質問・回答(0076)


「原発性硬化性胆管炎」について教えて下さい。

小生47歳の外科医です。1992年より原発性硬化性胆管炎に罹患しております。最初は無症候性でしたが時々年3-4回位胆管炎の発作があり(この間文が抜けている?)を繰り返し今年の10月に一過性の黄疸が出現しました。専門の医師をご存じなら紹介してください。(東京都 K先生 96/10/14 19:47 )

(96/10/15)
こちらの技術的不手際の為と思いますが途中ご質問文が飛んでいるかもしれません。申し訳ございません。

今回は外科ご専門の医師からのご質問ではありますが、この Web サイトをご覧になっておられる一般の方へご参考の為も含めて病気の解説も簡単に書き加えてお答えします。

原発性硬化性胆管炎(primary sclerosing cholangitis、PSC)は胆道の炎症性硬化性病変により「黄疸」時に「全身掻痒感(かゆみ)」「腹痛」なども示す20-50歳の男性に多い非常に珍しい病気です。

日本国内では1965年に初めての報告がありその後も散発的に報告が見られるのみです。

検査所見としては血清中のアルカリフォスファターゼ値の明らかな上昇、ERCPやPTCといった胆道を写し出す検査法であちこちで胆管が狭くなったあたかもビーズを連ねたような像が見られ、肝生検では "fibrous obliterative cholangitis"の所見が特徴とされています。

この他に肝組織や尿中の銅の量やセルロプラスミンという血液中で銅を運んでいる蛋白質が増加していることや血液中の好酸球の増加も参考になります。

「潰瘍性大腸炎」「後腹膜繊維症」「Riedel甲状腺腫」「シェーグレン症候群」などとの合併症例の報告があります。

治療としてはステロイドやコレスチラミンなどが使われますがなかなか特効薬というわけにはいきません。

ご質問の専門の医師ですが先に述べましたように非常に珍しい病気ですので治療経験が豊富な医師を探すというよりも肝疾患一般に関する診療レベルの高い施設でご相談されるのが良いと思います。

都内でしたら東京大学第二内科が肝疾患の治療実績は広く知られておりますしこの他、国立がんセンター中央病院消化器外来部、順天堂大学消化器内科、国立国際医療センター消化器科などが定評があります。個人的に知っている医師もおりますので状況によりましてはあたってみます。

先生はご専門が外科のようですが諸外国ではPSCに対して外科的にアプローチされているようですね。 Pittらによるcholedochojejunostomyでは平均4年のフォローアップで良好な成績ですし、 Cameronらは総胆管狭窄部付近の切除拡張術後ステント挿入しhepaticojejunostomyを行うなどいろいろと工夫をして良い結果を出しています。この他に外ろうからbaloon catheterを挿入する方法も試されているようです。本邦の肝臓外科の経験豊富でしかも先駆的な仕事をやっている専門医をMEDLINEなどの検索から探すのも良いかもしれません。問題点ございましたら又是非ご連絡下さい。

外科の先生とのことでさぞかしご多忙で長年の間患者さんの為に日夜激務に耐えてこられたことと存じます。暫くは十分に休養を取られて御自分の病気の回復に専念されてはいかがでしょうか?あまりお役にはたてませんが一日も早い御回復を心からお祈り致しております。