密度が高すぎて、逆に吐き気がしそうっ。
「生ゲーリー」を見れば、誰でもそれが解ります。
今更ながら、ゲーリーMyブーム。
ゲーリーファンになっちゃいますねぇ。

そして更に凄いと思ったのは、
とても目に付く建物でありながら、
街の景観を壊していない事。
まったく異質でありながら、
街には馴染んでいる…。なんでだ?
ゲーリーはやっぱり凄い!だけど、
ゲーリーも馴染ませてしまうほど、
プラハは懐の深い街なんだろ。
考えてみれば、ゴシック、バロック、
ロマネスク、キュビスムと、
色々ミックスされた街の中に、
ゲーリーの建築があったって
なーんの不思議もない話だぁね。



資本主義国の日本では経済成長の全盛期、利益を生み出す為だけに建物の沢山建てられた。
そんな時期にプラハは、社会主義国家であったので、その波からも避ける事が出来た。
だから街が美しいまま。それだけのように思っていたけど、やっぱりそれだけじゃなんだね。
プラハはきっと、新しいもの、古いもの、先入観や固定観念無しに、
良いものは素直に「良い」として受け入て、愛して行く街。そんな気がする。
プラハの劇場でアマディウスの「フォガロの結婚」が初めて認められ、喝采をあびたように、
ゲーリー建築も街に受け入れらている。双方が素晴らしいから、成し得る事でありますね。

- Dancing House -
"Frank Owen Gehry"
竣工:1997年

「Frank Owen Gehry」他作品
O'Neill Hay Barn(SanJuanCapistrano,CA,1968)
Ron Davis Studio and House(Malibu,CA,1972)
Gehry House(SantaMonica,CL,1979and1987)
Hollywood Bowl(Hollywood,CA,1982)
Wosk Residence(BeverlyHills,CA,1982)
Loyola University Law School(LA,1984)
Schnabel Residence(Brentwood,CA,1986)
American Center(Paris,France,1988)
Fishdance Restaurant(Kobe,Japan,1989)
Vitra Design Museum(Germany,1989)
Walt Disney Concert Hall(LA,CA,1989)
University of Minnesota Art Museum
(Minneapolis,MN,1990)
Guggenheim Museum Bilbao(Bilbao,Spain,1997)
Experience Music Project
(Seattle,Washington,2000)、他



資本主義の波はPRAHAにも来ているけれど、資本主義とて、もうすでに古くなってしまった、
今の社会では歪みを生じてしまう考えである事を、PRAHAの人々も解っていてくれていれば…と思う。
真っ直ぐな目を持っている人達、静かでありながら内には情熱と強さを持つ人々。
彼らならきっと大丈夫。これから先、どんなに新しい建物が建って行ったとしても、
美しい街のままで居てくれるに違いない。そう信じてます。愛するプラハの街が永遠でありますよーに!


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