質問・回答(0087)


平骨筋肉腫?

父(52歳)が6月に回盲腫瘍(平骨筋肉腫?)で手術をし、小腸と大腸(これに付随したかたちで付いていた。)の一部を取りました。(990g)この際、放射線治療や抗ガン剤による治療は受けていません。

最近になって(9月26日)CTを受けた結果、また同じものが出来てまた同じものが出来ていました。珍しい病気なのでどんなことでもいいですから情報をください。また4ヵ月足らずで再度オペをすることになりますが大丈夫ですか?(96/10/ 1 15:16 群馬県 Yさん)

ご心配のこととお察し申し上げます。
先ず、「回盲部」にできた「平滑筋肉腫」とのことですが、大腸の「平滑筋肉腫」や「悪性黒色腫」は肛門の近くの直腸に出来ることが多いです。「回盲部(盲腸の近く、かいもうぶ)」にはどちらかというと「悪性リンパ腫」が多いものです。機会がありましたら病名をご確認下さい。手術をなさっておられるなら病理所見が得られているはずです。もちろんこれは頻度の上でのことで珍しいところに出来てもちっともおかしくはないわけです。

さて、「平滑筋肉腫」ですが、これは「粘膜下(ねんまくか)腫瘍」といって粘膜の下にできますので, 潰瘍のような状態になっていない限り大腸カメラ(CF)や胃カメラでもみつかりにくく、気が付いたときには手術で取りきれないほど進行してしまってからのことがほとんどのやっかいな病気です。

リンパ腺を通らずに血液の中を流れて細胞が転移することが多く肝臓などへの転移が癌よりも多いという特徴があります。

化学療法についてはさまざまな考え方がありますが一般には病理所見(顕微鏡で見た細胞の様子)で悪性度が高い場合に行われることが多いのですが副作用のわりには効き目がよくありません。放射線療法はあまりやりません。

病理所見からの病名がはっきりしましたら又御連絡下さい。

なお「肉腫」とは「癌」と同じ悪性腫瘍の一種です。「癌」は悪性腫瘍のうち「上皮性」のもので、それ以外の「非上皮性」のものを「肉腫」と分けて呼びます。