質問・回答(0056)


「椎間板ヘルニア」と「自己免疫性肝炎」について)

60代 女性 椎間板ヘルニアと自己免疫性肝炎の治療方法とどうしてこの病気になるのかを教えて下さい。ちなみに専業主婦で力仕事とは縁がなく酒・タバコはやりません。よろしくおねがいします。(96/07/16 原文のまま)

96/07/17
まず、椎間板ヘルニアですが,人間が4本足から2本足で歩行するように進化し胴体、頭という重たい部分を支えるようになってから脊椎(せぼね)に強い重力がかかるようになり、人間にはこの病気が多いと考えられています。治療法はまず安静で、次に鎮痛剤(痛み止め)を中心とした内服薬(のみぐすり)による薬物治療、牽引(けんいん)といって腰を引っ張る方法、どうしても治らない場合の方法として手術があります。

これらのうち程度や患者さんの年齢、合併症、その他を勘案して専門医が治療法を決定します。最近期待されている方法としてキモパパイン注入法というのがあります。手術が必要と考えられる患者さんでも良くなることがあり、とても効果が期待されている方法ですが、もちろん誰でもやってよいというものでもありません。

次に自己免疫性肝炎ですが、これは高齢の女性に多い肝臓の病気です。「免疫(めんえき)」という言葉はご存知ですよね。体に入ってくる細菌などの外敵を攻撃する体のシステムです。実際にはリンパ球などが行っています。国外から不法侵入するかもしれない軍隊を防ごうとしているちょうど日本の国の「自衛隊」のようなものですね。

では「自己免疫性」とはどういう病気のことなのでしょうか?「自衛隊」の一部が間違って反乱を起こして,自分の国内の大阪や神戸などの都市の攻撃を始めたらどうなるでしょうか。それを防衛しようとする「都市防衛隊」などと複雑な市街戦が起こりますね。体の中でこれとよく似た困った状態になった場合を「自己免疫疾患」といいます。

「リンパ球」など本来外敵から自分の体を守るべき細胞が間違って自分の肝臓の細胞を攻撃しているのが「自己免疫性肝炎」です。酒、煙草を好む好まないによってこの病気になりやすいかどうかはあまり関係ありません。治療法は患者さんの状態にもよりますが、このリンパ球の働きを調節するステロイドという薬をつかうことが多いです。使い方が難しいので、経験ある先生の指導に従って使うようにして下さい。自分勝手な判断で急に止めたりすると病気が急に悪くなって命が危険になる場合さえあります。