質問・回答(0052)


「脳出血後の右半身の痛み」について)

父(七一才)が、四年前に脳中出血で倒れて、右半身不随と言語障害のリハビリに励んでおります。麻痺した右半身の痛みを三年前から訴えて苦しんでおります。脳の障害が原因ではないかと、主治医から言われて居ります。適切な治療法を御教授願います。(96/07/26原文のまま)

96/07/28
「脳中出血」は「脳卒中」のうちの「脳出血」のことでしょうね。「脳卒中」は「脳出血」と「脳梗塞」とを合わせてこう呼びます。「脳梗塞」には「脳血栓」(頭の中で血が固まる)と「脳塞栓」(心臓などで出来てしまった血の固まりが脳の中に流れ着いて詰まる)の2つがあります。

さてご質問の「脳出血後の右半身の痛み」ですがこれは頭の中で右半身全体の感覚を感じ取っている「視床(ししょう)」というところの障害が考えられます。「視床(ししょう)」は右と左と合わせて2つあり、右半身の痛みでしたら左の「視床(ししょう)」の障害と考えられます。

普通、脳卒中を起こして半身不随や言語障害となったあと数ヶ月ほどしてから出てくる大変困った状態です。

普通の鎮痛薬はまったく効果がないことがほとんどですので、内科的には「テグレトール」という痙攣(けいれん)のときに使う薬を飲んでもらったり、「トリプタノール」という「うつ病」の薬を使ったりして痛みを和らげます。これらでとても良くなる例も多いので是非試してみられてはどうでしょうか。但し、これらの薬はいきなり普通に使われている量を「乢ツG>B4Cf!W$r 起こした後の人が飲むと「ふらつき」など大変強い副作用がでることがありますので使い慣れた神経内科の先生の指導の下に内服をはじめることをお勧めします。

中にはこれらの薬を使ってもなかなか治まらない痛みが残る人もいらっしゃいます。辛抱強くリハビリを続けるしかないこともあり医学の限界を感じます。我慢できないような痛みの場合には「視床破壊手術」といって原因となっている「視床」を壊してしまう手術がありますが効果についてはそれほど良い評判は聞きません。

日本大学の脳神経外科では以前から「大脳皮質硬膜外刺激法」という方法を使って「視床痛」の治療に努力されています。「視床破壊手術」ほど大きな手術を必要とはしませんので一度問い合わせてみられてはいかがでしょうか。但し、施行してもらう前に今までの成績(どのくらいの患者さんたちが良くなったか、反って悪い結果になって困っている患者さんはいないかなど)や副作用など詳しく伺って,十分に納得なさってからにして下さい。