質問・回答(0031)


「多発性骨髄腫」について教えて下さい。

96/09/01
祖母が「多発性骨髄腫」といわれました。初めて聞く病名で心配です。詳しく教えてください。お願いします。

初めて聞かれる病名でさぞご心配のことと思います。
「多発性骨髄腫」という病気は60歳以上の方に普通「腰痛」、「倦怠感(体のだるい感じ)」などで始まることが多いです。原因は形質細胞(けいしつさいぼう)という白血球の一種が勝手に増えて活動を始めるためにおこります。

形質細胞は本来「免疫(めんえき)グロブリン」という液体を作って外から侵入した細菌などの外敵を殺す免疫作用に役立っているのですがこれが必要以上に増えてしまうためにさまざまな不都合が生じてきます。血液中の「免疫グロブリン」が増え、尿中にもでてくることもあり腎臓(じんぞう)に障害をきたします。形質細胞が多く住んでいるのは骨髄(こつずい、骨の中心です)でこのため骨がもろくなります。

免疫グロブリン」が異常に増えることでこの病気を疑うわけですが、「乢ツB>$N0-@- 「骨髄穿刺(こつずいせんし)」と言って胸の前の骨(胸骨)や腰の横の骨に少し太めの針をさして骨髄の細胞を取り出し顕微鏡で調べる検査が重要になります。

治療はメルファラン(商品名アルケラン),ビンクリスチン(商品名オンコビン)などの薬を飲んだり、注射をしたりします。場合により,放射線を当てることもあります。

病気の治療中には腎臓の機能や血液中のカルシウムが多くなりすぎないように気を付ける必要があります。どうしても腰の痛みが強くなり普通の薬では効かないこともあり,そういう場合には私は「MSコンチン(エムエスコンチン)」という薬を使うこともあります。舌の縁(ふち)にかたいものができたり皮膚に出血斑(内出血のようなもの)が出来ることがありますがこれは「アミロイドーシス」という病気が合併した為です。

専門は「血液内科」ですが「整形外科」や一般の内科でも扱うことの多い病気です。長期にわたって診て頂く必要のある場合が多いですので,最初はある程度専門の先生に診て頂いたとしても自宅近くのこまめに診て下さる内科系統の先生にも良くお願いしておくのが良いでしょう。