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『けさらんぱさらん』ってなに?
『けさらんぱさらん』の正体に関する諸説

謎だらけの『けさらんぱさらん』だが、その正体については結構わかってきている!
ここではいくつかの説を紹介します。

「妖怪『けうけげん』」説

百鬼図譜「今昔百鬼拾遺雨之巻」に掲載されている情報を教えていただきました。
「けうけげん」とは「毛羽毛現」と書くらしく、時として「希有希現」とも書くらしい。
これ系の世界の事は全くわからないのだが、「けうけげん」とは全身毛むくじゃらな 犬の様な姿の妖怪らしく、これに住み着かれた家からは病人が出るとのことで、 どうやら疫病神のごときのものかもしれない。
なんだか「幸運を呼ぶケサランパサラン」とは全く違う物である気がするが(そうであって欲しい)、 このHPではけさらんぱさらんもこの一種ではないかと書いてあります。

ビワの木は庭に植えると大樹になり陰地をつくり、庭全体を陰気な雰囲気にすること から庭木としては悪い話しが多く、例えば、庭にビワを植えると死人が出るとか、 「枇杷貧乏、柿金持ち」とか、ビワの木は住んでる人の精気を吸い取って大きくなると かいわれ、庭木としては喜ばれていないとの言い伝えがあるそうです。 そんなビワの木の生息する「毛羽毛現」が疫病神的に扱われるのもなんだかわかる気がします。
しかし、けさらんぱさらんは幸せを呼んでくるものであって欲しいなぁ。
でも、この話は「民話や言い伝えには何らかの理由がある」というわかりやすい例だと思います。
こういった情報はケサパサと人間の関わりを想像させてくれる話として、非常に面白いと 思いました。

「植物の種」説

北海道に生息する「タンポポモドキ」別名「ブタナ」というキク科の植物の 冠毛(綿毛の事ですか?)が飛散するのを俗人がケサランパサランと呼んで 不思議がっていたとの説明があります。
う〜ん、うちのケサパサもただの植物の綿毛なんだろうか?

「猛禽類に食べられた小動物の毛皮」説

これは「動物タイプ」の正体に関する説明です。
「加茂水族館の館長から聞いた」とメールで教えてくれた方がいました。
この方のお話では、ワシやタカ等の猛禽類に食べられた、ウサギなどの毛皮が、フンの中に 混じっている事があり、皮の部分が乾燥して縮み、結果として毛の部分が球状に集まったものが 見つかる場合があるそうです。
実際に加茂水族館にはこの毛皮を起源とするケサランパサランが展示されています。
加茂水族館のケサパサの写真が 掲載されているHPがありますので、ご参考までに。







「昆虫」説

井上靖氏の「しろばんば」にでてくる「しろばんば」が『けさらんぱさらん』そのもので、 これは「わた虫」とも呼ばれる虫の一種だとの情報をいただきましたので 紹介致します。

とどのねおおわたむし Prociphilus oriens
半翅目タマワタムシ科の昆虫。
がその正体であるとの事だ。
これは極東から東南アジアに分布するアブラムシで,体長 4〜5mm,腹部は白色綿状の分泌物に包まれ,その他の部分は暗灰色に見え、春はヤ チダモの若枝や葉に群生して,葉を縮らせ、初夏にヤチダモを飛び去り,トドマツ の根に移住するらしい。
和名のトドノネはこれに由来するとの事。

夏の間地下で繁殖し,晩秋に再び地上に出てヤチダモに帰り、 夏の世代が造林のために植栽されたトドマツの苗木に 寄生して,被害を出すことがある。
ワタムシの仲間はいずれもその名のように綿状の分泌物を体にまとうので,晩秋の 移住のために緩やかに飛ぶ有翅虫は,北国では冬の訪れを告げる風物詩として知られ ,ユキムシ(雪虫)と呼ばれる。オオワタ,シロバンバの俗称もある。

また、
雪虫(ゆきむし)
晩秋に道路や町中の家の軒下などをふわーと静かに飛ぶ白い小虫の北国での方言。
雪のようだとも,この虫が飛ぶとやがて雪になるともいい伝えられている。東京では 〈オオワタ〉とか〈シーラッコ〉と呼び,京都では〈白子屋お駒はん〉,大和その他 で〈シロコババ〉,伊勢で〈オナツコジョロ〉,伊豆で〈シロバンバ〉,水戸で〈オ ユキコジョロ〉などの方言で呼ばれ,子どもたちがこの虫を追いかけて遊んだ。アブ ラムシ類の中でとくにワタアブラ亜科の仲間には白駐物質を分泌する腺が多数あって ,多く分泌されると体全体が白い綿で包まれたようになる種類の総称で,主としてワ タアブラ属Eriosoma,ハマキアブラ属 Prociphilus,ヨスジワタアブラ属 Tetraneur a,ゴバイシアブラ属Schlechtendalia などが,秋の寄主植物を離れて冬寄主へ移る 移住飛翔(ひしよう)の際に目だちやすいので,江戸時代以降子どもの遊びの対象とな ったが,これを追って遊ぶことはしだいに忘れられていくようである。
(c) 1998 Hitachi Digital Heibonsha, All rights reserved.(以上出典:デジタル 平凡社,世界大百科事典)


つまり、ケサパサ4形態?の中の「昆虫タイプ」に関しては、正体不明の 不思議な生き物ではなくて、学術的に認識されている既存の昆虫であった可能性が 高いわけです。
ケサランパサラン伝説とこの綿状の分泌物で覆われた昆虫とがいっしょになって、 「飛翔能力のあるケサパサ」という概念が生まれたのでしょう。
しかしだからと言って、未知の生物としての「ケサランパサラン虫タイプ」 の存在が否定されたわけではありません。この説はあくまでも、「虫タイプ」と 同定されるような昆虫が実在する、ことを示しているだけです。
ワタムシ


毛球と腸結石
「家畜動物の腸内結石」説 追加(3/19)

このホームページを見た方から、色々と情報をいただきましたが、この説はその中でもとびきり級です。

もともと牛・馬・羊・豚などの動物の胆石や腸内結石は「ヘイサラパサラ」や「馬ん玉」等と呼ばれている (広辞苑記載)との事で、また、「ヘイサラパサラ」はポルトガル語のpedra bezoarが転じたものであり、 昔は解毒剤として重宝され、その語源はペルシア語の padzahr (最初のaの上に横棒がある)で、 「pad (=expelling ) + zahr (= poison) ;解毒剤の名」であるらしい。
さらに、腸内結石に関しては岩手大学農学部獣医学科のHPの説明では、
腸結石 Intestinal Concretion: 糞便内の小石、釘、針金、釦などの異物に無機物が沈着して出来たもので主として 馬の大腸、特に結腸内に見られる。
とある。
同じく岩手大学農学部獣医学科のHPの説明では、毛球と呼ばれる牛・羊・山羊などの動物の消化器内 で発生する物質について書かれている。
毛球 Hair Ball: 牛、羊、山羊などの反芻類が嚥下した被毛あるいは植物繊維より成るもので第一胃 及び第二胃に、稀に豚や犬の胃腸に見られることもある。表面に被毛の見えるものを 粗毛球、表面が無機塩類で蔽われ硬く滑かで外部から毛髪の見えないものを平滑毛球 というとの事。
(毛球と腸結石の写真が 同HPに載っています。)
また、毛球に関しては犬からも発生する場合もあるとの事。


この説によると、「動物タイプ」はこのうち粗毛球を指し、「鉱物タイプ」は平滑毛球や腸内結石を指す 事になるわけです。
「馬ん玉」や「へいさらぱさら」はまさしく「ケサランパサラン 鉱物タイプ」の別名であり、 「ケサランパサラン 動物タイプ」の別名として「きつねの落とし物」があるのもうなずけます。
おそらく、きつねが糞といっしょに粗毛球を排泄したのを見た方がつけたのでしょう。

また、「ケサランパサラン日記」記載の 「鉱物タイプ」を雨乞いに用いた事に関して、以下のような考察もいただいてます。

『角川大字源で鮓という字を調べたところ,別の面白い情報が得られました. 鮓荅 さとう/ヘイサラバサラ
牛馬などの腹中から出た結石。古代,蒙古人が祈雨のために用いた。 [本草(綱目)・鮓荅][輟耕録・祷雨(祷は旧字)] ・・・・ 日本の雨乞いの方法の一つに,牛馬の首を水の神様に供える,或いは水神が棲む滝 壷などにそれらを放り込む,という方法があります.これは,不浄なものを嫌う水の 神を怒らせることによって,水神=龍が暴れて雨が降るという信仰から来ているよう です. 以下は(この説を教えてくれた方の)私見ですが, 「へいさらばさら」は,その不浄な牛馬の尻から出てくるもの ですから,神様が怒るのも当然という理屈で用いられたのではないでしょうか.ただ し,これは日本における解釈であり,馬と共に暮らす遊牧民族であるモンゴル人が, 同じ考えでそれを行ったかどうかは不明です.ちなみに輟耕録(てっこうろく)は14 世紀の明の書ですから,古代とあるのはその頃の話です。

※その後、この情報をいただいた方から、「輟耕録は序文が1366年, モンゴル王朝であった元が1260〜1368年で,文献自体の内容も, 元時代の社会・文化に関する随筆集ですから「明の書」の部分は, 「元王朝末期の書」とでもして下さい.」という旨のメールをいただきました。

さらに、
「その後の調査で,輟耕録に 記載されている雨乞いの方法(盥に水を入れ呪を唱えながら水中で 石を転がす)が『ケサランパサラン日記』のそれと酷似しており, また,このように水の中で転がして原形をとどめていられるのは 硬い球形の馬玉タイプであることや,モンゴル語で雨を意味する 「jada」という語に漢字を当てたものが「鮓荅」であると考えられる ことなどから,「へいさらばさら」の雨乞いのルーツは,中国の 薬物書である「本草綱目」によって伝えられたモンゴル人の祈雨方法 にあり,それに用いられたのは白い球状の鮓荅であると考えた方が よいようです. ついでに言えば「毛球」については,反芻をする動物(ウシやシカ など)に特に多いようですが,毛づくろいの際に飲み込んだ毛で できるため,犬以外のペット小動物,例えばウサギ,猫などでも メジャーな病気のようです.  ペットに多いのは,野生の場合,毛が溜らないようにするための草を 動物が知っていて,これを時々食べることによって防いでいるためで, ペット用に売られている「猫草」も,毛球症予防に効果があるようです.」
と追加説明もいただきました。
本当にありがとうございます。
(本当にありがとうございます。)※

  また,水神=龍から,龍の持つ玉のイメージが想起されることから,雨乞いに用い られたへいさらばさらは,主に白い球状のタイプだったのではないかと推測されます.」

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