
「大動脈弁閉鎖不全症」について29歳男性です。背中がちょうど1年前から痛く(大した痛みではなく気にしなければなんでもない),TVで心臓病の場合もあると言うのを見かけて,心配になり病院に行き,心電図,心エコーをしました。そしたら,大動脈弁閉鎖不全の診断を受け,ショックを受けています。先生が言うには,まだ、軽度な段階で手術がどうとか言うレベルではない。また、1年後に心エコーを受診しなさい。と言われました。
気になって,本屋で調べたところ,かなりの重傷疾患と認識しております。そのためには知識を付けておきたいと思います。さて、質問です。 将来必ず手術が必要になるのでしょうか。 手術に大金がかかるのでしょうか。 現在子供がほしいと思っていますが遺伝するのでしょうか。 自覚症状がないのですが悪化するとどうなるのでしょうか。 よろしくお願いします。(96/07/12 原文のまま)

96/07/14
「大動脈弁閉鎖不全症」については担当の先生から既にお伺いとは思いますが簡単にご説明しておきます。心臓には弁が4つありますが、肺で酸素をもらった血がからだ全体に向かって心臓から出て大動脈に移るるところにあるのが大動脈弁です。
「大動脈弁閉鎖不全」という病気はこの弁がしっかりと閉じなくなり,ポンプ作用をしている心臓がゆるむときに大動脈の血液が心臓にもどってしまう病気です。原因としては生まれつきの場合、「リウマチ熱」という子供や若いひとが熱を出す病気(慢性関節リウマチとは別の病気です)などがありますが、原因がはっきりとはしないことも多いです。子供のときなどに原因がはっきりしない熱が続いたことはありませんか?
御質問の遺伝についてですが、いくつかの遺伝疾患でこの「大動脈弁閉鎖不全症」をおこすことはありますが逆にこの「大動脈弁閉鎖不全症」そのものが遺伝することはありません。「大動脈弁閉鎖不全症」以外に遺伝疾患をお持ちでなければ遺伝について心配は要りません。
症状としては心臓がどきどきする、息切れ、胸の痛みなどがあります。悪化すればこれらの症状が出てくる人もいますが、症状だけで勝手に判断は禁物です。普通、注意深く診察をすれば聴診器で雑音が聞こえるのですが、なかには単なる高血圧(特に最大血圧が高い)として気が付かれずに通院している人もいます。正確な診断には心臓のエコー検査、特にカラードップラー検査がとても役に立ちます。
この病気には患者さんによって程度の差があり、すぐに手術をしなければいけない人から、手術をしなくても一生無事で過ごす人までいろいろです。ですから「将来必ず手術をしなければならない」とは限りません。手術は症状の出方、聴診所見、ドップラー検査の結果などから専門医が検討し、最終的には心臓カテーテル検査などで判断します。
あなたの場合専門の先生の判断結果でしたら、今後毎年普通の健康診断に合わせて心臓のエコー検査をしておけば良いでしょう。尚、感染性心内膜炎の予防のために歯の治療、小さな手術や検査を受けるときには抗生物質を飲んでおいた方が良いと思いますが、そこまでする必要もないほど程度が軽いのかどうかは今かかっている先生にお伺いしておいて下さい。
たとえ手術となっても一般の手術の費用は保険が効くはずで、しかも月に約54000円以上は支払った分戻ってきますので一般の家庭では何とかやっていけるのではないでしょうか。。既に家計がとてつもなく貧窮されている場合には生活保護などの処置もありますので役所で相談して下さい。お金がなく手術を受けれないということはないはずです。